2016年08月01日

札幌開催始まりました!

7月30日土曜日より、札幌開催も無事にスタートしました!「無事に」というのは、実はこの週の札幌は、ちょっとーいい加減にしてくれない?というくらいの雨が降り続き、よもや週末も!みたいな怪しい空模様。

開幕から馬にとってかわいそうな馬場になるかと思いきや、そこは札幌競馬場の底力!めったなことで重馬場にならない、さすがのコンディションを保っていました。

31日は札幌競馬第一発目の重賞レース、クイーンステークス(G3・芝1800m)!競馬場は朝から大にぎわいで、いきなり札幌記念?かと思うような集客と蒸し暑さ!馬券を買う前から倒れそうな熱気に包まれていましたね~。

ここで私は、またしても、パドックだけを見て馬券にするという得意の荒行に入ったところ、複勝やワイドがちょっぴり当たるというウォーミングアップ。その日も出目の集計も済んだクイーンステークスは、縁起のイイ~出目の6と8に2番人気のウインプリメーラ(父ステイゴールド)と、3番人気のロッテンマイヤー(父クロフネ)さんたちがそろい踏み!これは間違いない鉄板レースの予感てんこ盛りでした。

パドックを見ると、おおー、確かに両者ともいい気配。さらに1番人気のシャルール(父ゼンノロブロイ)と、9番人気のマコトブリジャール(父ストーミングホーム)がよく見えるといいことで、7番人気のマイネグレヴィル(父ブライアンズタイム)を入れた極上ワイドボックスという、1着を当てる気がさらさらない、損害保険のたっぷりかかった馬券をメイキングしてみました。

札幌競馬場ではめったに起こらない、ターフの馬たちが人の頭でよく見えない状態の中スタート!!

まずハナを主張したのはリラヴァティとシャルールのゼンノロブロイ一家。その直後の内にマコト、外目にプリメーラという私にとってはニヤニヤな馬群形成!3コーナーをすぎたあたりから、速い流れになって、シャルールとマコトのエンジンがかかり、そのままデッドヒートにー!ギャー!あなたー(典)!頑張ってーー!なぜか首の高いシャルールと、低空飛行のマコトの叩きあいは、4月の福島牝馬Sと同じワンツーでゴーーール!あれ?本日の出目である6と8はどこへ…。

メインレースになると、出目の法則がまったく役に立たなくなるというのはよくあることだけど、マコトは競友R嬢も「よくみえた」とのたまうほどの素晴らしいパドックだったので、ハヤイ話が「あぶな!入れててよかった!」というワイドな結果になりました。

これから札幌競馬場は9月4日まで、毎週さまざまなイベントが行われます。食いしん坊の私が一番注目しているのは、期間中、毎週土日、週替わりで違うお店の味が楽しめる『肉VSラーメン祭り』!札幌競馬場オリジナルのメニューということもあって、開幕から大盛況ですよ~。

本州各地の競馬ファンのみなさま、この夏休みは、ぜひ札幌競馬場に足をお運びくださいね!

本日のブログ更新で、競馬女子部を卒業することになりました。もしかして、私が最長だったのかなぁ?長い間、たくさんの皆さまにこちらのブログをご愛顧いただきまして本当に感謝しています。ありがとうございました。

2016年07月25日

笑って泣いて、また笑う。

月末ともなると(まだ1週間ありますが)、ちょっとした外出が命取りになるような、緊迫した環境に置かれる私。書いては消し、書いては消し。やがて、チカチカと元気に動いていたカーソルも、むごたらしく息を引き取られ、時々固まるという…。

早い話が、締め切り迫る、安くてヘタクソな生活原稿の下敷きになっております。

まぁ、現実はそうであっても、顔で笑って心で泣いて。どうせ泣くなら競馬で泣きましょうってんで、やって来ました札幌競馬場!競友R嬢と待ち合わせをして参戦です!と、その前に、

【緊急告知】いよいよ7月30日土曜日から『札幌開催』がはじまります!(9月4日まで)

ここでざっくり、札幌競馬の重賞スケジュールをお伝えしますと~…

7月31日は北海道新聞杯クイーンステークス(G3)、8月14日はエルムステークス(G3)、8月21日は札幌記念(G2)、8月28日はキーンランドカップ(G3)、9月3日は札幌2歳ステークス(G3)という、えーー!1年待たされて、たったそれだけ!みたいな、あまりにも素早過ぎる開催期間。

いつだって行けるだろうと、のん気にしてたら終わってた!ということのないよう、くれぐれもよろしくお願い致しますo┐ペコリ

一番重要なことをしっかり話したあとは、

いきましょう、函館開催最終日のお楽しみ、函館2歳ステークス!(G3芝・1200m)。

前述したように、仕事がぐずぐずの状態ということもあり、スポ紙を買うのも忘れ、馬柱を眺める時間もなく、井崎先生がどんな予想をしたかも確認が取れないまま、R嬢と落ち合った私。謎の数字が殴り書きされた彼女の虎の巻をカンニングするほかないという、情けないアリサマに。

R嬢は数字系の馬券師で、その日の出目はもちろん、いろんな数字の引力を信じて馬券にするタイプ。その日の気配を見るパドック系のひらめいた!馬券の私とは、まったくもって系統が違うけれど、競馬について、ものすごく勉強熱心なので、すこぶる頼りになるのでありました。

この日の函館、なぜか6枠が来るという盛大な出目が叩きだされていたこともあり、6という数字がカギになる気がして見てみると、1番人気のモンドキャンノ(父キンシャサノキセキ)がちゃんと6番にいるという不思議。いっひっひ…鞍上は戸崎だし、これはもらった!と、勇んで買ったマイ馬券は、モンド軸から、ネコワールド(父ノボジャック)、ザベストエバー(父キンシャサノキセキ)、タイムトリップ(父ロードアルティマ)、女の子チームからピンクドッグウッド(父サウスヴェグラス)、ポッドジーニー(父ストリートセンス)の3連複たっぷり流し。私にしては1000円投入の贅沢馬券ですよ。

買ってみて、何か忘れてるような気がして変な顔していたら、レースはスタート!

あら、ザベストエバーがハナ。このままいくんだろうか。ちょっとモンド、かかってるけど何で抑えてるんだ、行かせ。ん?タイムトリップがいい感じ。前目につけてる12番ねー、12?げ!ここで思い出した12番は6枠ーー!

しかし時、すでに遅し…。ゴールする前からオケラの歌が聞こえてきました。

優勝したのは2番人気だった6枠12番レヴァンテライオン(父Pioneerof the Nile)。鞍上は三浦皇成騎手で1:09.2のレコード勝ち!ゴールした後は、馬の上で大きく立ち上がって思いっ切りガッツポーズ!!喜びを爆発させるコーセーを、久しぶりに見ましたよ。

帰宅してから某ツイッターを薄目で眺めていたら、お嬢様の投稿で、矢作先生が入院中だと知って開眼。

あのシーンは、「先生!やりましたよ!早く元気になってください!」という、お見舞いを込めた握りこぶしだったのね。ええ~話や(涙)。先生もこの勝利でたちまち笑顔になったことでしょう。

矢作先生、お早い回復を心よりお祈り申し上げます。

2016年07月18日

世界が「近い」馬主さんたち。

北海道の夏らしく、からりと気持ちのいい7月の風の中。ノーザンホースパークで行われた、国内最大の競走馬セリ市『セレクトセール』へ行ってきた。

事前にセレクトセールに行くと宣言すれば、友人から「いい馬買ってこい」とベタなジョークが返って来て面倒くさいが、もう何も書けません…と言いながら襟裳岬からダイブしたり、あとの借金は任せた…と一筆したためて軒先で首を吊っても、私の生命保険内では到底買えない馬たちがズラリ!夢の中で、こども銀行のお札を24時間体制で手書きしても間に合いませんなぁーと昇天しながら、会場の動向を見守っていた。

すでに関係各位の報道で、どえらい数字が叩きだされているが、2日間の合計落札額は、史上最高の161億3746万円(税込)!!!昨年の141億2738万円を大幅に上回る、素晴らしい売り上げになった。消費税だけみても、ものすごい金額が我が国全体を潤す結果に。低層で生きる庶民を代表してここに御礼申し上げます。

1歳馬の最高価格は、オーサムフェザーの2015(牡・鹿毛)で2億8000万円(税抜。以下同)。もちろんディープインパクト産駒。KTレーシングさんでみごとなビットだった。

当馬は、こちらもディープインパクト産駒のイルーシヴウェーヴの2016(牡・鹿毛)で、2億8000万円で落札。母はフランス1000ギニーなど5勝しているそうで、日本ダービー制覇まであと1完歩か!の里見オーナーが競り落とした。

Wave4 イルーシヴウェーヴの2016

今年のセールの目玉はなんといっても当歳。これが初年度産駒になる世界を制したジャスタウェイ(父ハーツクライ)の子どもたちに注目が集まっていた。

そのジャスタウェイが親孝行息子という大和屋暁オーナーは、初孫(?)になるレイズアンドコールの2016を4,700万円で、アドマイヤの冠名でおなじみの近藤利一オーナーも、ジャスタウェイ産駒を生み落した愛馬アドマイヤテレサ(豪州コーフィールドカップを優勝したアドマイヤラクティの母)の当歳を1億4000万円で落札。それぞれの馬主さんたちに縁の深い「生まれいずる理由」も含め、キミこそ我がファミリーである!といった仔馬に、大いなる愛と夢を託した形になった。

アツアツに熱せられた大金が、火の玉のように右から左へ行ったり来たりするセリの中で、人情味あふれる背景を感じると、こうみえても母のハシクレ、1頭しか産駒を残せなかった私でさえ、胸がきゅんとして感動してしまった。

「どこ仔もみんな、ええこに見える」私が特に注目していたのは、まず、ホエールキャプチャの2016。父はオルフェーヴルという、もはや説明のいらないこの同級生夫婦の愛の結晶ちゃん。

Capture2 ホエールキャプチャの2016

馬体は芦毛だというが、まだふくらみきれてない蕾のような淡い栗毛だった。芦毛のオルフェって…。何かの間違いでゴルシ風味にならないように、渾身の念力を送っておいた。

私自身もそうだったが、初めて生む子が男の子の場合、とにかく「でかした!」と大げさにもてはやされ、一族総出で大宴会になることもしばしば。キャプチャもきっと産褥の頃は、よかったよかったと、何度もお祝いされたことだろう。そのかわいい仔馬は、誰よりも熱い闘志をみなぎらせた岡田総帥が落札。1億7000万円という情熱価格に、母キャプチャも心の中で、ガッツポーズをしたでしょうなぁ~。

そしてもう一頭。ステイゴールド最後の一粒種、エレインの2016。

Elaine3 エレインの2016

随分と前に「ステイは死なない馬だと思っていた」と書いたことがあるが、そのステイの命の灯が消える直前に宿った大切な仔馬も、レインボーライン(父ステイゴールド)の三田昌宏オーナーが1,400万円で落札。陽に照らされ、ポカポカとあたたかい大地で眠るステイが、むくりと起き上がるようなビットの音がした。いかにもヤンチャな顔つきが、ステイの忘れ形見感を、最大限にかもしだしているようだった。

今回、写真撮影をお願いした長谷川さゆり氏イチオシのマルペンサの2016(父ディープインパクト)の可愛らしさったらない!お値段以上のめんこちゃんである。無事に里見さんチの仔になりました。

Malpensa1 マルペンサの2016

マンデラの2016(父ディープインパクト)は、大塚亮一オーナーがみごとに落札。まだあどけない眼差しは、その先にある「世界」が見えているかのようにキラキラと輝いていた。

Mandela3 マンデラの2016

セレクトセールは馬のセリなので、当然馬が主役でもありながら、会場内は馬主さんを中心に、騎手や調教師、牧場関係者、血統アドバイザー、報道関係各位が集結して、競馬界の一大社交場となってとても華やか。あちらこちらで、世界を見据えた馬談義が聞こえてきた。会場に飾ってあるマセラッティ(2,600万円)が軽自動車に見えてしまうくらいのスケールといったらわかってもらえるだろうか?

さらに、年々増えている外国からお越しの馬主さんが目立つ。スマホ片手に何やら連絡を取りながら、さりげなく手をあげてセリに挑む姿を隣で見ていた私は、その白い小指に、赤いおリボンでも結びましょうか?と、無言のチャチャを入れながら、白熱する日米ガチンコ対決を静観していた。今の時点でこうならば、いつか日本も外国からの輸入ではなく、馬を輸出するのが普通になる時代が来るのかも…。

私のようなものは、いつまでたっても世界が遠く、背伸びをしたって海しか見えないけれど、馬主さん方は、ドアを開ければすぐそこに世界があるんだなぁ、日本競馬ってあらためてすごいなぁと度胆を抜かれることばかり。いろんな意味で破格のセレクトセールでした!

掲載写真・撮影・提供:長谷川さゆり氏

2016年07月04日

キッド、頑張れ。

先月末、およそ2週間続いた締め切り地獄を何とか終えて、月も変わった7月1日。

我々道民にとって、最大のパワースポットである北海道神宮の【芽輪くぐり】の神事に行ってきた。

実はこの神事、本来は6月30日実施で1日遅れだったが、神宮には、まぁそうカタイこと言わずに的な、テケトーを絵に描いた民衆がたっぷり。いるわいるわいい加減人間。締め切りや物事の期日を忠実に守って生きてきた私にとって、やたら不本意!という6文字に小突き回されながら、輪に向かった。

いつの間にか溜まってしまう毒素を浄化し、これからの半年、災厄から身を守ってくれるというありがた~いご利益が、この神事最大の効能。境内の入り口にある大きな輪を三回、神事の作法にのっとって通り抜けると、どんなけ毒素が溜っていたのか、不思議と身体が軽くなるような感じがして気持ちがよかった。

こういったご利益のある神さまチックな芽の輪を、オケラに苦しむファンや、何とも惜しい競馬が続く馬たちのために、競馬場のどこかに設置して、三回といわずにくぐり放題!なんてのはどうでしょうか?

さて、今月から福島と中京が始まり、函館を含めた3場開催。地方色の濃い夏競馬が本格的にスタートした。仕事の関係で名古屋入りをしている友人がおり、中京競馬場の様子をこっそりのぞいてみると、あまりの暑さに驚いていた。友人は日本一暑い地域で暮らしている、いわば熱波のプロである。その友人でも「熱い」の連呼。あー、ダメだ。聞いてるだけで無理だ。NO熱波!…CBC賞は諦めよう。

こちらも札幌よりはかなり暑そうだけど、福島競馬場のラジオNIKKEI賞(G3・芝1800m)はどうだ!

前日の競友LINEで、「この前乗馬クラブに来たアドマイヤヤング(父フジキセキ)は、アーバンキッド(父ハーツクライ)の半兄!」との情報が。

肉親のほとんどがあの世にメサレ(早死家系)、必然のように出合うヒトや馬の縁を大切にしたい私は、俄然キッドを馬券に絡めたくなり、というか、厚かましいことに身内同然の馬になっていた。

今年のホットな流れから、2度あることは3度も4度も大歓迎ということで、伏兵牝馬のダイワドレッサー(父ネオユニヴァース)、拝啓お元気でしょうか?生きてますの?の内田騎手が乗るミライヘノツバサ(父ドリームジャーニー)、今のお手紙を一緒に読んでいただきたい、シイ騎手騎乗のロードヴァンドール(父ダイワメジャー)、そして、すでに身内のアーバンキッド。軸はユタカの2番人気ブラックスピネル(父タニノギムレット)とした。

ところがそのブラックスピネル、タイミングが合わず、若干の出遅れで後方からの競馬。多少入れ替わってミエノドリーマー(父アドマイヤムーン)がハナに立った。私のキッドは後方待機。ジョルジュサンク(父ヴィクトワールピサ)が再び前に抜けて最後の直線。ミライヘノツバサは、父のようなピッチ走法ではなかった。ダイワドレッサーがいい脚でやって来て、続いてキッドやブラックスピネルも追い込んできた。ひょっとして当たったかな?と思った瞬間、ど真ん中からシュっと、1番人気のゼーヴィント(父ディープインパクト)が!やめろ戸崎ーー!

