ここまでは騎手。その後は馬。

宇宙まで見渡せそうな澄み切った青空と、「真冬かっ!」と思わせる寒風のアンバランスにひっくり返りながら、パカパカと乗馬を済ませ、大慌てでクラブハウスに駆け込んだ。

なんたって中山記念(G2)!いろんなことを言われても、雑念を振り払って一途に愛してきた横山典弘の一大事だ。

「ジャスタウェイは乗り替り」 

昨年の天皇賞(秋)馬で、休み明けと言えど、今のりにのってるジャスタウェイに典さんが…。

正直、テンションが下がった。結果次第では、心ない人々によって、ヤイノヤイノ言われてしまうのも想像がつく。

そういうの、ホント、はっきり言って耐えられないんですけどー!

うちの典さんは(うちってw)、おそらくもともと、あんな感じのひと(あんな感じってw)だと思うが、数いる騎手の中でも、武豊の次に、ファンやその他関係者から、わーわー言われてきた男だろう。今なんか、とある調教師さんと何かあるとも訊いているし、とにかくいつも何かを言われがち。

賛否が、きっちり半分になっている見事な名騎手だ。

そんなことは当の御本人が一番よくわかっていると思うし、それらの雑音が彼のチカラになっているのかもしれない。強い男ほど世間の風は冷たいんだ。だから勝った時にはもっと喜んであげなきゃ!

私はいつもそんな風に彼を応援してきた。

乗り替りの難しさを典さんはこなす。今までもそうだった。

カンパニー、ブエナビスタ、そしてジャスタウェイ。

誰が勝ってもおかしくはない好メンツの中山記念スタート…

あ!トウケイヘイロー出遅れ。マクってったよ、大丈夫かなー。あらら、もうジャスタウェイは典さんの「勝ちに行く位置取り」にいて、静かに折り合っているわよ。

秋天馬が、ここにきて本格化したと宣言したいのなら、本当にドバイへ行く気があるのなら、ジャスタウェイは来なきゃいけない。

最後のコーナーを回って、最内にトウケイヘイローがいたけれど、脚が止まることを典さんは読んでいて、ユタカに対して「どけっ」と言ったのかはわからないが(言いかねないw)、ふわりと減速したトウケイヘイローの内をまんまとすり抜けた。

ここまでは典さんの業である。あとはー!

58kgを背負わされたやや重の芝、ジャスタウェイのちょっぴり増えた馬体が、ぐんと加速をつけて飛んで行った。

「ジャスタウェイ強い~!!」

「誰の産駒?またディープインパクト?」

いえいえ、違いますよ~。

ハーツクライの息子です。

薪ストーブのある小さなクラブハウスが、賑やかにわいた。

いつもひとりでお茶の間観戦しているけれど、こうしてみんなで競馬をみるって楽しいな。話もおおいに膨らんで、馬券が当たったら厩舎が直せる妄想まで見せてくれる。

ジャスタウェイは強い馬になった。

ハーツクライ父ちゃん初めてのG1産駒らしく、みごとに勝ってくれた。種付けで忙しい父ちゃんだけど、今頃はみんなに祝福されて仕事の疲れも忘れるくらい喜んでいるだろう。

今回の出馬表をざっとみて、因縁のライバルディープ産駒は休み明けの牝馬アユサン1頭。

もしかすると、ここは順当勝ちだったのかもしれない。

輸送に強く、馬場も選ばず、器用なところもあり、父譲りの切れ味を身につけたジャスタウェイの「道」は、ドバイにつながった。

父が海外レースを経験している産駒は、その血に記憶があるかのように、好成績を残してくれることが多いが、ジャスタウェイもそれに続いてほしい。

さぁ、世界の果てまで応援しよう!

願わくば、典さんで…あ、言っちゃった。

誰か私のでかいクチを塞いでください。

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