2013年08月05日

神の領域。

昨日の小倉記念!小雨で稍重になった馬場が心配だったが、今年はユタカを外せない。こんなことをあらためて書かなくてはいけないほど、一時的にユタカは勝てない日々があった。

ひとの人生にはバイオリズムがあって、俗にいう浮き沈みという現象からは逃れられないという。世界のユタカも例外ではなかった。ディープインパクトであれほど勝って勝って勝ちまくったユタカの「その先」に待っていたものは、暗黒時代ともいえる『勝てない日々』。けれど多くの競馬ファンは、ユタカが必ず復活してきてくれることを信じて待っていたと思う。それは、悪いことのあとに、いつの間にかよいことが巡って来てくれると、ファン自信が経験しているから。誰でも不調の1度や2度を通り抜けて今があるはず。少しでも風が吹くと、もしかしてこれが次の波が来る予兆なのではないかとわくわくしたりして。

勝ち馬のメイショウナルトは斤量に恵まれて、行き脚に加速が付き、あれよあれよと前に出て、最後はハナに立つとそのまま逃げ切りのレコード勝ち!ナルトにとっても、すべての条件が整ったわけではないレースだったはずなのに、強さと速さの象徴である赤い文字が灯った。

人生って不思議なもの。ケガをしたり成績が振るわない時期の次には必ず、夜が明けるように陽が当たる日が来る。ひとによって、そのスパンはまちまちだろうけど、やがてやってくる左斜め上に向かった矢印のつかみやすそうな所を離さないで風に乗れば、ユタカのように、神の領域で活躍を許されると感じた。

それにしてもユタカの勝利ジョッキーインタビューは、どんな時でも謙虚で優しい。頭がいいとか悪いとかのような次元ではなく、自分のこころの中をありのまま話してくれるから心地よく聞いていられる。こころの中に変なフレーズを抱えているひとや、自分をよくみせようと意気込みの強すぎるひとなどは、うっかり失言をしてしまったり、聞き苦しいインタビューになってしまうけど、ユタカにはそんな危なっかしさもない。ただただ平和のシンボルのように笑顔でファンを見渡し、きれいな心根を話してくれている。平成のミスター競馬という称号を、そろそろきっちり表明して授与すべき人物ですね。

わぁー!前置きが長くなりすぎました。

実は先週の土曜日。苫小牧からフェリーに乗って8時間!青森県八戸までの船旅を楽しみ、到着後はおまわりさんに気をつけながら片道100kmの尻屋崎まで車を飛ばしました。

目的は寒立馬のいる絶景をみることです。

寒立馬(かんだちめ)とは、青森県下北郡東通村尻屋崎周辺に放牧されている馬で、厳しい冬にも耐えられるたくましい馬体をしており、柵のない世界で馬らしく自由に歩き回って観光客を迎えてくれています。

寒気と粗食に耐え持久力に富む農用馬として飼われていましたが、1995年(平成7年)には9頭まで激減してしまい、その後の保護政策により40頭ほどに回復。寒立馬及びその生息地は青森県の天然記念物に指定され、東通村の観光スポットとなっています。

寒立馬のなりたちは、南部馬(純血は絶滅)を祖とし、藩政時代から明治、大正、昭和にかけて、主に軍用馬として外来種との交配して改良されてきた田名部馬であり、尻屋地区ではこの田名部馬をさらにブルトン種と交配して、独自の農用馬(肉用馬)として改良してきたそうです。

昭和45年尻屋小学校長岩佐勉氏が、当時「野放馬」と称されていた馬を次のように短歌に詠みました。
「東雲に 勇みいななく 寒立馬 筑紫ヶ原の 嵐ものかは」

寒立馬という呼び名はこの歌からはじまったと言われています。私はこの寒立馬という言葉の中に、馬のけなげさを感じ、写真でみただけですが、極寒の中で耐え忍びながら立ち尽くす姿にこころを打たれました。

十数年前の6月に訪れたことのある尻屋崎は今回が2度目。当時より道が整備されて走りやすくなっていました。

徹底的に人間に管理され、とにかく速く走るために進化を続けるサラブレッドも魅力的ですが、まるで古代から時が止まったように、断崖絶壁の岬の端で力強く暮らす馬たちも素晴らしい時間軸を過ごしていると思います。勝ち負けのない世界にいると思われるのんびりした馬たちも、生きるために日々自然と闘っているのですね。この日はようやく東北地方に梅雨明け宣言が出た日で、豪快に大型アブの攻撃を受けていて本当に大変そうでした。

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神の領域ともいえる絶景!

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私の車も、このあと寒立馬の大群に飲みこまれました。

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問答無用に空と仲良くしなければならない、遮るもののない世界。

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放牧地のすぐ後ろは崖。

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カメラを持ったひとたちがたくさんやってきます。

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仔馬はどこでも寝ちゃいます。

 

Photo_4 寒立馬の仔と私。

馬産地の北海道でも、尻屋崎のような場所はほとんどありません。(一部、道東のどさんこ牧場や、函館の山の中に自然放牧されている馬はいます)

馬の用途は様々ですが、厳しい環境の中でも、ほとんどひとの手をかりずに、自然のままで馬らしく暮らす寒立馬たちから声が聞こえてくるようです。

「ぼくたち、とても幸せなんですよ」と。

この地上で一番強い馬は寒立馬なのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

上坂さんこんばんは♪
昨日の小倉記念武豊騎手素晴らし勝利でしたね。ナルトくんいろいろあってせん馬になり見事豊騎手の導きで重賞制覇何よりです。個人的には、大好きなスティの仔エクスペディションを応援してたのですが…道悪が…残念です。
豊騎手復活嬉しいですね!馬に寄り添い馬の邪魔をせず馬に負担をかけないあの騎乗姿、豊騎手の人柄を感じます。多くのファンの方が現役No1だという思いが武豊騎手復活に繋がったと思います。でも内田騎手も好きなんですけど(^^;
写真で見た事ある寒立馬。
上坂さんの文章は、いつ読んでも心惹かれるものがあり、寒立馬に会いたくなりました。「僕たち幸せだよ」きっとそうだと思う。自然の中で生きるある意味一番幸せなのかもしれません。
長文ですみませんm(__)m

てるみさん、こんばんは♪ナルト快勝でしたね!ユタカのちょっとはにかんだ笑顔が最高でした!私もエクスペは馬券に絡めていましたよ~(あとダコール)内田騎手もユタカの次に(あ!失礼だったかな)好感の持てる素敵な騎手さんですよね!寒立馬は肉用馬かもしれませんが、生きている時は、十分に可愛がられ、自然の中で馬らしく寄り添って暮らしていましたので、もやもやした気持ちもほっこりしましたよ♪これからも私なりの思いを書いてゆきますね。よろしくお願いします(*´-`*)

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以上

上坂由香

出身地
北海道札幌市
職種
エッセイスト

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