くそぅ。またやられた。どうも私は戸崎騎手と相性が悪い。買わない時に限って、イヤガラセのようにやって来る。よく見たら、ゼーヴィント、5月12日生まれって、私と同じ誕生日じゃないの!ツーアウト満塁の場面で、見逃し三振を喰らった気分ですよ。トホホ。

2着はダイワドレッサー、3着にキッド、4着は、一番重い斤量を背負ったブラスピが入線した。

おかしいなぁ。神宮に毒素てんこ盛りに置いてきたのに、まだダメなんでしょうか。あ、お賽銭、100円しか入れなかった!毒素の量からしても、500円以上だったのかもしれない。

軸にこそできなかったけど、キッドは見せ場も作って頑張ってくれたので、今後も応援し、身内の気持ちで見守っていこう。

2016年06月27日

お祭りが終わりました。

競馬をしていると、週単位で物事が進むせいか、1年なんてあっという間だし、半年なんて3か月くらいしか実質ないんじゃない?と思ってしまう。

つい先日、雪が解けて春になり、北海道のくせに内地(道産子は本州をこう呼ぶ)のマネなんかして雨降りが続いた。今も、昼間の一瞬20度くらいにはなるけれど、あとの時間は恐ろしく寒い。

それでもやって来る中央競馬上半期のシメ宝塚記念!(阪神・芝2200m)は、前日まで関西地方を襲ったゲリラ豪雨明け。たまたま土曜日に、関西の友人と電話で話ていたこともあり、受話器口から聞こえる雨音で、その激しさが伝わっていた。重馬場に私のアンビシャス(父ディープインパクト)は対応できるのだろうか~…なんて、話をしながらチラチラ思ったりなんかして。

宝塚記念の当日。たいていお祭りの日は晴れるというが、阪神競馬場の雨は上がり、馬場も少し乾いて稍重になっていた。そう、宝塚記念は、有馬記念に続くお祭り競馬。生きるか死ぬかを賭けて予想をしながら馬券を買うひとには申し訳ないが、私にはどうしてもそれができない。ファン投票で選ばれた人気馬たちがニコニコ顔で出走するんだし、ここはひとつ、自分の好きな馬を買いましょう~ってなことでパドックを見ると…

「みんなイイ!」

さすがG1という素晴らしい馬体が揺れていた。パドックの解説者も、怪しいところを探して言うのに一苦労しているようだし、何だか知らないけれど、パドックの真ん中にいる吉田勝己氏の顔が何度もパンされるので、「また映った!」とか言いながら、コーヒーを吹きだしそうになった(スミマセン)。カレンミロティック(父ハーツクライ)だけが、牛のように歩いている他は、眺めのいい絶景で、いつまでも見ていたいなぁと思った。

そんな私だが、パドックをいくらみようとも、宝塚記念は、我らがサブちゃんのキタサンブラック(父ブラックタイド)、うちのエア夫騎乗のあばれる君アンビシャス、友人の持ち馬ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)、美浦の友人がいつも可愛がっているマリアライト(父ディープインパクト)と、これ以上はない。軸はどうしようと悩んだ挙句、結局、遠征帰りだろうが何だろうが、ぶちかましてくれると見込んでドゥラメンテに。よく見ると、妙に汗をかいていたが、最強馬にはそういった小さい事は関係ないのだ。どんな競馬になっても、強い馬は必ず来るもんだし。

そのドゥラメンテ、後方からの競馬。ハナは約束通りキタサン。続くアンビとトーホウジャッカル(父スペシャルウイーク)。大外からマリアも、いい所に蛯名が誘導していた。キタサンのペースは思いのほか速く、某ツイッターでは「速い!」という文字がじゃんじゃん流れてざわめきだしていた。

重たい馬場でハヤイ?ユタカのやることはよくわからないなぁーと感心していると、馬群は最後の直線へ。キタサンが逃げ切るのか!と思いきや、外からドゥラ、その中をマリアが割ってやって来た。蛯名の追い方がハンパない。ユタカもこのくらい追ってくれたらなぁと手を叩いて声援を送る。

マリアは蛯名の激しすぎる餅つき騎乗に耐え、脚を伸ばしてゴール!稍重といえばマリアの舞台。母父エルコンドルパサーの血が存在感を見せつける一発だった。マリアさん、ここで、このメンバーで勝つとは、本当に恐れ入りましたよ。立派ですね。あなたには、やがてこれ以上ない!と思われる素敵な旦那さんがやってくるでしょうなぁ。

宝塚記念の牝馬優勝は、スイープトウショウ以来11年ぶりの大金星。お祭りの寄付だと思っていた私の馬券も、まさかの馬連的中で涙目ですよ。

そのじんわぁ~りきた涙がびっくりして引っ込んだのは、ゴール直後のドゥラメンテを見た時。遠くのラチ沿いで、ミルコは下馬をして悲しそうにうなだれていた。ちょっとー!

「前にやったあの脚じゃないだろうね…」

大きなケガから復活し、海外遠征までやってのけたドゥラメンテの脚が…。

その後の報道でハコウとわかり、しばらく休養するそうで凱旋門賞の話も取りやめ。そこまで聞いてようやく安堵できた。ドゥラを休ませてあげたかったもんな…。

競馬を愛する「みんなの上半期」がこれで終わった。

祭のあとはこんな感じでしょうかね?と、今朝の札幌は久しぶりの青空に。洗濯物もてんこ盛りに干して、いろんな意味での日常が戻ってきたけれど、生まれつき気の早い私は、もはやカレンダーを7月にしているという。ついでに8月もチラ見。丸とか付けちゃう始末。

「札幌記念にモーリス(父スクリーンヒーロー)がやって来る?えらいこっちゃ。札幌競馬場はちょっとでも混むと、食べるものがなくなりがちなので(ゴルシの時は枝豆しかなかった)おにぎりと水筒持参か?ヤレヤレ…」

こうやって、早々と自分で自分の首を締め上げながら、私の人生は過ぎ去っていくのだなぁーと、嘆いとります。

Photo 宝塚記念優勝してニッコリしてるマリアライト

(写真提供:美浦の友人Hさん)

2016年06月20日

函館遠征ゆる回顧。

6月18日土曜日から始まった函館開催!(7月24日(日)まで)

北海道に夏の訪れを告げるといわれている夏競馬のスタートは、「いくらなんでも寒すぎるだろう!」という強風と気温のもとで行われた。

金曜日の午前中までたっぷりと雨が降ったり、この地方にはめずらしく、大きめな地震もあったりと、今年の函館開催は小荒れの気配が漂っていた。

私は金曜の夜の高速バスで函館に向かうという前乗りで、市内の親戚宅に宿泊することにしたのだけれど、このバス、なんと6時間ほど乗っていなきゃならないときた。公共の乗り物にからきし弱い私。「どこが高速だよ!トイレタイムなぞいらんから(トイレ付バス)、さっさと行かんかい!」アブナイ…こんな時こそ安らぎの酒を飲もう。車窓をチラ見しながらビールをひっかけて寝ているうちに函館に到着した。

函館競馬場は、まちの温泉街である『湯の川』からすぐ。目の前の道路を路面電車がのどかな顔をして走り、スタンドに立って背伸びをすると水平線が見えたり、遠くには函館山があるロケーション。さらに、函館空港が近いため、競馬場上空を、わりといい感じの爆音を轟かせて、低空飛行で旅客機がじゃんじゃん通過するという、写真愛好家の皆さんにとっては被写体にことかかない素敵な競馬場である。

ここに来るのは函館競馬場がリニューアルオープンした時以来なので6年ぶりだった。

札幌-函館間は、かなりの覚悟がいる300kmという距離。今回、現地リポートをするという仕事を頼まれなかったら、デカイ腰が上がらなかったと思うが、競馬場の素敵スポットを紹介するのはもちろん、グルメやご当地ビールなども見つけ次第発信するという任務なので、朝からビールを少々。こーゆー仕事、サイコー!酒の肴になるくらい、しょっぱい潮風の中でいただく大沼ビール(特設ブースにあります)は大変おいしゅうございました!

前フリがあまりにも長くなってしまった。

まずは土曜日のHTB杯(函館・芝1200m)!

このレースに行きつくまで、3つのレースをパドックだけをみて馬券を買うという荒行を思いついた私は、7Rと9Rの複勝をみごとに的中させ(ここ笑うところです)、意気揚々とメインのパドックを見ると、外目を悠々と歩く15番人気のゴースルー(父アドマイヤマックス)がよく見えてしかたがなく、またしても単複の応援馬券。結果は惜しくも4着で玉砕したが、勝ったのは10番人気のモズハツコイ(父クロフネ)。3連単10万円オーバーをおみまいしてくれた。あー、なんだかなぁ~…。その夜の反省会では、イカ次郎という居酒屋で、仲間内と踊るイカ刺を食べながらタラレバを語り尽くした。

翌日の日曜日は、函館市内がカラッポになっているんじゃないかと思うくらい、競馬場は大盛況!小荒れが連続した昨日のレースとは真逆で、わりと人気順の馬たちがゴール板を駆け抜けるレースが続いていた。

函館スプリントカップ(芝・1200m)の1番人気は、ユタカ騎乗のオメガヴェンデッタ(父ゼンノロブロイ)だったが、私にはなんと11番人気のアースソニック(父クロフネ)の方がよくみえて、身投げをするなら立待岬もあるぞ!と大バクチ。オメガやシュウジ(父キンシャサノキセキ)、レッツゴードンキ(父キングカメハメハ)などををヒモに置く、いつもの1頭軸(たっぷり)流しとした。

レースは、スタートからローレルベローチェ(父サクラバクシンオー)がハナで、後に12番人気のソルヴェイグ(父ダイワメジャー)が追走。シュウジはややかかっていたが、すぐに折り合っていた。

函館の芝は本当に独特で、スタンドから見ていても、その重苦しさが肉眼でわかる。馬が苦労する洋芝が、塩気を含んでさらにじっとりしているというのか、これで、ダラダラ続く坂なんかがあったら、プリンスオブウェールズ風味の芝でもあるなぁーと思っていると、馬群はあまり入れ替わることなく、そのまま最後の直線へ。

遂にシュウジか!いよいよこの函館の地で、いつの間にか僧侶になってしまったイワタのむせび泣きがみられるのか?

実況は2頭の馬の名を交互に叫んでいた。シュウジ!ソルヴェイグ!シュウジ!ソルヴェイグ!

ソルヴェイグ?でや!ここでまさかの3歳牝馬斤量50kgかーーーーー!

ハナ差でシュウジ青年を負かしたのは、丸田騎手のナビでやってきたソルヴェイグ!点灯したレコードの赤い文字!函館の直線は、ものすごい向かい風だというのにもろともしないシュウジとの競り合いを制して優勝を飾った。3着にドンキが入線し、3連単は開幕ご祝儀価格の397,650円とみごとな結果に。・・・あのぅ、地元の方スミマセン、立待岬に行くにはどうしたら…。

まぁ、そんなこんなで、なかなか見ごたえのある函館開催の幕開けとあいなった。

6年ぶりの函館遠征。移動時間の果てしなさはあるけれど、憧れの旅打ちをしている気分になれて、本当に楽しかった。

今回、函館でお世話になったみなさま、ありがとうございました。

2016年06月13日

ルージュバック復活!

6月12日、東京。エプソムカップのパドック。

人気上位の馬たちは、5月のレースを使っていることもあって、みんなそれなりに素晴らしい馬体で歩いていた。目黒記念4着だったレコンダイト(父ハーツクライ)と、新潟大賞典2着のフルーキー(父Redoute's Choice)あたりが、私には特によく見えて、いかにも来そうだなーと、昭和の人間らしく鉛筆の芯をひと舐めして丸をつけた。

2番人気のロジチャリス(父ダイワメジャー)は、またしても4kg増えて550kgの大台に乗り、ノーザンホースパークの馬車馬ジョージにソックリになってしまっていたが、不思議と重苦しさのない様子。メジャー父ちゃんも、そんな感じの馬だったなぁと、また舐めって丸。

お次はってんで、ディープインパクト家からアルバートドックはどうかと見やる。なぜかピンとこない。それどころか同じ3枠のヒストリカルがもー!…おそらくこの子は、父も認知をためらったと思われる「本当に俺の子か」という見た目(個人の感想です)。不憫な子に弱い私は、そっと温情のマルを…。

そんな平和なパドックで、1頭だけ、殺意をみなぎらせる馬いた。

ルージュバック(父マンハッタンカフェ)である。

ただでさえ細い足首でつま先立ちをしながら、やけに激しい情熱を燃やしている。

前走ヴィクトリアマイルでは、戸崎からルメールに乗り替り、その戸崎がストレイトガールで勝つという…。「デビューからずっと私とやってきたのに、あんた、誰に乗ってんのよ!」と思ったかどうかはわからないが、戸崎が自分以外の女に乗っているのを見て、心がざわめかないはずがない。すっかり気を悪くしたルージュは5着に沈んでしまった。

そんなことがありながら、エプソムでは1番人気に推され、このパドックである。ルージュの恨み節をたっぷりと吸収した戸崎は、何食わぬ顔で高楊枝ときめこんでいた。

スタートして先頭より10馬身ほど後ろに付けたルージュは、慣れ親しんだ手綱の感触を確かめながら、静かに外目で折り合っていた。「1番人気なんだからね!」ここでハッパをかけたのは、ルージュの方だったのかもしれない。こういう時の女は強い。

残り200m。逃げたマイネルミラノ(父ステイゴールド)までの距離は、やや苦労するだけあったが、戸崎の男らしく荒々しい追いに応えながら、ルージュは驚異の末脚を爆発!ざっくり言い過ぎだけど、見た目3飛びでミラノをかわした後は、強襲をかけてきたフルーキーに影も踏ませずゴール!きさらぎ賞を勝った時に怪物扱いされたあの末脚が、復縁した戸崎によってみごとに復活した。

これですよ。女の意地。嫉妬をチカラに変えてスパッ!と気持ちいい~じゃありませんか!

ストレイトガールにルージュバック。復活劇の立役者は戸崎。こーゆーものを見せつけられると、私も戸崎をおんぶしたくてたまらない。ここ最近グダグダな上坂を復活させてくれないものか。戸崎なら軽いから、おんぶして100mくらい走れますぞ(小声)。

この後ルージュは休養に入るそうだが、この時期の私が必ず口にする「夏になったら札幌へどうぞ」!戸崎と一緒に札幌記念あたりで勝利のランデブーはいかがでしょう?

夏の札幌を制するものは、秋の栄光につながる縁起の良い開催地。ぜひともご検討を~♪

2016年06月06日

安田記念のみっつの「まさか」。

今年の安田記念(東京・芝1600m)は、久しぶりにモーリス(父スクリーンヒーロー)の姿を、我が国で確認できるとあって(昨年の11月マイルCSぶり)、朝から心が弾む弾む。

弾んだついでに、愛しのPATちゃんに追い金をするため、自転車で近くのコンビニへ出かけた。この自転車は4日に買ったばかりの新車で、漆黒にちょっぴり白い線がアクセント。何を隠そう「本日の目玉」と書かれたその特売品に、「エイシンヒカリ号」と名付けて得意顔をしたのはいうまでもない。用もないのに乗りたくてたまらないし、たとえ自転車でも新車は見せびらかしたいのだ。

PATに積立預金をしたコンビニの帰り道。のん気にペダルをまわしながら、そういえばモーリスって、どんな(雰囲気の)馬だっけなぁーと、何でもすぐ忘れてしまう自分を呪っていた。・・・まったく思い出せない!強いのはわかっているのに、雰囲気が出てこなかった。

私はパドック信者なので、特にここは重要である。全頭じっくり見れるようにGチャンネルを凝視しながら、ついでに民放放送も時々チェックする二刀流である。ここで何かを察知したい方の私は、前走との比較ができる、パドックだけの番組がないだろうかと思った。勝ったレース時のパドックと今!みたいなヤツ。

どんなに願っても、そんな都合のよいシロモノはないので、自力の記憶をたどるしかないなぁと思っていると、やおら細江純子女史がつぶやいた。

「一番よくみえたのはロゴタイプでしょうかね」おおー!

だよね~と言いながら、テレビに向かって相槌を打つ私。どういうわけか、小岩のように筋肉が盛り上がるモーリスを差し置いて、ロゴタイプ(父ローエングリン)が、私にもよく見えたのだ。

ところが、ロゴタイプが何タイプかわからない。最近めっきり勝ち鞍もないし、記憶でいうと、エピファネイアに勝った皐月賞馬だったことすらも、危なかったという(関係者の皆さまスミマセン)。

ここでまさかね…と思い、一番よく見えたロゴを無難な3着付けにし、世界のモーリスで1頭軸。

乗馬のようにおとなしく歩いていたサトノアラジン(父ディープインパクト)と、ちょっと細く見えたのは旅の疲れが抜けてないのか?と感じながら、それでも馬がいっくんに義理を果たすだろうとリアルスティール(父ディープインパクト)を2着付け。3着の箇所にはロゴの他に、いつみても、いいのか悪いのかさっぱりわからないイスラボニータ(父フジキセキ)、実は2番目によくみえたフィエロ(父ディープインパクト)、一発やからしそうな気配でロサギガンティア(父フジキセキ)を投入。

華麗なる3連複フォーメーションのできあがり。めずらしくPATちゃんが「よし!」と言ってくれた気がした。

スタートしてやや入れ替わったものの、ハナに立ったのはまさかのロゴタイプ。その後ろでは、世界基準のペースが身に着いていたモーリスとリアルが「日本は遅い!」と言いたげにかかりまくり、それにつられてボニタも首を上げてイヤイヤをしていた。あんたは違うだろう。いいから折り合いなさい~と念じていると、あっという間に馬群はそのまま最後の直線へ。世界を制した2頭の脚色は鈍い。終始、自分のペースでるんるんだったロゴはさらに伸びてきた。

嗚呼、まさかの~~…。

競友LINEに記された「安田は荒れがち」の文字が浮かぶ。

まさかモーリスが負けるなんて。

まさかリアルスティールがブービーだなんて。

まさかロゴタイプが勝つなんて。

いけね!馬券間違えた!いつもの馬連1頭軸たっぷり流しにしときゃー、よいおかずが買えたというのに!涙。

5月の香港Cマイル制覇し、屈強な男として知られるモーリスとて、海外遠征の疲れが抜け切れてなかったのかもしれない。リアルもそうだろうし、いかに海外のレースが馬にとって大変だということを知らしめた安田記念。そして、復活の安田といわれるロゴタイプの優勝!安田で復活したウオッカみたいに、秋に夢がつながるいいレースをみせてくれた。

ロゴタイプごめんね。今後はちゃーんと、おぼえておきますよ!

