昨日の午後3時31分40秒あたり(適当です)は、全国1億人強の(そう思いたい)競馬ファンの皆さまが固唾を呑んで見守る決勝線前、1頭の美人が抜け出した瞬間!やおら立ち上がって万歳をしたのではないでしょうか。私と同じく、普段言い慣れない「ブラボー!」を、叫んだひともいるかもしれません。
第16回チャンピオンズC(中京・ダート1800m)は、我こそが砂の王者という男馬たちをねじ伏せ、12番人気の牝馬サンビスタ(父スズカマンボ)がミルコ渾身の追いに応えて快勝!!!いろんな歴史を達成した猛レースになりました。
上位拮抗で、「誰が来てもそれなりに納得のいくレース」と思わせる強豪揃い。連覇のかかるホッコータルマエは2番人気、その座を虎視眈々と狙う1番人気のコパノリッキー、そこに追い込みをかけて差してやろうとたくらむ3番人気の若武者ノンコノユメ、その他「砂といえば俺」だらけで、牝馬にとっては完全アウェー。しかし、歴史というのは、こんなにあっさりと清々しく変わるものなんですね。
道中、内につけて経済コースを誘導したミルコ。斤量に恵まれたとはいえ、馬体の軽いサンビスタに負担のかからないやわらかな乗り方で息をひそめる展開。最後の坂で、男どもがミカタだと思っていた砂に脚を取られてモタつく中、ひょいと抜け出して引き離す時の追い方ときたら、それはもう気迫みなぎる魂そのもの。どの騎手よりも丸く小さく、「ゴールが見えているお前を信じよう。俺はお前に祈りを込めるだけだー!」と、サンビスタの背中にピッタリ吸着されていました。
JRAのG1ダート史上初の牝馬優勝とあって、それはそれは感激の嵐。
ミルコはサンビスタに抱きつき熱いキスをしまくれば、検量室前でも担当者がビスタのお尻にチュー。横にいた角居先生も「俺もしたいんだけど…」と、モジモジしてたりして。
およそ牝馬とは思えないもりもりとした胸前の筋肉を、そっと隠す優勝馬レイの艶やかさは目を見張るものでした。ジャパンカップダートのレイって(あ、チャピオンズか。旧名称の方が好きだな)、こんな西陣織りの帯みたいでしたっけ?本当にきれいで、『この日』が来るのを待ちわびていたかのようです。
そろそろお嫁に行こうかと思っていた6歳のサンビスタは、新ひだか町のグランド牧場生まれ。
昨年、心不全で突然この世を去った父のスズカマンボ(天皇賞・春優勝)、母ホワイトカーニバル(フェアリーSで、アパパネの母ソルティビッドに勝ち優勝)も同牧場生まれですから、マンボカーニバルでサンバを踊るようなお祭り血統。引退を少し伸ばしての参戦が功を奏した結果に。
こういうことがあるから、競馬はやめられません。お父ちゃん~、見てましたかー。穴馬ミナレットもかわいいけれど、ビスタもええこでしたねー!
角居先生も若い頃、グランドさんで修業をしたそうですから、いろんな意味でグランド牧場純正オリジナルG1!喜びもグランド級。本当におめでとうございます。まもなく静内の役所にお祝いの大垂れ幕も飾られることでしょう。
馬券的には泣いたファンも多いかと思いますが、実は私も本線は、キング・タルマエからの5頭流しで3連複。2着のサウンドトゥルーをなぜか入れずに玉砕。サンビスタは「何かある」ような気がして複勝で的中。80円の粗利がでました(笑)。
一度は引退を決めていたサンビスタですが、次走も?ってな話になっているようで、個人的にはこのまま女の花道に大輪を咲かせたままお嫁に行ってほしいところ。どうなるかわかりませんが、とにかく無事に、グランド牧場へ凱旋していただきたいものです。
母親のホワイトカーニバルを現役で見てた自分にとって、あの馬が歴史的快挙を成し遂げる名馬を誕生させた事は感動的です
京都金杯勝ちで皐月賞3着馬のウィンの馬の母親
ハナノメガミとか、現役時代の母馬や祖母まで現役時代を見てきた経歴になっちゃいました
競馬は血の物語。時を重ねる度に面白さが増す…
ハナノメガミは…それは見事な雄花栗毛の馬体だったな…
しかしグランド牧場様は、独自の配合理論で米国重賞勝利したりして、凄い成績を残しますよね‼
ホクトベガと、どちらが強いかな…
知彦 2015-12-07 12:32:40
知彦さん、こんにちは!ホワイトカーニバルをリアルにご存じでしたか!サンビスタの偉業達成に、きっとみなさんも砂の女王ホクトベガを思い出したのではないでしょうか。私も彼女が生きて帰って来てくれたらと。サンビスタの快挙でまたまたひだかの馬産地は大盛り上がり。香港ではモーリスなど、ひだかの勢いが嬉しいですね!
上坂由香 2015-12-09 22:01:31