2015年03月30日

高松宮杯から馬のある風景まで。

最近とみに馬券の調子のいい私は、

気をよくしてまたしても1頭軸から数頭流し。

稍重馬場の高松宮杯軸に選んだのは

雨降り上等!連覇がかかるコパノリチャード!

鞍上は『記録と記憶』にかけては右に出るもはいない『生きる歴史上の人物』武豊で万全です。

今年の高松宮記念はざっくりいうと、男女混合戦色が濃くて馬券にしやすいかなーと思えば、みごとに並ぶ1ケタオッズ!部屋の隅っこで軽く泣いてから、気を取り直して買い目の捜索にあたりました。牝馬は2kg軽く乗れることも買いたくなる魅力のひとつですね。

フランスの飲み物オランジーナのギア様を髣髴させる素敵馬名リチャードから、日経賞を勝ったばかりのホヤホヤ岩田騎手のストレイトガール、ギリギリ2ケタ人気で波乱を呼びそうなリトルゲルダの牝馬2頭と、ミルコを外して地獄を見たくないダイワマッジョーレ、エア弟がやたらに押すサクラゴスペルの3連複で勝負。1200mのプロであるハクサンムーンの取り扱いにはかなり悩み抜き、2着の後必ず13着と大敗するオカルトを参考にして消し!マイル馬ミッキーアイルの中京はどうだろうとよくわからずスルーしたら~…ドン!(爆裂音)

ひさ~びさに完全白旗オケラ街道でした。トホホ。

それにしてもなんだかなぁ~。お客さんの香港馬さんにはもうちょっと遠慮してもらいたかったし、自前の馬券が破裂しても、最後まで粘ったハクサンムーンに勝ってほしかったですね。

そして、

高松宮記念といえば、2006年優勝のオレハマッテルゼがいます。

金色に輝くタテガミと明るい栗毛がゴージャスなオレハは、現役時代武豊、柴田ヨシトミ、後藤浩輝騎手などの名ジョッキーを乗せて頑張りました。引退後は種牡馬になり、オーストラリアのオールエイジドステークスを勝ったハナズゴールやメイクアップなどの産駒に恵まれましたが、2013年、腰の病気になり13歳という若さで亡くなってしまいました。

28日土曜日。上着がいらないくらいのポカポカ陽気の中、オレハ父ちゃんの母カーリーエンジェルに会いに、繁殖牝馬引退後に彼女を引き取った長野晴美さんと、岩内町にあるホーストラスト北海道を訪ねました。

晴美さんは以前、牧場の繁殖厩舎の担当をしていた時にカーリーと出会いました。

カーリー初の産駒は、火災で命を落としたエガオヲミセテ。晴美さんはエガオのファンになって応援をしていたそうです。その後2000年にはオレハマッテルゼが生まれ、2年後にはルーセントウイングが生まれました(この3頭の父は大種牡馬サンデーサイレンス)。

晴美さんの心に今も深く残っているのは、繁殖にあがってきたルーセントでした。

まもなく出産という時期に、ルーセントは病に倒れ、何とか仔馬を生み落としたものの、その後亡くなってしまいます。この出来事をはじめとして、その後エガオやオレハたちの産駒も残念ながら天寿をまっとうすることができないまま、次々と亡くなってしまうことに晴美さんは言葉もなかったそうです。

時が経ち、繋養先が松田牧場になったカーリーは、24歳でジャングルポケットの仔馬を生んだ後、高齢のため繁殖の引退が近くなりました。晴美さんは、ちょうどその頃、家族で訪れたニセコ乗馬ビレッジで、ホーストラストの酒井さんに偶然出会い、カーリーの余生について考えるようになりました。

「酒井さんと出会ったことが、カーリーを引き取る決意に、自然とつながっていったと思います」

馬の出産に立ち会い、競走馬の繁殖に携わってきた晴美さんにとって、「馬のその後」を追うことは、あまり好ましくないといわれた時代もありました。

しかし今は、晴美さん同様に、競走馬、乗馬、繁殖牝馬など、仕事を終えた引退後に一般の方が引き取りを申し出ることが多くなってきています。年々、全国に余生牧場も増えて、安心して馬を預けられる場所ができたというのも、余生を見守りたい人や馬の福音なのでしょう。

毎月の預託料を捻出するのは大変ですが、「働く意欲につながりますし、自分の馬として生きていてくれるっていいですね!責任感も出ますし、仕事のモヤモヤも気にならなくなりました」と、愛おしくカーリーをみつめる晴美さん。ふと思いついて、カーリーの冬毛をブラシで取りはじめました。

「わっ!こんなにとれる!」あはは!馬の手入れはどうしてこんなに楽しいのでしょうか。

競馬を応援するさまざまなカタチの中で、引退馬を引き取るというカテゴリーが競馬界に確立されようとしています。栗東の角居調教師も「ホースセラピーねっと」という団体を開設して、馬の再就職先探しや、それに付随した活動を始めました。

「馬って、いくらみていても飽きないですよね!」

私はトラストオーナーになっているアドマイヤチャンプを、晴美さんはカーリーエンジェルを、互いに行ったり来たりしながら撫でくりまわしているうちに、時間が経つのをすっかり忘れてしまいましたが、

「またここで会いましょうね!」

私たちはそう約束してそれぞれの帰路へ。

春には春の、冬には冬の、馬のある風景がみたい。

会いに行けば馬たちは「あんた誰?」と思うかもしれませんが、

「実は私、あなたの飲み水と飼い葉でございます」と、

ニヤニヤしながら来月あたりいよいよ告白してみようかな。

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「長生きしてね」幸せそうな晴美さんとカーリー。

カーリーさん、とても幸せそうですね。
アラブ馬の、昔の外国の格言を思い出します。
馬は、国のために7年生きる。乗り手のために7年生きる。そして、自分のために7年生きる。
21歳といったところでしょうか、昔ですから寿命まっとうしていると思います。自分の7年をきちんと考えていていた、昔の人に驚きです。
・・・リチャード、私も期待していたんんですが(泣)

さくらさん、おはようございます。
馬の祖であるアラブにはいい格言がありますね!しっかりとメモしておきたいと思います。
21歳くらいから馬の余生があるのなら、そうであってほしいと願い、そこまで手助けしてあげるのもひとなんだと思うのです。
カーリーをはじめ、ここの馬たちはひとにようやくたどり着いた自分のためのひとときを穏やかに生きていますよ♪

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