2016年05月30日

第83回日本ダービー馬はマカヒキ!

昨日行われた第83回日本ダービー(東京・芝2400m)は、3番人気のマカヒキ(父ディープインパクト)が優勝して6913頭の3歳馬の頂点に!鞍上の川田騎手も、ついにダービージョッキーとなり、これでクラシックレースをコンプリート(史上8人目)するという最高のご祝儀付きですよ。

いつも、クールなのかかっこつけてるのかわからないニヒルな川田騎手も、そりゃー泣きますわ!マカヒキの背中で、何度も頭を下げる新しいダービージョッキーの姿に、もらい泣きしたファンも多いことでしょう。私は違う意味で泣きましたけどね(その話はまだハヤイ)。

史上最もハイレベルといわれた世紀の大レースは、マイネルハニー(父マツリダゴッホ)がハナで引っ張る展開。すでに関係各位から苦情がきている典さんは、スタートからいきなり府中駅の方に向かってしまい、相変わらず妙な形で目立つという…ホント勘弁してくださいよ、もう!

けっこうな縦長になった馬群の中団にいたマカヒキは、ロスのない堅実コースで最後の直線に向き、残り400mあたりから先に抜け出していたエアスピネル(父キングカメハメハ)を抜き去って、一瞬ヨロっとしたあとに強襲をかけてきたサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)をハナ差8センチ退けてゴール!

1番人気だった皐月賞馬ディーマジェスティ(父ディープインパクト)は半馬身差で3着、続けてユタカのエアスピネルが入り、「私の」リオンディーズ(父キングカメハメハ)は、最速のあがりをみせるも5着が精一杯だった。おそらくこれは、井崎先生が予想で「リオン」と言ったせいだと思われます(涙)。

今年のダービー馬がマカヒキに決まってからすぐ、「そういやさ、皐月が終った時に、ダービー馬はマカヒキだって、みんなで話してたよね」と、札幌競馬場で落ち合って一緒にダービー観戦をした競友は言った。

そうそう、そうだった!

今年の冠は、強い馬たちで仲良くわけあう形になるんじゃないかと話していた。

けれど私は、その可能性の目盛りを半分くらいまで上げたところで、残りを贔屓馬リオンディーズで埋めることに。だって、好きなんだもーん。皐月でケチがついたし、応援にも拍車がかかるってもんだ。私はどうも、正統派の男より、荒ぶるヤンチャ系のちょっぴりダメぽな男を好むようでいかんなぁ。

いろんな熱い思いでたっぷりみたされた心の表面張力の盛り上がった部分に、愛馬4頭をぶち込んできた金子さんのナミナミならぬ思いを重ねてしまう。

これほどダービーにつながりのある馬主もいないと感心していた。いったい何を食べたら、ここまでの強運になれるのだろう。英雄ディープを選び出した奥様に聞いてみたくなった。

「サイン出てたね、マカヒキリ」と言った競友の声を聞いてハッ!とし、気が遠くなった。

ダービー直前、不慮の事故で亡くなってしまった種牡馬カネヒキリ。うん、そういうことも大いにあるかもしれないし。

「菊花はサトノ(ダイヤモンド)かもね」競友は締めくくる。ここでリオンと言ってほしかったが、もし本当にそんなことが起きたら、私はこの競友に敬意を払って聞かねばなるまい。ちょっとー、何食べてんの!

サトノダイヤモンドは落鉄をしていたようで、もしこれがなかったらと思うと、やはり一番運のよい馬がダービー馬になるんでしょうな。

今年のダービーの直線は、マカヒキの道だった。いい叩きあいだった。川田はルメに負けていなかった。追う瞬間、川田の股がパクッと開くのは好きじゃないけれど、マカヒキ自身が作り上げたこの道が、凱旋門に続いているのかもしれないと思うだけで武者震いしちゃいますよ~。

ともかく私は、しばらく放心でございます。

2016年05月23日

樫の女王はシンハライト!

昨日行われた第77回オークス(東京・芝2400m)は、1番人気のシンハライト(父ディープインパクト)が優勝!勝ちタイムは2分25秒。

最後の直線は、後ろからジリジリっと来て、フラフラっとしながらも、最速のあがりでゴール。桜花賞馬ジュエラー不在で好枠という「絶対に負けられない一戦」を、みごとに勝利してくれました!

クビ差2着に2番人気のチェッキーノ(父キングカメハメハ)、3着は5番人気のビッシュ(父ディープインパクト)が入った。いつもは書かないけれど、4着に堂々10番人気の典さん!…いや、ジェラシー(父ハービンジャー)が飛び込むというー!

うーん、やはり来たかこの男。人気ウスで、カンパニーと同じ勝負服を着た時の典さんは、ポツン以外の何かをしでかす気がしてどうも匂う。なのでしっかりと、3連複ボックスの1頭にからませることに!

それなのに私は、なぜかビッシュを買っておらず、「3着に10番人気が入ると~いっひっひ…」なんて、変な夢だけ見まくっての完全オケラ。それでもまぁ、いいでしょう!だって、

みんなの軸馬、シンハライトが勝ったんですからーーーー!

心臓の大手術後、無事に生還してきた馬券番長とのオークス会議でも、シンハはカタイという結論が出ていた。その前も、競友LINEでは「この枠でシンハが負けるようなことがあると、池添が危ない」などと、悪い冗談を言いながら、騎手の安否まで心配したほど。

いい馬に乗れば乗るほど、乗り手は重圧で身長が縮む思いだろうけど、池添さんはオルフェーヴルの時に、経験値を上げてますからね。自信があったのでしょう。後ろでモタモタしていたのも、シンハの力を信じていたからこその余裕だったのかもしれませんね。

今回、斜行で騎乗停止をくらい、ダービーに出られない池添さん。シンハライトを絶対にオークス馬にするため、返り血を浴びてしまいました。何の記憶でそうなったのかわからないけれど、私のイメージでは、涙が似合い、悔しがりの一番似合う騎手ですからね。

「その次のレース」がこわいですよ。今から印、付けときまひょかー。

――――――――――――――――――

本日5月23日は、札幌競馬場でトレーニングセールの公開調教があります。

やってみなければわかりませんが、その模様は現地から生リポートとして

ほんの少しですが、

ここに掲載したいと思っていまーす(うまくつながらなかったらごめんなさい)

公開調教やせりの様子は

JBISライブ中継をご覧くださいhttp://live.jbis.or.jp/ ←ここ!

◆トレーニングセールの会場から上坂が中継しま…す!◆(つながりました)

今年のトレーニングセールは、全国から約250頭の2歳馬が札幌競馬場に大集結しました。

この日を目標に、育成牧場で調教を積んできた馬たちは、まだ少し幼さを見せながらも、

「今日の一番イイ走り」を懸命にみせてくれています。

速い時計を出すのはもちろん、ここで注目されるのは『走り方』。

ちょっぴり首は高いけど、一生懸命さは脚にでるのでしょうか。

私にはさっぱりわかりませんが、

またここからモーリス(父スクリーンヒーロー)のような

つよぉーーーい馬が出るかもしれませんね!(*´▽`*)

明日はいよいよ運命を決めるセリ!かなりの人出が見込まれます。

馬たちによいご縁がありますようお祈りしています。

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2016年05月16日

偉業達成した7歳牝馬の素晴らしさ。

思い起こせば昨年の暮れ。

6歳で挑んだ香港スプリントを、9着で終えたストレイトガール(父フジキセキ)。

一度は「お疲れさま」と、安堵の気持ちを抱きながら白いハンカチを振ったファンは『…と、思わせといてやっぱり現役続行!』という報道に、少なからず非情を感じたことだろう。

私もそうだった。

これほどの牝馬を嫁に行かせない気か!いったい何を考えているんだ!などなど、よそ様の馬に対して、女性ならではの私情をてんこ盛りに騒いだ記憶も新しく、明けて走った阪神牝馬Sは、またもや9着…。

もう勘弁してやって!と、ポケットにねじ込んだくちゃくちゃなハンカチで涙を拭いたものだ。すべては1200mのプロである彼女の脚を気遣ってのこと。何でもすぐ忘れる私でさえ、6歳で秋天に出走したメイショウベルーガの「中」という最後の文字がチラチラしちゃっていけない。

昨日のヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)も、7番人気のストレイトガールについては、とにかく無事を祈るだけにとどめ、馬券にからめるのも憚られるほど…。

ところが!

「ハイ皆さん、パドックはこう歩くのよ」

見ていた皆さんも同じ意見だと思うけれど、30戦以上の円熟した経験が物語る素晴らしいウォーキング!やや小ぶりなトモもプリッと張って、美しい歩き方のお手本そのもの!

3番人気のためか、何度もパンされて映し出されるスマートレイヤー(父ディープインパクト)の、どこからどうみても、いいんだか悪いんだかさっぱりわからない馬体に気を取られる時間が長く続いた。レイヤーちゃん、またしてもモヤ~んとして、この馬は本当に逃げるのかね?などとぶつぶつ言いながら、7歳牝馬先生は床の間に飾り、私の軸馬1番人気のミッキークイーン(父ディープインパクト)をガン見。先生のご指導もあってか、皆さん素敵なパドックを見せていた。

3着になったことのないミッキークイーンに絶大な信頼を置き、大阪杯で肩を慣らした2番人気のショウナンパンドラ(父ディープインパクト)、逃げ馬専科のレッツゴードンキ(父キングカメハメハ)よりは、3番人気のスマートレイヤーが行くだろうと見込んでこちらを投入。なんだよ上坂、守りに入った人気順馬券だな!と思ったそこのアナタ。違いますよ~。

しっかりと下位打線であるメイショウマンボ(父スズカマンボ)とウインプリメーラ(父ステイゴールド)も入れ込んだ夢馬券をメイキング!

「マンボの感涙をもう一度馬券」で臨んだ第11回ヴィクトリアマイルは、スタートからレッドリヴェール(父ステイゴールド)が勢いよく飛び出し、カフェブリリアント(父ブライアンズタイム)も外から引っかかりながらハナ。ちょっとー、ドンキはおろか、レイヤーはどうしたんだ?人気馬は後ろや馬群の中だなぁーとハラハラ。ガール先生は依然、床の間状態だった。

速い流れの中、最後の直線で一番早くギアチェンをしたのはなんと、そのストレイトガール先生!

父フジキセキ、母父タイキシャトルの血がここにきて爆発したのか、7歳牝馬の脚は、他の誰よりもキレる瞬発力で前に飛び出し、そのまま2馬身以上ちぎってゴーーーーーール!7頭もいるG1馬たちを子ども扱いして駆け抜けていった。

一度引退を決めた7歳牝馬のG1優勝という『偉業』と『連覇』は、ストレイトガールの傍に寄りそっていた陣営だけにしかわからない、彼女の若々しさと状態の良さだったのかもしれないが、それに十二分に応えてみせた女傑は本当に素晴らしい。いまさらアンチエイジングなんかやってどうなるよ?と、毒を吐いてお手入れをさぼっている自分が恥ずかしくなってしまった。

2着3着に入ったG1馬たちも、ストレイトガール先生の影も踏めなかったことで、今後ますます美容と健康に気を配ることだろう。

これで有終の美になるかどうかはまだわからないというが、今後の発表はちゃんと本決まりになってからにしてもらいたいもの。私もトシですからね、何度も椅子から転げ落ちるリアクションは正直ツライんですよ(小声)。

偉業を達成した7歳牝馬ストレイトガールの歴史的瞬間は、「若い女に勝てるわけがない」と言わざるを得なかった世の女性たちに、ひょっとして私も?と、勇気と希望、お手入れの大切さを教えてくれたようです。

2016年05月09日

いろんな意味で泣けました!

8日のNHKマイルカップ(東京・芝1600m)は、1番人気のメジャーエンブレム(父ダイワメジャー)が、先発予告通りきっちりハナに立ち、そのまま逃げ切るという素晴らしい勝ち方でJRA3歳マイル王に!勝ちタイムは1分32秒8と、申し分ないマイルの女王様っぷりだった!

「桜花賞でアレ(失敗)してしまい、しかも牝馬で1番人気」になったメジャエンのパドックは、いつになく、どよん~と重苦しい感じもあり、特別よく見せるでもなし、かといって、悪いところもなしという。前走で、妙に振り回していた「しっぽ」は、府中の風に気持ちよく揺れる程度に収まっていた。彼女に必要なのは、たったひとつ、ここで勝って『自信を取り戻すこと』だけ。

「よし、メジャエン軸でキマリ!」

勢いよく2階の自室へ駆けあがり(テレビが1階なので正直ツライ)、予熱をしておいたPATちゃんに4番を叩きこむ。ペカペカやっていたら手が滑り、シゲルノコギリザメ(父スーパーホーネット)までぶち込む大盤振る舞いも。

逃げ馬2頭(メジャエンとサメ)の場合は、彼らツートップのおかげで、ハイペースになること必死。そんなことになっても、しぶとくやって来る追い込み組から、アーバンキッド(父ハーツクライ)、ロードクエスト(父マツリダゴッホ)、トウショウドラフタ(父アンライバルド)、横山典弘(父トミオ)を入れた1頭軸の3連複流しで決定となった。

3番人気のイモータル(父マンハッタンカフェ)は、父ちゃん似のめちゃめちゃかっこいい馬体にもかかわらず、なぜだかひとりで激高しており、ひそかに先に出すという不穏な動きをしたので消し。4番人気のディソーナ(父ダイワメジャー)は、戦歴にパンチがなく、騎手がミルコというだけで浮上したような気がして早々に消した。実はここが一番ドキドキしたところかもしれない。

スタートが命のメジャエンは、ラクな手ごたえでハナ。直後にノコギリザメがコバンザメになりながら、予定通りこの2頭が後続を引率していた。クエストやドラフタは後方待機と決め込む。直線に向く前に、中団から横山典弘が仕掛けて、ヤル気を見せたりしていた。

6kgダイエットしてきたといっても、まだまだ雄大な馬格を誇るメジャエン。坂を下ってからようやくゴーサインを受けた栗毛は、ひときわ大きくなってさらに加速。引き離しにかかる。残念ながらサメは力尽きた。メジャエンゆけー!大外から、お約束通りクエストが追い込んできて、真ん中に、え!18番?いっくん買ってない!で、ゴーーーール!

でもやったーーー!やっぱり強いー!

メジャーエンブレムが勝ったことで、私の涙腺は気持ちよく決壊ですよ。

涙を拭きながらツイッターにあれこれ書いて、歓喜と興奮のたれ流しをすると、私と同じですでに繁殖を引退している余生馬、伏見の雄:ヨドノエリリン号も感極まってツイートをしていた。

「全然違うけど、ウオッカを思い出して泣けたー!」

札幌の怪:ユカフジ号(私)も、

「わかるー!男に勝つなんて大変なことだー!」とか打ち込んで洟をすすった。

強い馬が見せ場なく凡走というか勝てなかった時の落胆は、ファンの心も傷つく。あいたたた…と、胸に刺し込みが入る。ウオッカの時に何度その痛みを味わったことか。ヨドノエリリンが思い出してしまうもの無理はなかった。スタートさえ決まればということは、決まらなかった場合も出てくるだろう。それがこわい。そして、

今後は距離の問題が彼女につきまとうのかなぁ。。

おばちゃんのダイワスカーレットは、有馬でも逃げ切ったし、その手の問題を先に克服しているキタサンブラック先輩もいるから大丈夫。メジャー父ちゃんだって、ノドの病気をしないで、さらにもうちょっと根性あれば、多少長くても走れたはずなんですよ(小声)。

中2週でなければ、ダービーへ向かって変則2冠!なんて、妄想だけなら何でもできるメジャーエンブレム。これからヴィクトリアマイルやオークスもあるけれど、牝馬の世界は間違いなくメジャエンを筆頭にメイキングされていくでしょうな。

いっくんのおかげでオケラになってしまったけれど、勝ってほしい馬が強い勝ち方をした時のエクスタシーで、この先しばらく生きてゆけます。

13055697_885996188189069_3121950091 撮影・写真提供:山口ひろし氏

2016年05月02日

京都の神さまが愛したキタサンブラック。

長い歴史の分だけずっしり重い淀の盾はサブちゃんの胸に!

第153回天皇賞・春(G1京都芝3200m)は、2番人気のキタサンブラック(父ブラックタイド)が優勝!13番人気のカレンミロティック(父ハーツクライ)をハナ差4センチ差し返すというみごとな勝利だった。

3着には3番人気のシュヴァルグラン(父ハーツクライ)が入線。昨年の菊花賞に続いて2度目の「まつり」が京都競馬場に響き渡った。いいなぁ京都のお客さん。サブちゃんのまつりを2回も聞けるなんて!

キタサンブラックって、よっぽど京都の神さまに愛されているんだなぁ~と思わせる1枠1番からさっとハナに立ち、そのままラクな形で後続17頭を引率。

後ろの方で、どんなことが起きてるのかまったく見えない位置でも、キタサンとユタカは自分たちのペースを崩さなかったが、1番人気のゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)はちょっぴり引っかかってしまった。

私はこの時点で、アクターを軸にしなくてよかったと思いながらも、フェイムゲーム(父ハーツクライ)の後ろ過ぎる待機が気に入らない。そんなところから最後に大外をぶん回すしかない場所で届くんですか豪州の名騎手ボウマン!

今回キタサンとフェイムの2頭軸3連複たっぷり流し(トゥインクル、シュヴァルグラン、タンタアレグリア、トーホウジャッカル、ゴールドアクター)と、キタサンブラックの単勝応援馬券で勝負していたので、何だか突然、損害保険が解約された心細ぉ~い気持ちに。

それでも私の自賠責保険キタサンブラック。2周めで馬群がさらに縦長になったことで、これはひょっとしてあるぞと思わせてくれたのもつかの間、すぐ後ろでキタサンをマークするカレンミロティックは完全ノーマーク!!あぶなーーい!…ここで私は事故ってしまいました。

まさか13番人気が路上に、いや最後の直線で飛び込んでくるとは―――…。

昨年の菊花賞以来2度目のG1を飾ったキタサンブラック。この大きなイケメン馬は今年の古馬界の主役になりました。

オーナーも騎手も、その道では大御所。祝いの席で歌は必出です。表彰式後、マイクを握るサブちゃんの「一緒に歌いたい」という無茶振りに、関西人らしく「では歌います」といって、ボケてくれたり、「次に勝ったら歌います!」くらい、ユタカにはサービスしてほしかったですね。

チャリン~と虚しい小銭(450円)の音が、サブちゃんのまつりとお客さんの手拍子にとけこんでいく中、神社仏閣の多い京都の神さまたちは、この「まつり」がどうしても聞きたいんでしょうなぁと、札幌のお茶の間で、京都競馬場の空を見ておりました。

次走は宝塚記念や秋の天皇賞などプランがいっぱいのキタサンブラック。海外遠征は何となくサブちゃんのカラーじゃない気がするので「なし」でお願いしまーす(小声)。

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JBBAよりお知らせ

5月16日(月)千葉サラブレッドセールライブ中継を予定

5月23日(月)~24日(火)北海道トレーニングセールライブ中継を予定

競走馬のせり市場中継は、JBISサーチでご覧ください。

よろしくお願いします。

2016年04月25日

出そろいました~。

オークストライアルのフローラS(G2東京・芝2000m)は、馬群の真ん中でうまく折り合っていた3番人気のチェッキーノ(父キングカメハメハ)が直線突き抜け優勝!2着は2番人気のパールコード(父ヴェクトワールピサ)、3着は13番人気のアウェイク(父ディープインパクト)と、ここまでがオークスの切符を手にしました。

1番人気だったビッシュ(父ディープインパクト)は、乗ってるのが典さんという原因で後方からの競馬。400kgほどの小さな馬を馬群の中で揉ませるわけにはいかないという(?)典さん独特の優しさが裏目に出て5着。ディープの仔なんだし、外に出せば上手に飛んでくれるだろうとでも思ったんでしょうかねー。いい加減にしないと、坊主頭を余儀なくされますよ(小声)。

勝ち馬チェッキーノは、兄のコディーノ(疝痛のため夭逝)の全妹なのに、なぜだかオルフェーヴルに似ているという栗毛ちゃん。鹿毛や黒鹿毛っ子を歴代生んできた母ハッピーパスも、その毛色をみるなりドキッ!として(するわけない)、我が子の美しい顔をまじまじとみたことでしょうな。

これで来月22日のオークスに出走する馬が出そろいました。

注目していたメジャーエンブレム(父ダイワメジャー)は、NHKマイルCと別路線を行くことになり、ルメ騎手がうまいことかぶらないで騎乗できるというお約束。馬の後ろで頭脳戦も繰り広げられております(小声)。

しょっぱなから2回も小声でささやきましたが、ここからは大声でひとつ。

「ヌーヴォ女史!立派でしたーーー!」涙。

4月24日に香港のシャティン競馬場で行われたクイーンエリザベスII世カップ(G1)は、我が国の代表馬3頭が出走し、ラブリーデイ(父ディープインパクト)は最後伸びきれずに4着、元気よく飛び出して最後疲れたサトノクラウン(父Marju)は12着、「ヒカリと一緒じゃないと香港いやだぁ」と、かわいいところを見せたヌーヴォレコルト(父ハーツクライ)は6着という結果に。

それでも、ヌーヴォの前に牝馬は先着しておらず、後ろにたっぷり牡馬もいることから、堂々世界の6番目ということでしょう。昨年12月の香港カップ2着同様の立派な成績ですね。

同級生のエイシンヒカリ(父ディープインパクト)は、小頭数で逃げやすいフランスのイスパーン賞に出走予定。「レ子、みとけ。俺がチャチャっと勝ってやるから!」*このテの妄想は人生を豊かにします。

さて、今週は天皇賞・春(G1京都・芝3200m)!!!!

昨年の覇者をおぼえていますでしょうか?

競馬を見るのが恐ろしくなるなる、わけのわからないコンビがいない今年、さぞかし予想もラクにできるだろうと思っていたら、まぁーみごとにどっこいどっこい。困りますよ本当に!

この距離にして菊花賞馬やら、春天より長い距離を得意とするステイヤー馬もたっぷりやらで、またもや唸りながらの検討になりそうですが、騎手界の人手不足な感じで浮上したサウンズオブアース(父ネオユニヴァース)とシュヴァルグラン(父ハーツクライ)が、気になっとります。

2016年04月18日

わからないのがいいところ。

先日起きた熊本地震により、大変多くの方が犠牲になってしまいました。ここに心からのお悔やみと、被災された方々のお見舞いを申し上げます。一日も早い復興をお祈りしています。

昨日行われた2016年3冠シリーズ第一弾!第76回皐月賞は、8番人気のディーマジェスティ(父ディープインパクト)が、3強といわれる馬たちをイッキにマクって優勝!レコード勝ちという素敵なおまけつきの1冠を手にしました。

馬券がちょっぴり当たった時は、ニヤニヤする時間があるので遅くなりがちな競友LINEの打ちこみも、外した時は早い早い!「やられた~~~!」

私のスマホは「や」を押すと、2番目の候補に「やられた」が出てしまうので余計に早い。

マカヒキ軸のたっぷり流し3連複で勝負した私や、仲間内をオケラにした犯人ディーマジェスティは、なんなんですかね、あの強さ!鞍上で踊る(馬の上で暴れないように~)蛯名騎手に応えて飛び出したあの瞬発力!そんなの聞いてないんですけど。

マスコミの情報操作なのか何なのか、1強から3強、4強とじゃんじゃん増えて、いつの間にかリオンディーズ、エアスピネルのキンカメ産駒一家と、マカヒキ、サトノダイヤモンドのディープ一家プラス、マジェスティで5強?いやいやいや、もうこれ以上「強」の字が増えるのだけは勘弁いただいて…。

見えてきました府中のテッペン。

この5頭がまさしく有力なのはごもっともなことだけど、ひょっとして他に、強の字の弓偏にぶら下がってる馬はいないんですかね。ポスト:マジェスティみたいな逸材。ひとを疑るということを知らない私でも、本当はもっといるんじゃないですか?と思ってしまう。6着だった芦毛のマウントロブソン(父ディープ)あたりなんか、どうもそれっぽいなぁ(小声)。

昨年は、ひとり横綱ドゥラメンテとサブちゃんなクラシックだったけれど、今年はもう私の中で、いちいちどうなるかさっぱりわからない迷宮路線決定。強の字に躍らされて他が見えなくなる恐れもたっぷり。馬柱を見る視野が狭くなるので、スポ紙のみなさま「ダービー馬はわかりません!」と、正直にお書きくださいましな。

まぁ、なんといっても蛯名騎手ですよ。私との相性激悪というか、蛯名さんの目力ありすぎる面立ちが苦手(私は柿の種のような目が好き)で、まず馬券に絡ませたことがない。しかしここで、いよいよダービージョッキーになる1完歩を踏み出したこともあり、今後はちゃんと見なければいけませんね…。

皐月賞馬ディーマジェスティは、新ひだか服部牧場出身。

けっして大きいとはいえない牧場で生まれました。あとでわかったことだけど、デビュー戦は札幌。その日は札幌2歳ステークスがあったので、私も現地で観戦していたことを思い出す。ただでさえ力のいる札幌の洋芝に当日は稍重。デビュー2着となったマジェは、共同通信杯を稍重で勝利。昨日の中山も、良馬場といいつつチカラのいる馬場だったことから、蛯名騎手のGOサインにも、へのかっぱで応えることができたのかもしれないなぁ。

なんて、終わってみれば何とでも言えるのが競馬のいいところですね!

先日、別件の仕事で名刺交換をした時、トウショウシロッコがプリントされた私の名刺を見て、相手先の方が興味を示してくれた。そこから、競馬を知らないひととの華麗なる馬談義がスタート。

来月は日本ダービー。競馬の勉強をしてデビューするなら最高のシチュエーションになる。確か私もこの時期から競馬をはじめた。

よし!勧誘するなら今だ!

いつもより艶っぽい声でひと通り話したところ先様が、

「だいたいわかりました」

え!今の説明で本当にわかったんですか?

「で、そのダービーを勝つ馬はなんですか」

あ…全然わかってないし。

競馬は、わからないのがいいところでもあるんですよといってみたものの、この方、日本の最高峰の大学をお出になっておられて「わからない」という感覚がピンとこないようだった。

「勉強すれば、そんなことはないでしょう!はははー!」…。

どうやら私、競馬の勧誘に成功した模様です。

2016年04月11日

メジャエンも女の子だった。

ここ最近、激安といえど、ひそかに馬券が当たっている私は、桜花賞のパドックをガン見していた。

――――ずいぶんとシッポを振っているなぁ。

1番人気に押されたメジャーエンブレム(父ダイワメジャー)は、せわしなく尾を振り、全体的にみてもそわそわと落ち着かない様子。いろんな見方があると思うが、私にはそう見えた。これはひょっとして…。

阪神競馬場の桜は、春の牝馬クラシック第1弾桜花賞(G1芝1600m)に出走する女の子たちを見守るように咲いていた。こんなに美しいレースは、世界的にみても、他にあるのだろうか?

そんなうっとりする中切られたスタートで、まず異変が起こる。

メジャーエンブレムが逃げられず、むしろ手綱を抑えているような感じ?どうしたのかなぁーと思っていると、カトルラポール(父グラスワンダー)がハナにたち、他の女の子たちも元気よく飛び出していった。

注目馬の位置取りは、中団に前目にメジャエン、その後ろ外側にシンハライト(父ディープインパクト)、後方にジュエラー(父ヴィクトワールピサ)という展開。

そのまま最後の直線。道中、窮屈そうだったメジャエンの前は開いたけれど、ラベンダーヴァレイ(父ディープインパクト)に寄られてややもたつき、仕切り直しとばかり抜け出した時には、シンハライトも同時に加速。後方で脚をためていたジュエラーが、大外からぶっ飛んできてゴール!

2センチの差でジュエラーが第76回桜花賞馬になった。切れ味専科のディープっ子を抑えての勝利は、ピサ父ちゃんもびっくりしたことだろう。シーズン後半のお仕事増えまっせ。

写真判定を待たずして、ツイッター某氏が「ルメ太郎wwwww」と、wの中に悔しさをたっぷり盛り込んで叩き打っていたので、私もつい衝動的に「るめ太郎」とツイートしてしまったが、同じような気持ちのファンは多かったと思う。

メジャーエンブレムの圧倒的な強さを味わい損ねた感が、重苦しく横たわっていた。

勝ったジュエラーはもちろんシンハライトも、パドックでは馬体重よりは大きく見せていて、番組が始まる前まではメジャエン軸にしようと思っていた私は、ここであっさりジュエラーに変更!

ほんとかどうかは知らないが、牝馬がシッポを振りまくる時は、フケがきているサインだと聞いたことがあった。やっぱりそれだったのかなぁー。牡馬のように凛々しいメジャーエンブレムだって、女の子になる日もあるだろう。何となくもっさりして強さを発揮できなかったのは、それもちょっぴりあったかもしれない。それにしてもルメ太郎…。

私の3連複フォメ馬券を救ってくれたのは、3着のアットザシーサイド(父キングカメハメハ)だった。先日、福永いっくん騎手を褒めたたえた恩恵が跳ね返ってきた格好。いっくん、ありがとう~。栄養のあるよいおかずが買えました。

1強といわれたメジャーエンブレムが4着に終わり、これで今後、今年の牝馬界は3強と表記されることが多くなる見込み?距離が長くなるオークスはどうなってしまうのか。そもそもメジャエンは出るのか。ダイワメジャー産駒の立ち位置はどうなのか。いやいや、爺さんの欄にオペラハウスですよ。キタサンブラック的なことになるかもしれないし…。

そうはいっても、ジュエラーの血はまさしく2400m。似合いすぎ。うーん。

次の大舞台で、シッポを振り回す女の子がいませんように。

2016年04月04日

ひいき馬のワンツー。

「こーゆーのが見たかった!」

そう叫んだ競馬ファンは、ざっとみつもって1億人くらいはいたんじゃないかと思う昨日の産経大阪杯(G2阪神芝2000m)!菊花賞馬、皐月賞馬、秋天馬、JC馬、オークス馬と、G1馬が勢ぞろいして大盛り上がりでしたねー。阪神競馬場にお越しのお客さまは、お値段以上の素敵競馬をご覧になったことでしょうなー。

優勝したのは、2番人気のアンビシャス(父ディープインパクト)、2着にハナに立ってレースを作ったキタサンブラック(父ブラックタイド)、3着には中団から追い込んできたショウナンパンドラ(父ディープインパクト)が入った。

ひとによって、いろんな見方があると思うけど、レース自体はそれほど複雑なことはなく、いたってシンプルな決着だったと思う。

スタートのいいユタカがキタサンブラックに乗るということは、当然ハナを切るだろうし、気性の怪しいアンビシャスが、突然よい子の競馬をするわけがないので、おそらくかかる。馬なりでおなじみの優しい典さんは、そのまま行かせてあげる気がしていたが、本当にそうなってしまった。

演歌を歌う気満々だった(?)ユタカと、満を持して乗りたい馬に跨った時の典さんは何かある。

この2頭の騎手乗りかわりが、今年の大阪杯の総括である!といってもいいでしょう。

そんな中でも、私が一番怖い存在と踏んでいたのは、香港帰りのヌーヴォレコルト(父ハーツクライ)!彼女の競馬は、自分が前にいようと後ろにいようと、着実に前をとらえる自在性がある。

土曜の夜までは、2000mのスペシャリスト・ヌーヴォ女史を軸にしてもいいのかなぁーくらい思っていたが、道産子サブちゃんの顔がちらついて、ブラック軸に変更!我が家にしてはちょっといい夕飯のおかずが買えるくらいの3連複フォメが的中した。

まぁ、なんたって、好きな馬2頭がワンツーを決めてくれるこの嬉しさったらない。なんなら私がまつりを歌いましょうか?なんて言いたくなる。今年の新年度は最高のスタートになった。

競馬中継の時間、私は乗馬クラブにいて、シンガポールで活躍中の藤井勘一郎騎手夫人サオリ先生(当クラブのインストラクターです)と、イスラボニータ(父フジキセキ)ファンのTさんと観戦。

ひとりでお茶の間競馬もいいけれど、みんなでみるとやっぱり楽しい。だいのおとなが遠慮なく、大声を出してもいい時間であり、切ったハッタの感情をまき散らしても、誰もとがめる者はいない。ちょっとうるさいだけである。

「あの顔がたまらなく好き」。そう語るTさんのボニタは5着だったが、道中フワフワするところがタマニキズ。今後はそんなヒマもない1600mあたりで、ドカンとひとつお願いしますね。

さてさて、お次はいよいよ桜花賞!

メジャーエンブレム(父ダイワメジャー)のおでましです!

井崎先生が、予想で彼女の名前をあげないようにと祈る上坂でした(小声)。

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JBBAよりお知らせです。

4月26日(火)JRAブリーズアップセールライブ中継、

4月24日(日)香港・クイーンエリザベス2世カップ現地取材レポートを配信します。

今月もよろしくお願いします。

2016年03月28日

いっくんの意地。

昨日の中京、高松宮記念の時間は、前夜のドバイ中継観戦の余波を受けて、とにかく寝不足。ここで何か食べると、死ぬまで寝てしまいそうなので、朝から絶食とあいなりました。

「でもな、意外とスッキリしてんだよね…」

短いながらもきっちりノンレム睡眠がとれたのは、ラニ(母ヘヴンリーロマンス)とリアルスティール(父ディープインパクト)の勝利で、四十肩を忘れて盛大に万歳したのと、ドバイの真ん中で「ドゥラえもーん!」と、愛馬の名を叫ぶ知人の笑顔が伝わってきたからなのだと思う。

レース直前の落鉄で、素足で走って2着だったドゥラメンテ(父キングカメハメハ)に、立派でした!と拍手を送りたい。

そんでもって、私の大好きなホッコータルマエ(父キングカメハメハ)の話は、彼のファンとして、いろいろ思うところがあり口を開けば猛毒しか出てこない恐れがあるので、あえてカット。とにかくただちに帰国してほしい(そのまま北海道へ!)←熱望

長すぎる前置きはこの辺にして、第46回高松宮キネーン!(G1芝1200m)

今年の宮杯は、何が何でも先に行きたい馬が多く、馬場もパンパンに乾いて高速決着必死!出たはいいけど、横の馬ばかり気にして面白くない「お先にどうぞどうぞ」競馬を一刀両断。これぞ日本のスプリンターの走りである!という素晴らしい競馬になった。

ただでさえ速いスタートの馬たちをおっつけてハナに立ったのは外枠のローレルベローチェ(父サクラバクシンオー)と、ミッキーアイル(父ディープインパクト)をかわしてハクサンムーン(父アドマイヤムーン)が主張。4番手にビッグアーサー(父サクラバクシンオー)が追走するかたち。

ベロもハクサンもアイルもアーサーも、とにかくまとめて馬券にしていた私は、ひとまずギャアと叫んでゆけゆけコール。忌々しい中京最後の坂を上がったところで、外から飛んで来たのはビッグアーサーだった。

「いっくんーーーー!」

デムーロのように、ノールックでがむしゃらに追う福永騎手の愛称を叫んでいた。

―――なぜ祐ちゃんではなく「いっくん」なのだろう。

しかもなんで私は、決勝線手前の大事な時に、そんなことを思ったのか―――

意識をテレビ画面に戻すと、馬体の筋肉踊るビッグアーサーが、7の壁をもぶち破る1:067というレコードタイムで駆け抜けていた。世界のロードカナロアは1:08だったので、いかに速かったか。2着にミッキーアイル、3着はアルビアーノ(父Harlan’s Holiday)が入った。

おかげさまで、私の3連複フォメ(1頭軸の3頭ー3頭)は、激安ながらもみごとに的中。ちゃんとパドックを見て買うと、やっぱりいい感じに来るなぁと実感しちゃいました。

ちょっとー、痛いでしょそれは!というくらい、アーサーの首を叩いて喜ぶいっくん。

先週あたりから、連続で重賞を勝ってきた福永騎手であっても、G1勝ち、とりわけ「心に思うところがある」気配の勝利は、格別のようだった。

リアルスティール。

ドゥラメンテと同期のこの馬は、さんざんコンビを組んできた福永騎手ではなく、外国人騎手でドバイG1を勝つ。その翌日の高松宮記念。しかも、私には、リアルとアーサーが同じような位置取りで、同じような最後の見せ場で勝ったように思えてならない。すごく似ている。

私は時々「脚を余し気味の」と、よくない方の枕詞をつけて福永騎手を紹介することがあるが、リアルとアーサーのおかげで、彼はもう違う人になった。枕詞はもう使うまい。

この先も、どこまでも、いっくんはいっくんだと思うけれど、当の祐ちゃん(野平祐二氏)は、

「平成の祐ちゃんは頑張っているな」と、口笛を吹いていますよ。きっとね。

2016年03月21日

誘導馬見学会。

道路の雪もようやくきれいに解けた札幌市内。いかにも春っぽい感じなのにものすごく寒い!

油断をすると、時々白い物体が空から降ってきたりして、いったい何を着て出かければいいのやら。

昨日は、札幌競馬場の隣にある乗馬センターで、誘導馬たちの見学会に行ってきました!

札幌競馬場の誘導馬は8頭。ロングキングダム(父メジロマックイーン)17歳を筆頭に、京都金杯を勝ったマイネルスケルツィ(父グラスワンダー)、京王杯2歳Sのマイネルレーニア(父グラスワンダー)、そして昨年、初心者マークをつけて誘導馬デビューをしたトウカイパラダイス(父ゴールドアリュール)などがいます。

Dcim1153 こちらは一昨年の札幌記念。ロングキングダムとベイズウォーター。ゴールドシップやハープスターを誘導しました。

夏の開催前のオフシーズンに行われる誘導馬の見学会は、身近に馬たちとふれあえるとあって、約50人ほどのファンが来場していました。

Dsc_0316 人懐こいベイズ。私の通う乗馬クラブには彼の全姉が暮らしています。

Dsc_0328 パラダイスも愛嬌いっぱい。昨年は、返し馬が走り出すと「オレも行くー!」とはしゃいでいましたが、今年は初心者マークもとれるそうで、堂々と誘導してくれるでしょう。

乗馬センターでは、北海道大学や酪農大学、近隣の高校の馬術部の生徒や少年団の子どもたちが練習をしています。JRAの誘導馬で乗馬の練習ができるなんてステキですね!

この日は、一般の方もひき馬体験。

Dsc_0333

Dsc_0331 皆さんとても嬉しそうに誘導馬の背中を楽しんでいました。

近年では誘導馬ファンも多く競馬場に訪れ、声援をおくったり写真を撮影したりと大人気。元競走馬の数少ない大切な再就職先でもあります。函館記念を3連覇したエリモハリアー(父ジェネラス)は函館競馬場の誘導馬になるなど、競走馬時代に活躍したレースにちなんで、勝ち鞍をあげた競馬場に入ることも多くなりました。誘導馬はその競馬場の顔。昨年ファンから惜しまれつつ引退した国内最高齢誘導馬マコーリーのように、息の長い誘導業務をしてほしいですね。

で、

楽しい見学会の後は、阪神大賞典(芝3000m)!!私の大好きな長距離レースとあって、ここは是が非でも当てたいところ。ヴィルシーナの半弟という良血馬シュヴァルグラン(父ハーツクライ)を軸に、4頭流しで激安の的中670円!変な笑いをこらえて皐月賞トライアルのスプリングステークス(中山芝1800m)は、池添騎手が意地をみせるであろうと見込んでロードクエスト軸。競馬をはじめてからずっとマツリダゴッホとは相性最悪の恨み節が、またもやここで勃発!勝ったのはマウントロブソン(父ディープインパクト)で、2着によもやの逃げ切りか!と思われたマイネルハニー(父マツリダゴッホ)は買ってなく、3着にロードが食い込んで馬連馬券はドボン。

…やはりゴッホとは今後も仲良くできない見込みです。

さてさてまもなく、女の子チームのフラワーカップ(中山芝1800m)。

運気のつながりを感じて大魔神のヴィブロス(父ディープインパクト)が気になっておりますが、どうなりますか。

2016年03月14日

女の子は伏兵に注目。

昨日の阪神競馬場。桜花賞トライアルのG2フィリーズレビュー(芝1400m)は、先頭を走るキャンディバローズ(父ディープインパクト)をソルヴェイグ(父ダイワメジャー)がぴったりとマークする形で直線に入り、馬群の中ほどにいた1番人気のアットザシーサイド(父キングカメハメハ)の強襲をまともに受ける前に、ソルヴェイグが先に抜け出して優勝!

積極的に前目で馬を走らせる川田騎手と、馬の脚を余しがちな福永騎手(スミマセン)、ハナを主張しても最後にあっさりかわされるユタカという「なぜだかいつもこんな感じがする」レースだった。

3着までが桜花賞の切符を掴んだので、今後のためにもここで整理してみよう~。

まずは、ジュベナイル優勝の最優秀2歳牝馬メジャーエンブレム。ここはテッパンでしょう。

チューリップ組からは、シンハライト、ジュエラー、ラベンダーヴァレイ、そして昨日のフィリーズからソルヴェイグ、アットザシーサイド、キャンディバローズ。

あとは…。フランボヌールは前走どうしちゃったのかなぁ。

すでに何馬身か突き離した位置にメジャーエンブレムがいる気がするけれど、ここにきて、アットザシーサイドが存在感をあらわしてきた。2着とはいえ、いい~脚だった。

だいたいね、フィリーズレビューが桜花賞トライアルなのに1400mという微妙な感じなので困りますねー。何とかならないのでしょうか!

困ったといえば、中山牝馬ステークスG3(芝1800m)。

お久しぶりでも1番人気ルージュバック(父マンハッタンカフェ)が落鉄とは。最後の伸びがなかったのは、このせいもあるでしょうね。写真でみたら、釘1本でつながってるような激しい外れ方。大きなケガにつながらなくてよかったです。

さぁて、困ったことついでにいうと、私の馬券も当たらな過ぎて、迂闊に馬の名前を前もって言えなくなっていますよ。このままいくと、

「あんたがいうと来ないからやめてくれ」みたいな、昔いた女性タレントのような事態にもなりかねない。

ほんとここらでどうにかしたいのに、実は世にも恐ろしい「4着病」に悩まされている。

昨日のフィリーズレビューも、目をつけたのはダイアナヘイローだった!

そんなことに陥ってしまう原因ははっきりしている。

私は最近、パドックをちゃんと見ていない!忙しさにかまけて、朝のうちにメインの馬券を買っていたり、あれだけイタイメにあっているスポ紙を眺めてはデータを集めて当たった気になってしまっている。競馬を始めた頃のパドックで「あのお馬さん、いい顔してた!」みたいな初々しさのカケラもなくなってしまった。ダメだなぁ。

次回からは、パドックがみられない時は馬券を買わないくらいのこだわりを持ってみようと思う!

さて、中央競馬は一休みだけど、今年の地方競馬は熱い!明日の15日は高知競馬場で藤田七菜子騎手が騎乗します。

先日の川崎競馬同様、高知もどえらいことになるのでは?七菜子騎手の初勝利を熱望するファンで埋め尽くされるでしょうね!ここでも「伏兵キター!」ってなことになるよう、お祈り申し上げます!

2016年03月07日

マカヒキもいいけどゾエもいい。

―――次はマカヒキかっ!

昨日行われた中山競馬場。メインレースのG2弥生賞(芝2000m)は、お父ちゃん譲りの最後方スタートから最速のあがりで飛んで来たマカヒキ(父ディープインパクト)が優勝。

2着に元気過ぎたリオンディーズ(父ディープインパクト)、3着にはユタカのエアスピネル(父キングカメハメハ)が意地を見せるも、前の2頭に2馬身という決定的な差が如実に。

こういうとナンですが、やはり最後の切れ味勝負になるとDの字一家にはかないませんなー。

マカヒキの鞍上は、その日の10Rブチコ(父キングカメハメハ)で気持ちよく勝利していたルメール。差のない2着リオンはミルコでワンツー。おそろしく強いのは馬なのか騎手なのか、さぁどっち!

ルメールさんには、きさらぎ賞馬サトノダイヤモンドもいることで、馬ももちろん強いけど、騎手の方がもっと強い気がしてならず。ここにきて身体が足りなくなるという微妙なことにもなった。これは私の理想で勝手なことをいわせてもらえば、皐月賞はダイヤモンド、ダービーはマカヒキなんていかがでしょう(黙っとけ)。

土曜日の阪神チューリップ賞に戻りたい。シンハライト(父ディープインパクト)で勝った池添騎手は、「外国人騎手には負けたくなかった」と、アカラサマに語っていた。他にこういった発言をする騎手はほとんどいないように思う。「勝ちたい」と「負けたくない」では、「負けたくない」方が気持ちの比重が重い気もするし、私はに好感が持てた。いいな~と素直に思った。

過去にオルフェーヴルとコンビを組んで、泣きながら育て上げた大事な鞍を、外国人騎手に引き渡さなければいけなかった池添騎手ならではの悔しさが、完全にバネになっていますな。よろしおすえ。うちの典さんも、後ろの方でオタオタしていないで、ミルコやルメに「いい加減にしないとイタイメにあわせますぞ」くらい言ったっていいんですよ(ダメです)。

日本人は、昔から、いろんな工夫をして外国に追いつき追い越してきたど根性民族。後ろから追いかける方が、マカヒキのように加速がつきますからね。

ともかく、今年は3歳牡馬が大変な状況で、まだまだトライアル戦も残っています。またびっくりする馬がきっと出てきますよ。今後牝馬の方も駒がそろって賑やかになるでしょうな。

――――――――

3月1日に、角居調教師が代表理事を務める一般財団法人ホースコミュニティが、引退馬のキャリア支援する「サンクスホースプロジェクト」をリリースさせました。

国内では毎年約7000頭のサラブレッドが生産されていますが、中央競馬での競走馬生活を終えた引退競走馬の生活環境をサポートしていくのが、サンクスホースプロジェクトの主な取り組みです。

乗馬クラブやホースセラピー業などと連携しながら、引退馬の再就職に向けて支援していくそうです。

いよいよ日本の競馬界も、欧米ではすでに始まっているこの考え方に向けて動き出しました。

馬が持つ可能性を大切にし、馬のいる身近な暮らしから福祉につなげ、やがてそれが人々の心を豊かなものにしてくれると、私も信じています。

詳しいことやお問い合わせはこちらまで。

運営事務局:一般財団法人ホースコミュニティ
〒520-3015滋賀県栗東市安養寺2丁目6-8 スペクトラムビル1F
TEL:077-584-4224
FAX:077-584-5946
Web:http://thankshorseproject.com
mail:info@thankshorseproject.com

2016年02月29日

「本当に強いで」

昨日の中山は、観衆3万人強を集めたスーパーG2中山記念!

太目残りは成長分の1番人気ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)が、昨年の骨折から9か月のブランクをもろともせず快勝!中山記念というより「ドゥラメンテ復活記念」になりました。

2着は私の贔屓馬4番人気のアンビシャス(父ディープインパクト)で、3着に2番人気のリアルスティール(父ディープインパクト)。馬券の方は「これでオヤツ買っといで!」みたいな馬連800円まで。懐かしい遠足を思い出しましたよ。バナナはオヤツに入るのでしょうか。

ドゥラ復活劇場で久しぶりにいい競馬をみせてもらったなぁ~と、涙腺をじんわりさせていたら、悪質な競友M嬢よりLINEが…

「ちょっとー。つまりさ、デムーロを買えば当たるってことだよね」

―――そーゆー、みもふたもない言い方をしなさんな、56才にもなって(あ、言っちゃった)

「あんね、ドゥラメンテは誰が乗っても強いんだよ!」と、返す私。

―――わぁー、エラそうにゆーてもーた。Mは聞いてない。

「でね、意外とコッソリ(競馬を)やってたつもりなんだけど、単身赴任氏に小言いわれたわ」

―――コッソリやるから言われんだよ。堂々とやりな。

「キミさ、馬券当たったら、当たったって言っていいなさいよ、だってー!」

『いうわけないよねーー!』×2(瞬時に同じ文字を打つ我ら)

もうそこからは、口から泡吹いて倒れてるスタンプなどをペカペカ貼りまくって了。どうしてもMとは、競馬の感動的な話にならない。いったい何を見ているのか。ドゥラメンテが骨折を乗り越えてやって来た、最近ではなかなかいないド根性馬であることをなぜ褒めてあげないのかなー。

昨年春、ダービーが終ってから骨折が判明し、もしかしたらこのまま引退ってこともあるぞなと心配していた9か月。札幌の冬より長い時間を費やしてようやく出てきて勝ったというのに。 

ヒトの場合、骨折すると、そこの部分が治ると同時に太くなり、本来より丈夫になるというけれど、馬の場合はどうなんでしょうか?30代も後半、ミルコの長い騎手生活の中で「今までで一番強い馬」といわしめたドゥラメンテ。すでに彼の前には、世界へ通じる道が、みかんのあぶり出しのように見えてきました。馬体も大きくなり、斤量を気にしない馬っぷりのよさ。「ついに!」という悲願を達成するのは、彼らかもしれません。私が生きているうちに、世紀の一瞬がみられるかも!と思うと、この先の人生、8割方楽しくなりました。

ミルコの連勝街道をぴたりとマークしているルメール騎手。ちょいとクセのあるアンビシャスをうまくエスコートして、彼の持ち味を十二分に発揮させてくれました。着順というよりも、アンビシャスにとっては、ここ一番の競馬だったんじゃないでしょうか。

それにしても、ミルコのインタビュー。「本当によかったで」「強かったで」の「で」。もしかして関西弁?北の湖でも江川でも、あんまり強すぎると、たいていその選手が憎たらしくなるもんですが、ミルコの場合は何でしょう、まったくそういった気持ちになりません~。

さぁさぁ、今週は「ついに!」(今日は何度書いたでしょうか)弥生賞!

これまたスーパーG2になりそうな若駒揃いです。

リオンディーズにエアスピネル、マカヒキが出走予定。前走ノーステッキだったリオンとマカヒキがどうなるか。またまたミルコとルメのワンツーか。ユタカは何か考えているのか。いかにも何も考えそうもない典さんに限って、今頃どうにかしてやろうと勉強中か…。

予想。

弥生賞もミルコは「本当に強いで」と、関西弁をあやつるでしょう!

2016年02月22日

満期のお知らせ?

昨日、東京競馬場で行われた今年1発目のG1レースはフェブラリーステークス(ダート1600m)!

3連覇がかかるコパノリッキー、1番人気の神風が吹くノンコノユメ、TCK女王ホワイトフーガなどなど、いきなりどんなけ熱い砂の上なんだ!と思わせる豪華なメンバーが勢ぞろい。

さてさてまじめに馬券を考えましょうか?って段階で、競友である埼玉の天上人(仮名)氏が、メインのちょっと前に100円で30万馬券を的中させるという、特大の刺激物を見せつけられ昇天!劇薬の香りが寝た子を起こして、尻に火まで付けていくからたまりません。

「いつもの馬連、1頭軸たっぷり流しを封印して、3連複で勝負したい。させてくれ」

…色気もないのに、イヤラシイ考えがとまらなくなってしまいました。

イヤラシついでに、その日の東京の出目まで確認する念の入れようで、

まずはピンク色のモーニン(父ヘニーヒューズ)というか、問答無用にミルコを投入してから、牡馬たちの中でも落ち着き払ったホワイトフーガ(父クロフネ)、3連覇とかいうメモリアルな感じはユタカの得意舞台とみてコパノリッキー(父ゴールドアリュール)、黄色と黒の縦縞を着せれば本気モード全開の典さんロワジャルダン(父キングカメハメハ)、砂といえば戸崎!のベストウォーリア(父マジェスティックウォリアー)、そしてもちろんノンコノユメ(父トワイニング)の各馬を、イイ~感じにフォーメーション!

これで本日ついに私にも、JRAさんから満期のお知らせが届くんだな~なんて思っていたら!

今日じゃなくて「明日か?」のロマン(父アグネスデジタル)が3着ってーーー!

そんなこんなで相変わらず、馬券に恵まれないかわいそうな私ですが、モーニンは強かった!

スタートが命のリッキーは3番手で行きあぐね、コーリンベリー(父サウスヴィグラス)がキュンと小気味よくひっぱる展開。モーニンはスルスルと前目につけて(無理に抑えないのがミルコ)、ノンコは後方から。残り400あたりで白っぽいフーガちゃんを見失い、そのほかの馬も、泥をかぶって何だかわからなくなっていたら、来ました!ノールック騎乗のミルコ!前をまったく見ないで追うのに、馬はどんどん加速するという例のアレ!

後ろからルメールノンコも強襲。アスカ、ベスト、ロワの7-4-5-6が、きれいな斜めの壁になり、1馬身前にいるモーニンを、そのまま押し上げる追い風のようになって、なだれ込み決着。勝ったモーニンはたった6戦の戦歴で、しかもレコードでG1馬になるという素敵なおまけつきでした。

それにしても、何か強いみたいだよー?とまでは聞いていた4歳モーニンが、ノンコやリッキーをここまで子ども扱いするとは。展開のアヤやら、脚抜けのいい重馬場だったからだとか、ミルコだからだとか、終わってみればいろいろあるけれど、今後、同期のノンコノユメとよきライバルとしてダート界を盛り上げてくれること間違いなし。楽しみですね!

父ヘニーヒューズ。よく見たら、我々の大好きなストームキャットまで入っちゃってる信頼のラベルでした。世代交代とまではまだわからないけれど、それに限りなく近い4歳馬が出現したことは間違いないですね。確か今日は、優駿SSの展示会日。ヘニー父ちゃんに、たくさんのお祝いの言葉が集まることでしょう。行きたかったなー。

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北海道から応援に駆け付けたミスターK氏よりお写真をいただきました。

モーニンの馬体はとても素晴らしかったそうです。

勝利ジョッキーインタビューの中でも語っていた

「乗りたかった馬」に乗れた喜びでしょうか。

ミルコの笑顔は、パドックからふんわりと咲いていましたね。

さてさて、満期のお知らせは来週に持ち越しとなり(?)、いよいよ2冠馬ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)始動の中山記念。休み明けだろうが何だろうが、思いっきりぶちかましてほしいですね。私期待のアンビシャス(父ディープインパクト)も出走予定です!

2016年02月15日

社台スタリオンパレード。

2月9日火曜日。社台スタリオンパレードに行ってまいりました。

今年の目玉は何といっても新種牡馬キズナでしょうかねー!

―――勝利から遠のき、苦悩する天才ユタカを復活をさせた青鹿毛の輝き。種付け料は250万ですでに満口という人気の高さです。大勢のひとに囲まれても気が高ぶることもなく、おとなしい様子。電撃引退から展示会まで日数がたっぷりあったせいか、すでに種牡馬らしい馬体にみえました。

Kiz1 手綱をひくひとも絆ジャンパー。

Kiz2 佐々木先生も駆けつけてアナウンス。貫禄も十分。

Kiz4 視線の先にユタカの姿を見つけたキズナ。嬉しいのか、おめめがいっそう大きく。

Epipha3

そのキズナと同じ時代を戦ったエピファネイアは、瞳が魅力的でとても美しい馬でした。種付け料はこちらも250万の満口。

Epipha4 いかにも優等生な賢い表情。角居先生も久しぶりの再会に目を細めていました。

Justa2 そして今年初産駒誕生のジャスタウェイ。なぜかこの日はギラギラしていました。

Justa3 突然、立ち上がって周囲を驚かせましたが、お父ちゃんらしくなった証拠ですね。種付け料は350万。ドバイでレコード勝ちをしたジャスタの血で世界へ!の夢がまた膨らみました。

Hearts1 そしてハーツクライ。堂々とした風格は息子ジャスタウェイに負けないくらいの若々しさ。

Hearts3種付け料は800万とディープインパクトの次に高額ですが、堅実に走り、しっかりと成績を残す産駒を出し続けているだけあって、今年も人気を集めそうです。

Orfe3 私の大好きなオルフェーヴル。相変わらず美しい馬体で、今走っても、札幌記念くらいは余裕で逃げ切り勝ちしそうなトモの張りです。種付け料は600万で満口。来年産駒がデビューします。

Orfe2サラッサラで美しいタテガミはどんなシャンプーを使っているのでしょうか。あなたとまるっきり同じ能力と性格をした牝馬が出て、嫌だといっても池添さんに乗ってもらうのが私の夢ですw

Dream1 初年度産駒3才の父ドリームジャーニー。産駒勝ち上がり率は41%以上と立派なお父ちゃんぶりです。父ステイゴールド、母オリエンタルアートという両親亡き今、全弟オルフェと一緒に頑張ってほしいですね。

Dream3 種付け料150万。私のように大きめのママから人気を集めそうなコンパクト馬体。この馬体こそ、彼の末脚を最大限に生かす武器なのだと思っています。

Deepi1 種付け料3000万でも満口になったディープインパクト。産駒成績はもはや説明がいらないほどの大活躍で、姿かたちが似ていても、似てなくても中身はディープという産駒を出し続けている超一級種牡馬。「エイシンヒカリは本当に俺の子か?」…。はじめの頃はトーセンラーなどのお父さん似の活躍馬がよく出ましたが、最近ではまったく似ていない怪物級の競走馬も続々。

Deepi3 何年経っても、ビシッ!と締まっている馬体。お腹も出ていませんね。体調がすこぶるいいですよ~の模様も出ています。これから大変なシーズンですが、からだに気をつけてくださいね。

Casino1 「オルフェじゃないもんねー!」カジノドライヴ。

写真撮影:長谷川さゆり氏

2016年02月08日

歴史はめぐる。

昨日の京都、きさらぎ賞G3(芝1800m)をみて、何か大切なお宝を鑑定したひとも多いと思う。

「このダイヤ、本物でござんす」

サトノダイヤモンドの危なげない重賞初制覇は、鞍上のルメール騎手もよほど乗りやすかったのか、何もしなくても勝っちゃった!みたいな「ライバルはいない」発言でにこやかだった。それを聞いて、静かに蹄を磨いていた有力3歳馬たちが黙っているはずがない。頭に血がのぼって、装蹄師のむこうずねを蹴飛ばした馬だっているだろう(いけません)。ここで整理するのはまだ早すぎるけれど、何となく駒がそろってきたような気になっている。

朝日フューチュリティG1馬リオンディーズ(父キングカメハメハ、母は説明のいらないシーザリオ)を筆頭に、きさらぎG3馬サトノダイヤモンド(父ディープインパクト、母はアルゼンチンで5勝マルペンサ)、今週の共同通信杯で、よりによって典さんに乗り替わったホープフルG2馬ハートレー(父ディープインパクト、母はアメリカG1馬ウィキットリーパーフェクト)となると…。

お久しぶりですTTGのごとく、歴史はめぐる。いろんなご意見はあるでしょうが、弥生を待たずしてこの3頭の三つ巴クラシックと私はみた!

さらに彼らを脅かす有力馬のマカヒキや、ロードクエストなども目が離せない。近年、近いところでいうとドゥラメンテのような単独飛行が続いていたので、こんな風にガッチリとしたライバル対決をみるのはとても新鮮でワクワクしますね。

いずれにしても、今年は3歳牡馬がめっぽう熱い!この勢いで、札幌の雪もイッキに解かしてドロッドロにしてもらおうじゃないか(雪まつりの皆さまスミマセン)。

たまたまなのか意図的か。強い3歳が皐月賞にこだわらないような流れもチラホラ。着順欄に1が並び続ける愛馬に、2という数字は辞書にないのが親心だ。アンタそこ出るなら俺こっちみたいな陣営の操作も相当な事になるなこりゃ。わーわーいったあとの最終決戦は日本ダービーであることから、今年の府中はとんでもないことが起きそうで、背筋がゾクゾクッ!としますね。

まずは皆さん、ケガのないようにじっくりと成長してもらいましょう。

ケガといえば、東京競馬場で行われた東京新聞杯(芝1600m)。

出先で競馬中継が見られない私に、競友からLINEが入った。

「浜中が飛んだー!」ととと、飛んだって何よ!

浜中といえば私の軸馬ダッシングブレイズ!(父キトゥンズジョイ)ひょっとして、ディープインパクトのように、ユタカがいった「まるで飛んでいるような」走りを見せたのか!ダッシング軸に、ダノンプラチナ(父ディープインパクト)、ダイワリベラル(父ダイワメジャー)、紅一点スマートレイヤー(父ディープインパクト)、トーセンスターダム(父ディープインパクト)、テイエムタイホー(父ニューイングランド)と、ここまで書いて、ディープインパクトと打つのも面倒になるくらい、手厚く流したんですよアタシはーーー!

・・・飛んだのは本当に浜中騎手だった。

最後の直線、インにスペースを見つけた浜中は、そこにダッシングを誘導してみたものの、馬体のどこかがラチに触れた瞬間、馬はバランスを崩して騎手は落馬。それもラチに激突して4か所骨折するという大けがを負ってしまった。そんな無理しちゃいけませんと過怠金を科せられてしまう。

一方、ダッシングはどうだろう。ケガはなかったようだけど、精神的なダメージがトラウマにならないか心配になった。

勝ったのは、真ん中枠でスタートもすーっとなめらかにハナに立ったスマートレイヤー女史(6歳)。強い強い逃げ切り勝ち。2着のエキストラエンドに2馬身離して優勝は立派です。

力のいる東京のマイルを逃げ切るなんて、すごいじゃないですか。

さらに私が目を見張ったのは、吉田隼人騎手の姿。

スタートした直後の、豆のように小さくコンパクトに折りたたんだ、これぞモンキーの見本市。

その後もずーっとちぃーちゃくなってお尻がまったく上がらない。空気抵抗のこともあるので、騎手はなるべく尻をあげない方がよいと思っている私好みの騎乗スタイルですよ。昨年の有馬記念ゴールドアクターから、薄皮1枚むけたいい感じに乗っていて、本当に頼もしくなりました。

こーゆーことがあるとつい、浮気の癖がにょっきり。春ですね~。

そろそろ『ある人物』から、隼人に乗り換えようかしら?

2016年02月01日

キングリー、ごめんね。

昨夜のうちにカレンダーをめくって、あー2月だ、もう2月だ!挙句の果てに「来月は3月だ!」と、口を割ってかかりまくっていた。そのためか、ゆうべは出て来てはいけないひとが夢に出てきて、今朝は変な気持ちでいる。こんなに晴れているのにーー。

1月30日。オレハマッテルゼエガオヲミセテの母カーリーエンジェルを引き取ったHさんと一緒に、ホーストラスト北海道に行ってきた。

冬期間は雪道の峠越えがあるため、なかなか行けずにいたが、この牧場にカーリーを預けているHさんのお誘いが嬉しく、肉付きのいい、でかくて重た~い腰がひょいとあがった。

トラストオーナーをしているアドマイヤチャンプに会いたいのはもちろん、昨年の11月に千葉県からやってきたヤマニンキングリー(父アグネスデジタル)が気になってしかたがない。私はキングリーに会って、ひとこと謝りたいなと思っていた。

2009年札幌記念の日。まだ古い建物の札幌競馬場は、異様な熱気に包まれていた。

―――ここを勝って、華々しく凱旋門賞に行くブエナビスタがみたい。

我々札幌市民を含めた競馬ファンは、この地からブエナをフランスに送り出すのだ!という誇りに満ちた思いで駆けつけていたに違いなかった。

ところが、そのブエナ。いつものように後方から追い込みを開始するも、彼女にとって札幌競馬場の最後の直線は短すぎた。早めに抜け出していたヤマニンキングリーをとらえることができず、クビ差の2着。頭をかかえ絶望した私は、競馬に両足を突っ込んでから初めて「野次」というものを飛ばしてしまった。「しばやまー!このヤロー!」…。

大好きだったブエナを負かした馬は忘れられないが、特に、凱旋門賞行きがかかった時のキングリーと、そんなんで降着にするんじゃないよ!と思った2010年のジャパンカップ、ローズキングダムは強くインプットされている。競馬というものを、まるでわかっていない頃の話なのでお許しいただきたい。

そのヤマニンキングリーが、ひどくやせ細ってホーストラスト北海道にたどり着いたという知らせが届いた。

現役時代のキングリーは、闘いの場を慣れ親しんだ芝から砂に移し、2011年にはユタカを乗せて阪神シリウスステークスを優勝。2013年に中京の芝に戻ったのを最後に、2014年からは川崎競馬に移籍。名古屋のレース中にケガをして引退。乗馬になっていたという。

けれどそのケガは思いのほか重症だったようで、ひとを乗せるのは無理とみた乗馬クラブは、キングリーの生きる道を余生牧場に託した。

ホーストラスト北海道の酒井代表が「馬運車から降りて来た時は、本当にびっくりしました」と語るくらい、キングリーは痩せていたが、その後手厚いケアをして、ひと月もすると、他の馬たちと変わらないくらい馬体は回復したという。今では、冬毛が伸びたこともあってか、見違えるほどふっくらとして毛艶もよく、明るく輝く瞳の中に、目の前にそびえる岩内岳を写し込んでいた。

「キングリー、ヤジってごめんね」

何か勝手に舞い上がってバカなことばかりいってしまったけれど、キングリーがあの日「とても強かった」から、ブエナは負けただけのことに過ぎない。あの頃は、凱旋門賞がとてつもなく特別なものに感じていたけれど、今はそうでもなくなった。

国内で、みんなの前でレースをしてくれることが一番素敵なことだと思えるようになったからだ。

なにはともあれ、よくぞここに来てくれたと、キングリーにニンジンを食べさせ、その後は顔やら首やらをしつこいくらいに撫でくりまわし、ええこやな~とお腹のあたりを触った途端、

「そこはアカン!」…。思いっ切り睨まれました。面倒くさい男だな。

酒井代表は「どっちかというとウルサイ馬みたいですよ。腹のあたりは嫌がりますね」

キングリーはまず、放牧地のボスであるエイシンキャメロンの洗礼を受けた方がいいんじゃない?というと、酒井代表とスタッフの土舘さんは「2頭で蹴りあいになるかもしれません」といいながらも爆笑。やっぱり男って面倒くさいな。ははは。

馬体も回復し、元気いっぱいになったキングリーは、少しずつ他の馬と一緒に放牧できるように慣れさせて行くそうで、キャメロンとの意地の張り合いも含めて、楽しみがまたひとつ増えることになった。案外、いい友だちになってたりして。

2016130

2016年01月25日

健忘馬券。

最近パッと食欲がわかない。

おいしいものを食べたいという気にもならない。どこか具合が悪いとか、風邪だとか恋煩いがあるわけがない。寝言で「にく」と言っていた私はどこへ行ったのか。

じゃあいったい何なのよと、いうことになるが、思い起こせば東西の金杯を過ぎたあたりからおかしいような気がする。ハヤイ話が、馬券の負け方がまったくもって気に入らないのだ。

「いつも取れてないんだから、別にイーーんじゃないの?」とお思いの方がほとんどだろうけど、違うんだなぁ、これが。負けるにはちゃんとした負け方があり、敗れるからには、そこそこのやぶけ方ってもんがあって、そこのところがどうも面白くない。

昨日の中山AJCC(G2・芝2200m)はこうだ。

話しは土曜日の深夜にさかのぼる。これでもほんのちょっぴり乙女なところがある私は、星占いというものをゆるく信じ、その占い師が「明日は満月ですよ」と、画面上でささやいた。

見れば、ほぼもう満月である。

こうなってくるとベタな私は素直にスーパームーンにしよう!となって、鞍上は申し分ないルメさま、前走2着と元気よし、お父ちゃんはブライアンズタイムで母父がサドラーズウェルズでやや重苦しいけれど、いろんな意味でこれ以上何があるってんだとしたり顔。必ずや1~2着に来るサインだ。

ここ最近このレースは1番人気が散る傾向にあるし、来るぞ来るぞスーパームーンは3番人気。

あとは、マイネルフロスト(父ブラックタイド)、ディサイファ(父ディープインパクト)、サトノラーゼン(父ディープインパクト)、ショウナンバッハ(父ステイゴールド)、ヤマニンボワラクテ(父キングカメハメハ)をヒモにして、やれやれな予習は済んだと思っていたはずが…。

朝目覚め、テレビをつけるやいなや、中京で馬が横に飛んで浜中騎手が落馬。マーキークラブ(父クロフネ)は奇跡的に無事で(よかったです)、騎手は大事をとって乗り替り。一方中山は8Rから1番人気が来出した。

元来、浮気性の私はここであっさり1番人気のサトノラーゼン軸にするというセンテンススプリング。PATちゃんをポチる時などは、半ばルンルンで「こんな時サトノの冠が来る気がするし」と、もうどうしようもない。

レースはスズカデヴィアス(父キングカメハメハ)が引っ張るカタチで、ラーゼンもいい位置。選りすぐりのヒモたちはみんな前目について私はやおら立ち上がった。ところが、何回かリプレイを見たけれど、ラーゼンくんは、いつもよりでっかく見えるディサイファに、ちょっぴり前をカットされただけで嫌になったようでズルズル後退していく。おかまいなしにユタカは追う。そこで来ましたスーパームーン!えー?あ・・・。

まぁもう、ここまで書いているうちに、いやになってしまうんですよ自分が(涙)。

正月明け、競馬仲間に「今年の抱負は初志貫徹!」と宣言したばかりなのに、もう忘れてこのザマですよ。若年性ナントカでしょうか。

同学年のユタカは30年間ずーっと重賞を勝ってきて、とってもエライというのに。

たとえへなちょこ予想でも、どっちみちオケラだとしても、まったくあさっての方向なら笑えるものを、脳みそが春を求めているのか、あっちこっちふわふわしすぎで悲しくなりました。

競走中止になって心配されたショウナンマイティ(父マンハッタンカフェ)は、命まで取られるようなケガではなさそうで、胸をなでおろしながらもため息ばっかりついてさらに食欲不振!得意の「うがい」もする気なし!涙

おかげさまで金杯から2kg痩せましたよ(痩せたといっても正月太りが戻っただけという)。

悩み多き馬券の恩恵。ドコサヘキサエンサンとか摂取しないとダメかなー!

今後、しばらく見ないうちに痩せたね~と思った方は、老化のため物忘れが激しくなったと思ってくださ~い。

2016年01月18日

湯気の向こうに見える夢。

おはようございます。今朝は気象庁からの予告通り、関東地方に雪が降って、八王子あたりがニュースで映った途端、あぁ、昨日で競馬が終っていてよかったなと、ちょいと不謹慎な胸のなでおろしからスタート。この雪雲はやがて北上して、明日は北海道が嵐の予感。今日のうちに買い物を済ませて冬眠します。

さて、昨日、中山競馬場で行われた今年のクラシックを占う重要なレース京成杯(芝・2000m)は、プロフェット(父ハービンジャー)が優勝!どこのどなたかわからない一見さん騎手を乗せての快勝でした。

私はパドックを見て、メートルダール(父ゼンノロブロイ)の落ち着き払った様子と、艶やかなお尻で二重丸をくるり。

レースはオンザロックス(父サムライハート)のペースで風通しのよさそうな縦長になり、2番手にアドマイヤモラール(父キンシャサノキセキ)が着いて、そのまま淀みなく最後の直線。ぐずぐずしているメートルにヤキモキしながら、馬群のど真ん中を飛び出した同じ勝負服2頭!ケルフロイデ(父キングカメハメハ)とプロフェットがぐんぐん伸びて、そこにメートルダールが血眼でやって来てゴール!終わってみれば、盛大なキャロットクラブ祭りになりました。

それにしても3着のメートルダールのあの脚!何のことなくテレビ画面から消えて、最後いきなりバーン!と出てきてびっくりですよ。レース後「戸崎だもんな」と、惜しいところを全部ひっくるめて戸崎騎手に丸投げしたのは言うまでもありませんが、一番悔しかったのは戸崎さんでしょうな。

お次は京都競馬場。日経新春杯(芝・2400m)は、無事に走ってくれるだけで親孝行のレーヴミルトラル(父キングカメハメハ)が、最後方から33.1の最速の上りで11頭のゴボウ抜き!まもなく定年を迎えるマツパク翁に、師の一番好きな勝ち方で完勝を遂げ「お世話になりました」と、早めの花束を渡す結果になりました。ミストラルの今後はどうなるのかわかりませんが、大切に使ってこそこの馬という師の優しさを受け継いでくれるところで活躍してもらいたいものですね。

先日、近所の悪友M嬢(競馬初心者マーク付き)が、私のブログを読んで「なんでいちいち父の名前を書くの?」と、どうでもいいご指摘が。何だ今さら、もうちょっと気の利いた感想はいえないものかねと思いながら、私自身が父に恵まれないファザコンぎみの人間であることと、こうして書きながら、馬の特徴を記憶していかないと追いつかないんだよと説明。

ちょいと前までは、ディープインパクト、キングカメハメハ、ハーツクライの3頭のローテーションで何とかいけてたものが、レースごとにどんどん新種牡馬の名前が出てくるので息切れが。競馬は勉強をサボると、奥行きの深い背景が見えなくなり、面白さが半減すると思っている私。気持ちに余裕が出てくると、母の方も調べたりできて本当に楽しいものだよとM嬢に告げたが聞いてないし。そのうちわかってくれるかなぁ。

で、父フェチの私は新種牡馬3頭に会ってきました。

震度5の地震のあった日高地方のその日。ビッグレッドファームにゴールドシップに面会。うっすらと雪の積もった長方形の放牧地に、もう二度とお尻に赤いリボンをつけることのない6冠馬は、置かれた干し草を少しずつ食みながら、とても穏やかな時間を過ごしていました。お~~い!と呼んでも特に反応のないゴルシの鼻先は、寒風にさらされてピンク色も一段と鮮やかに雪の中に映えていました。種付け料300万。日高地方にしてはとても高額設定ですが、彼の血を待ちわびた地元の皆さんに喜んでもらえる馬を出してもらいたいですね。

その後アロースタッドで、ワンダーアキュートとワールドエースにも会ってきました。アローの本間主任が言う通り、おとなしくて優しいアキュートは、ダートで活躍しただけある雄大な馬格。メンコに隠されていた素顔もりりしく、何度も鼻先を撫でさせてくれました。彼の父系には世界的名馬セクレタリアトがおり、その血の期待度が高まりますね。

一方、「何あんた、ちぃ~ちゃいねぇ~」ゴールドシップの皐月賞2着だったワールドエースは、父ディープインパクトにそっくりで、コンパクト馬体に小さな顔。馬房の顔出しに首が届かず、網ごしに鼻をほじらせてくれました。どちらの馬も種付け料50万とお値打ちであることから、まもなく始まるシーズンの頃には、人気を集めるのではないでしょうか。

生産牧場さんからは、早くもママさんたちのお産がはじまりました。

仕事を終えた馬と、これから夢に向かってはじまる新しい命。

春に向けて、ほかほかの湯気とともに、馬産地はにぎやかになってゆきます。

2016年01月04日

今年もJBIS競馬女子部をよろしくお願いします!

毎年のことでアレですが、元旦早々から正月に飽きていた私。早いひとだと30日くらいからおせち料理の準備をして、よくわからないが誰がこんなに食べるんだ!というくらい作りまくり、結局自分もそれを食べてしまうから激太りするという、まったく腹立たしいことこの上ないお正月!

「明日って日曜日なんだ」と、うっかりツイッターでつぶやいたのは土曜の夕方だった。

正月になると曜日の感覚がモノの見事に失われ、しかも競馬のない日曜日なんだと気づいた時の衝撃たるや。

偶然そのツィートを目撃した美浦の元ジョッキーY調教助手氏からは「わーー!…」の模範解答をいただき、淀の友人も曜日感覚ございませんのご返答。

世界中で「今日って何曜日だっけ?」が連発されたことでしょうなー…。

そんな2016年最初の月曜日。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?そこのお父さん。「安」は去年の漢字ですからね。そろそろ仕事に行かないと、命の保証はありませんよ(小声)。

有馬記念?そんな昔のことはもう忘れました、と言えば、ひどくかっこいい話だけど、そうはいかない記憶のスポーツ競馬。いい意味で私たちをキリキリ舞させたゴールドシップの引退レースということもあり、冬の中山競馬場からは、ファンの熱気が狼煙のように空高く立ちのぼっていたことでしょう。

6冠馬の労をねぎらうご祝儀がわりの1番人気はゴールドシップ。最後までよくわからない芦毛の怪物は、約束通りのスタートから最後方にのんびりと構え、全盛期を髣髴させるロングスパートをかけてファンを熱狂させたものの、最後はあたたかな歓声をゆっくりと味わうかのように流してみせる役者ぶり。16頭中8着というど真ん中着順だった。それなのに私ったらまだしつこく思っている。

「やっぱりゴルシは最後まで強い馬だったな」

あまりにも強すぎて戦う相手がいなかったマルゼンスキー、敵はおのれの中にありのオルフェーヴル、そして、枠とか着順とかそういう小さいことはどうでもいいゴールドシップ。何となく、この3頭に共通点がある気がして並べてみたくなった。さしてライバルのいない時代。ゴルシほど、ファンの一喜一憂と共に走り抜いた馬もいないように思う。

思い起こせば、オルフェーヴルが引退した後、何かもう普通の馬じゃ満足できない身体になってしまった私。当然白羽の矢は強烈な個性を持ったゴールドシップの「触ってはいけない」尻に命中。しかも最後の1年あたりから、妙に顔が可愛くなってきて、そういう路線からも攻めようって寸法かい?と、片方の眉をグイと上げて見たりして。

さらにいうと、なんたって今浪さんの存在が涙を誘う。どうしてそんなにゴルシのおじいちゃんみたいな雰囲気を漂わすのか。サブちゃんは関係ないのにまつりを歌うし、そんな場面じゃないのにいちいち泣けてしまうではないか。

私は今まで、ここに書く時、ゴルシのことを「フーテンの豪脚馬」と言い放ち、友人は「変態」と賛美し、どんなレースになっても愛され続けた稀代のクセ馬は、新しい航路をみつけて無事に引退。父ステイゴールドも暮らしたビッグレッドファームで繋養される。ステイがいた放牧地と同じだろうか。

これからは、日高の馬産地各位の期待に応えて大暴れしてほしい。早く会いに行きたいなー。

―――――――――――――――――

今年の有馬記念1着馬はゴールドアクター(父スクリーンヒーロー)。隼人くん頑張りました。

年度代表種牡馬的な項目があれば、問答無用にヒーローの名があがる締めくくりになった。

2着はデムーロさんのサウンズオブアース(父ネオユニヴァース)、3着にサブちゃんのキタサンブラック(父ブラックタイド)。おまけに4着はエルコンの血が不気味だったマリアライト(父ディープインパクト)。ここまでの着順で私の馬券はぴったしカンカンなのに、軸を5着のラブリーデイにしていて完全オケラ。終わりオケラですべてよし。実に私らしい締めですな。

年が明けて2016年一発目の勝負は明日の中山金杯と決めた。

今のところフルーキーが1番人気?チッ!またデムーロさんか。嫌いじゃないけど金杯は違うだろう。何かもっとミヤビな感じのする馬ですよ(本気にしないように)。

いましたヤマカツエース!!!山勝ってもう金杯の雰囲気てんこ盛りじゃないですか?

うまい地酒みたいで好きだなー。

何はともあれ、今年もJBIS競馬女子部をよろしくお願いします!

2015年12月21日

「これは勝負だから」。

昨日の阪神競馬場。メインのゴール前は、どんな叫び声がとどろいたのか。

「エアスピーーーー!」

「リオンーーーー!」

「ユタカー!・・・」

朝日杯フューチュリティステークスG1(阪神・芝・1600m)は、みっつの「願い」が見え隠れしていて、結果によっては、ふたつの悲願が達成される大レースに!

まずひとつめは、京都デイリー杯で、強烈な脚をみせつけて完勝したエアスピネル(父キングカメハメハ、母エアメサイア)と、同じく京都の新馬戦で、あがり33.4で駆け抜けて華々しくデビューを飾ったリオンディーズ(父キングカメハメハ、母シーザリオ)の、事実上2強対決。

「いつかこんな日がやって来る」

彼らの生まれる前から物語は始まっていました。

同じ父を持つということで、さながら徳川家の大奥状態。「どうか我が子を跡目に…」と、ふたりの側室たちは思ったかどうかはわかりませんが、同じ女性として、これほどシビレる対決はありませんね。母たちは若かれし頃、一緒に戦ったレースがあり、軍配はいつもシーザリオでした。

1番人気はエアスピネル。僅差で2番人気のリオンディーズとなるところが、

ここに、『ユタカの前人未到!JRA平地G1完全制覇!』という、ふたつ目の「願い」が入り、その差を広げていたように思います。エアスピネルは、ユタカの偉業を達成させるためには十分すぎる馬でもあり、ほぼ決まりの空気が日本列島を包み込もうとしていました。

そして、みっつ目の願いは「確かに彼らは強い。でも、そこを何とかしたい!」

師のために勝ちたい願う岩田騎手のシュウジ(父キンシャサノキセキ)や、無敗で進んできたボールライトニング(父ダイワメジャー)、衝撃のデビュー戦をみせつけたイモータル(父マンハッタンカフェ)など、伏兵上等!足軽から天下取りの勢力図です。

―――人馬ともに、いろんな願いがたっぷりつまった最後の直線。

馬群の中から一番早く抜け出したのはエアスピネル。ユタカの悲願を邪魔するものは何もありませんでした。ここで決まるのか、本当に今日、コンプリートをしてしまうのか。世界的にもそんなことってあるのか?なんて、思っていたら、最後方から大外をぶん回されたリオンディーズが猛追してエアスピをとらえ、さらに伸びて差し切り勝ち!2歳チャンピオンに輝きました。

やられたユタカもリオンの強さにはアッパレだったようで、猛烈に悔しがることもなく淡々と引き揚げてきましたが、外を回ってあれだけの末脚。お手馬だったスペシャルウイークの孫にあたるリオン。「あるよね」と思ったかもしれません。だいたい、ユタカのことです。「記録?気にしてないけどね」なんて、白熱する周囲をよそに、案外他人事だったかも~。

やらかしたミルコも「これは勝負だから」と、土俵から落ちた負け力士に手をかさない、いい意味でのダメ出し。今度はエアスピが後ろから追ってくる恐怖と戦うことになるんだと、のどを鳴らして生唾を飲みこんだはずですよ。

何だか今日は、やけにしっとりとここまで書いてきましたが、エアメサイアとシーザリオの因縁対決に心を奪われながら、よせばいいのに、しばらく会っていない息子の顔が浮かんできました。何やら悪い顔をしています。

「おっかさんの若い頃の話なんて、まったく興味はないし、知ったこっちゃねーよ!そんなのいいから、はよ飯出せ」 …息子なんて所詮、こんなものですよ。

リオンディーズもエアスピネルも、今後いちいち母の昔話を持ち出される場合じゃないのかもしれません。

今年の2歳は大粒の粒ぞろい。シルバーステート、サトノダイヤモンドのディープインパクト家、アドマイヤエイカンのハーツクライ家などに完全に目をつけられました。

何の作戦かわかりませんが、フューチュリティにこの一家の産駒が1頭もいなかったことが返って不気味でしたね。あとは無事の成長を願い、雪解けの春を待つことにして~。

さぁさぁ来週は、泣く子も黙らずさらに泣く有馬記念んんんーー!!!

本命はキタサンブラックにゴールドシップが私のファイナル馬券。

有馬記念は「好きな馬」の単勝でイキマス!

2015年12月14日

ごっつぁんです!

全国1億2千万人(何気に増えている)の競馬ファンの皆さま。今朝のお目覚めはいかがでしょう~か!夢の中にユタカやルメールが出てきて、いろんなことになってしまったひとは、どれだけいたことでしょう。

阪神ジュベナイルフィリーズでメジャーエンブレムが4角から逃げ切り勝ちで2歳女王に輝けば、香港マイルでモーリスが完勝!香港カップではエイシンヒカリが豪快に逃げ切って、世界にその名を轟かすという、クリスマス前に盆と正月がきてしまうというお祭り日に!

興奮したのはファンだけではありません。

ジュベナイルを勝ったルメール騎手は、JRAに所属してから初のG1勝利とあって、勝利ジョッキーインタビューでは「小牧さんが京都駅にいってしまいました」と、最後の直線で突然見えなくなったキリシマオジョウにジョークを飛ばし、香港ではユタカが興奮しすぎて英語がまったくわからなくなるという珍事に。我が国の愛すべき素晴らしい騎手たちは、最後までつっこみどころ満載でした。

レースをふりかえってみると、まずは阪神ジュベナイルフィリーズG1(芝1600m)は、1番人気のメジャーエンブレム(父ダイワメジャー)が最高のスタートを決めてしまい、前走のようにかかってしまうのか?と思いきや、涼しい顔で3番手を追走。直線手前で先頭に立って後続を突き放し、2着の10番人気ウインファビラス(父ステイゴールド)に2馬身差をつけて快勝!

1頭だけ牡馬が紛れ込んでいるのはないかと思わせる大きな馬格とのびやかなストライドは、名牝ウオッカを髣髴させる素晴らしさ。気の早いファンは、日本ダービーのダの字が後頭部を直撃して星が出たのではないでしょうか(それ私)。

馬券的には2着のファビラス嬢を褒めてあげたい馬連ゲット。ジュベナイルフィリーズは、ウオッカをはじめ、ブエナビスタ、アパパネなどを輩出し、ここをステップに歴史的な競走馬になっていくという出世レース。そんな大物は誰なのか考えた時に、これ以上ないというくらい荘厳な馬名であるメジャーエンブレムを軸にして、あとはアルテミスS組の全頭流し。ひ~、よかった!

しかし、ある意味まったくもってよろしくないのは、香港の馬券が買えないってハナシですよ。

モーリスにヒカリ、ヌーヴォの連帯!まさかこんな日が来るなんて。

日本の競馬ファン100%の的中が見込まれたんじゃないですか?しかもオッズ!我が国の代表馬に2ケタって。日本の国民が潤うと、経済の活性化につながりますので、ここはひとつ早めに何とかしてくださーい。

先週はサンビスタの偉業で、日高全域の酒屋の酒が品切れになるという騒ぎの中、今度はモーリス(日高・戸川牧場出身)にエイシンヒカリ(新ひだか・木田牧場出身)と、馬産地ひだかの勢いは日本のみならず世界へ驀進!嬉し涙に美酒の味がしたことでしょうね~。

そんな中、私が個人的に一番褒めてあげたいのは、ヒカリの2着ヌーヴォレコルト嬢。

レースは後ろの位置取りで、最後は前にヒカリをみつけて猛烈な追い込み!差のない2着は本当に立派なもので泣けました。彼らのワンツーフィニッシュは永遠に語り継がれてゆくと思うと、ヌーヴォたん、またしても安定の2着だったけど、前の黒っぽい芦毛、あれはバケモノだから気にしない~。

世界一の牝馬はあなたです。

2015年12月07日

史上初!賛美した!サンビスタ!

昨日の午後3時31分40秒あたり(適当です)は、全国1億人強の(そう思いたい)競馬ファンの皆さまが固唾を呑んで見守る決勝線前、1頭の美人が抜け出した瞬間!やおら立ち上がって万歳をしたのではないでしょうか。私と同じく、普段言い慣れない「ブラボー!」を、叫んだひともいるかもしれません。

第16回チャンピオンズC(中京・ダート1800m)は、我こそが砂の王者という男馬たちをねじ伏せ、12番人気の牝馬サンビスタ(父スズカマンボ)がミルコ渾身の追いに応えて快勝!!!いろんな歴史を達成した猛レースになりました。

上位拮抗で、「誰が来てもそれなりに納得のいくレース」と思わせる強豪揃い。連覇のかかるホッコータルマエは2番人気、その座を虎視眈々と狙う1番人気のコパノリッキー、そこに追い込みをかけて差してやろうとたくらむ3番人気の若武者ノンコノユメ、その他「砂といえば俺」だらけで、牝馬にとっては完全アウェー。しかし、歴史というのは、こんなにあっさりと清々しく変わるものなんですね。

道中、内につけて経済コースを誘導したミルコ。斤量に恵まれたとはいえ、馬体の軽いサンビスタに負担のかからないやわらかな乗り方で息をひそめる展開。最後の坂で、男どもがミカタだと思っていた砂に脚を取られてモタつく中、ひょいと抜け出して引き離す時の追い方ときたら、それはもう気迫みなぎる魂そのもの。どの騎手よりも丸く小さく、「ゴールが見えているお前を信じよう。俺はお前に祈りを込めるだけだー!」と、サンビスタの背中にピッタリ吸着されていました。

JRAのG1ダート史上初の牝馬優勝とあって、それはそれは感激の嵐。

ミルコはサンビスタに抱きつき熱いキスをしまくれば、検量室前でも担当者がビスタのお尻にチュー。横にいた角居先生も「俺もしたいんだけど…」と、モジモジしてたりして。

およそ牝馬とは思えないもりもりとした胸前の筋肉を、そっと隠す優勝馬レイの艶やかさは目を見張るものでした。ジャパンカップダートのレイって(あ、チャピオンズか。旧名称の方が好きだな)、こんな西陣織りの帯みたいでしたっけ?本当にきれいで、『この日』が来るのを待ちわびていたかのようです。

そろそろお嫁に行こうかと思っていた6歳のサンビスタは、新ひだか町のグランド牧場生まれ。

昨年、心不全で突然この世を去った父のスズカマンボ(天皇賞・春優勝)、母ホワイトカーニバル(フェアリーSで、アパパネの母ソルティビッドに勝ち優勝)も同牧場生まれですから、マンボカーニバルでサンバを踊るようなお祭り血統。引退を少し伸ばしての参戦が功を奏した結果に。

こういうことがあるから、競馬はやめられません。お父ちゃん~、見てましたかー。穴馬ミナレットもかわいいけれど、ビスタもええこでしたねー!

角居先生も若い頃、グランドさんで修業をしたそうですから、いろんな意味でグランド牧場純正オリジナルG1!喜びもグランド級。本当におめでとうございます。まもなく静内の役所にお祝いの大垂れ幕も飾られることでしょう。

馬券的には泣いたファンも多いかと思いますが、実は私も本線は、キング・タルマエからの5頭流しで3連複。2着のサウンドトゥルーをなぜか入れずに玉砕。サンビスタは「何かある」ような気がして複勝で的中。80円の粗利がでました(笑)。

一度は引退を決めていたサンビスタですが、次走も?ってな話になっているようで、個人的にはこのまま女の花道に大輪を咲かせたままお嫁に行ってほしいところ。どうなるかわかりませんが、とにかく無事に、グランド牧場へ凱旋していただきたいものです。

2015年11月30日

JCのいろんなサイン。

第35回ジャパンカップ(東京・芝2400m)は、2014年の秋華賞馬ショウナンパンドラ(4歳・父ディープインパクト、母父フレンチデピュティ)が優勝!

ムーア騎乗で、いい意味で薄気味悪かったラストインパクトが2着、1番人気で、パンドラとは因縁深かったラブリーディが3着という、なかなかシビレる結果に。

外国馬はフランスのイラプトが6着の最高順位で話にならず、フタを開ければ、小柄なお嬢ちゃんが出てきて3億持って帰って行ったというジャパンカップでした。

このレースは昨年の覇者エピファネイアから前はずーーっと牝馬が勝って来て、2009年のウオッカ、2010年と2011年はブエナビスタのエア連覇(え?ローズキングダム?)2012年と2013年はジェンティルドンナのガチ連覇という見目麗しい女傑の名前が並ぶ特殊レース。

そこでホットな印がついたのは、今年のオークス、秋華賞馬のミッキークイーンが3番人気。続く4番人気にパンドラですが~…。競馬ファンの心と馬券を掴んで離さない謎の豪脚馬ゴールドシップが、ちょいとごめんなさいよと2番人気に割って入る展開。イヤですねー。

嫌な男の話は最後にして、なんといってもショウナンパンドラ!北海道弁でいうところの「ちゃんこくて、めんこい馬」ですよ。

こんなことをいっちゃナンですが、まさかJC馬になるとは!

アイルランドにいるウオッカも、そろそろお腹に胎動を感じてニコニコしているブエナやジェンティルも「あら、そう。パンドラねー」と言いながら、「ってことは、ひょっとして、来シーズンのキューティー(パンドラの母)は、またディープ様じゃないの?いいわねー!キー!」なんて、藁を噛んでるのかもしれません。

レースは先発予告通りカレンミロティックが逃げて、他馬にぶつかりながらご迷惑をおかけしてまで出てきたアドマイヤデウスが2番目で引き離しにかかり、パンドラは中団でひっそり存在感を消す作戦。

4角のコーナーから遠心力を使って加速してきたゴルシに人々の目線が釘づけになっている間、パンドラはラブリーディにロックオン。最内からはラストインパクトが猛追するも、最後はパンドラ自慢の末脚が炸裂!クビ差前に出ての見事な優勝でした。

この日のゲストはラグビー日本代表の五郎丸さん。彼の背番号は15でパンドラの馬番と同じ!馬の神さまもベタなサインの出し方をしますねぇ…(イヤミ)。

さらにショウナンの勝負服は赤と白で、五郎丸さんのユニフォーム(ワールドカップ用)と同色!おまけに2、3着馬も赤(3枠)と白(1枠)と盛大なサインだらけ!

いろんな意味でパンドラしかいない!というジャパンカップでした。

で!

ここまでは、とてもよい感じで筆が進んでまいりましたが、何やら重苦しい妖気が…。

皆さんが一番聞きたい肝心のゴールドシップ!

まずはちゃんとスタートしただけで、この馬の競馬は半分以上終わっていることはすでにご承知の通り。昨日のゴルシは問題のゲートでも、前回大暴れしたことなどすっかり忘れている様子でちんまりとおさまり、何事もなく普通に出て、いつものように後方から。

久しぶりにメンコなどの馬装がなく、スッキリとした表情で気持ちよくバッフバッフと大きなストライドで快走。

4角あたりでロングスパートを仕掛けるも、途中で嫌になったのか、前をゆくミッキークイーンのお尻が気になったのか、JCに出てきたペルーサが面白かったのか、とにかく、競馬に勝とうという気構えがまったくなし!

乗ってる典さんも、「あ、そ。行かないの。いいよ別に」と、ゆる追いまでにとどめてダラン~とゴール。10着という、もはや驚きもしない結果に。

るんるんのゴルシ。

るるるーの私。

単勝3000円ぶち込んで昇天でーす!(馬券画像はFacebookで絶賛公開中)

まぁでも、この馬に馬券を投下できるのも、あと1回。引退レースになる有馬記念だけになりました。

ちゃんと走れば強いはずのゴルシだからこそ、こっちも勝負を挑めるってもの。

生半可な馬連の軸になどできますかってんだい!(いつもやってるくせにw)

「JCはゴルシが勝って、有馬はキタサンが来てまつりよ再び」という、私のシナリオはもろくも敗れ去りましたが、書き直せばいいんです!指が動くうちは!

しかし昨日のゴルシはなんでしょう。えらく可愛く見えましたね。そっちの方向でいくのでしょうか。

お友だちからお写真をいただいたのでご覧ください。

12294710_613650898775338_1643033744 撮影:写真提供 横山将太郎氏

もぅ!かわいーーーー!有馬は3500円賭けてやる!涙。

2015年11月23日

マイル王はモーリス!。

秋のマイル王を決める第32回マイルチャンピオンシップ(京都芝1600m)は、日高の雄モーリス(父スクリーンヒーロー)が優勝!

スイートデコレーション顔で1番人気だったイスラボニータ、ミルコの勢いそのままに2番人気のフィエロ、ディープ産駒で池江厩舎ときたら買わないわけにはいかない3番人気のサトノアラジン等を寄せつけない強い競馬で、レース前にたっぷりと並べられた不安要素を一蹴しての、みごとな勝ちっぷりだった。

「5か月半の休み明け」

モーリスを本命にできなかったひとたちの苦悩はここだろうと思う。

私のような怠け者は、5か月も休むと、人間のカタチを留めておくのが難しくなるけれど、この「休み」というのは、レースに出なかったというだけで、床に臥せ、すりおろしたニンジンを食べさせてもらっていたわけではなく、休養はもちろん、十分な時間をかけて調教しましたよ~ということか。

マイルCSの出走メンバーを見て、まずは第一声「フィエロとモーリスだな」と、したり顔でつぶやいたまではよかったが、なんぼなんでも5か月は長いやろー!と対抗に。このレースは、個人馬主さんチの馬が勝つイメージもあった。考えすぎてわからなくなったら外国人騎手の馬にしとけ!みたいな、日本競馬において、本当はあまり歓迎してはダメな(はずの…)どんぶり勘定も。

別に知りたくもないと思いますが、私の馬券は、同じ4歳勢からサトノアラジンを本命にして安定の玉砕でーす(4歳牡馬全頭とヴァンセンヌという買い目)。

しかしモーリス。今年に入って無敗の5連勝は本当にすごい!西から東へのお引越しは開運!吉方だったという快進撃だ。

勝てば聞こえてくる「祖父グラスワンダーの再来か!」や「名門メジロ牝系の素晴らしさ!」などなど、立派な父スクリーンヒーローをすっ飛ばして、さらにスケールアップするエピソードがざくざく出てくるから、これまた嬉しい限り。

2013年のトレーニングセールで、わずかなお金で買われていったあの仔馬(2歳)がマイル王に君臨するなんてところが、特に私の涙腺をゆるゆるにさせますよ~。

次走は香港も?とあるけれど、大切に使ってこそのモーリス。また長期休養に入っても誰も文句は言わないでしょうな!

いけない。もうこんな時間だ。

今日はこれから東京スポーツ2歳ステークスがある。

悪友M嬢が先ほどからメールをよこしているが、内容が内容だけに無視している。

「昨日はモーリスの単複だったよ」

「3日間競馬があると寿命が縮まるわ」

「馬の2歳はヒトの何歳だ?」

もうすぐ60になるM嬢の寿命とて、そんなけ生きれば別に縮んでもいいじゃないかと思うし、変なメールを打つヒマがあれば、黙って馬柱を見てりゃーいいのになぁ。

それでも不思議と馬券が当たるM嬢に

「ロスカボスとキラージョーはどうかね」と返信したが、肝心な時にいきなりまったく返事がない。

困ったものだ。

2015年11月16日

原石発掘!エリ女のゆるすぎる回顧。

昨日行われたエリザベス女王杯(京都・芝2200m)の枠順が出た時点で、タチの悪い「あみだくじ」でも見ているような気分になった。

どこから攻めようとも、最後には全頭の上に「優勝」と書いてあって、その横のカッコに(かもしれない)とご丁寧な注意書きまで見えてくる。目の病気でしょうか。こういう時に限ってやってくる外国人騎手も不気味だった。

すでに、おんなこどもを相手に戦わないと決めたミッキークイーンやショウナンパンドラがいないだけで、牝馬の世界はいきなりの混戦模様に。

こんな時こそ根性をみせてほしいプロ予想家たちは、悪天候からの道悪必死でキリキリ舞いしていたのか「雨が降ったらの限定でしるしを打ちました」なんて笑っていうものだから、意外と乾いたらどうするよ!とテレビに向かってゴロついてみたりして。

今年のエリザベス女王杯は、ひとくちでいうと「ヌーヴォは勝つのか、どうなんだ?」がサブタイトル。1番人気になるとミリ差勝ちきれないオークス馬は、心なしか苦悩しているようにも思えた。

データ班は、昨年のルーティンからそっくりそのままいくと、オールカマーを2着ヌーヴォレコルトが本命、秋華賞からクイーンズリングが対抗で、本来なら黒三角に府中牝馬のノボリディアーナを打たなければならないところを、なぜかやめたりするものだから人気も出ない。ユタカも見くびられたものだ。

昨年の女王ラキシスは5歳ということもあって「雨。時々勝つ」みたいな天気予報予想。それなのに「連覇か!」などというから、もう何でもあり。おそらくスノーフェアリーのムーアさんが乗るので評価が上がったとみた。こういうのが日本人騎手にもほしい信頼度だろう。

さぁ困ったぞということで、私はヌーヴォとラキシスの2頭からそれぞれ10頭(クイーンズリング、フーラブライト、タガノエトワール、タッチングスピーチ、フェリーチェレガロ、マリアライト、ノボリディアーナ、ルージュバック、スマートレイアー、シュンドルボン)流して3連複を用意。

やや打ち過ぎのだらしのない馬券になってしまった。

レースはきれいなスタートからウインリバティがぐんぐん逃げて、伏兵級が前を、人気どころが後方という展開になった。特にかかっている馬もなく、けっこうな縦長になって、京都名物最後のコーナーで馬群が詰まることなくすんなり横並び。

そこから一瞬早く抜け出したのはマリアライトで、馬場のいい中ほどを突き抜けると、外から来ましたヌーヴォレコルト。ここから2頭のマッチレースかと思いきや、遠い故郷が大変なことになってしまったルメールさんのタッチングスピーチが怒涛の強襲。次いでルージュバック、後方からスマートレイヤーが突っ込んで、ほとんど差のないなだれ込みゴール!

タイムが2:14.9と仲良くみっつ並ぶ結果になった。

優勝したマリアライト(4歳)は父ディープインパクト、母父エルコンドルパサーと、血統的には文句のつけどころがないけれど、初重賞制覇がエリザベスだなんて、持ってるおんなどころか持ちすぎですよ。

重い馬場はパワーのあるガッチリタイプがいいかと思っていたら、マリアは最軽量馬体の430kg。おそれいりました!

マリアライトは石の名前。パワーストーンのひとつで、原石を発見した鉱物学者の妻の名前から由来しているという。この石を見つけた時の気持ちがわかるような気がした。地味だけど、きれいだな(検索してください)。馬に石の名前をつけるのは、これから磨かれてゆくという意味でいいような気がする。

石の持つ癒しの効果は絶大で、不安な気持ちを浄化させて成功へ導く意味がある。今回はちょっぴり当たった馬券だけど、毎週不安でしかたがない私こそ、この石を持つべきだなぁ。

日頃から、仕事運を上げるゴールデンタイガーアイと、金運を上げるシトリン、怒りっぽい性格を矯正するアメジストをじゃらじゃら腕に巻いているが、4つ目はマリアライトにしよう。

2015年11月09日

オケラにはブリンカーがついている。

冬の訪れを告げる立冬の日曜日。Gチャンネルをつけると3会場仲良くこぬか雨の空。馬場は当然重や不良になった。

先週に大きな重賞レース(秋天)が終って、ひと息つこうとしたものの、レース名を見てお尻のあたりがむずむずしだすから困りもの。東京のアルゼンチン共和国杯はFCバルセロナのメッシだし、京都のみやこステークスを見れば、みやこカボチャだよなぁーと、関係ない切り口から気になりだした。

土曜日の夜。早めの時間にビールでうがいをした後、日本酒にスライドするいつものパターンでソファーにひっくり返っていると、LINEがぴーぴー鳴る!何かを書きこまなくては!といろいろやるのだけれど、ヨッパライは字が打てない。「ゴールドアクター買いたいぜよ」と、なぜか土佐弁で返信するのが精一杯だった。

そのゴールドアクター。父スクリーンヒーロー、爺グラスワンダー。重馬場だろうが何だろうが、気にしない力強いタイプのイメージがある。

スタートからスズカデヴィアスのペースにメイショウカドマツが追走する中、ゴールドアクターと、もはやアルゼンチンの国旗にしか見えないスーパームーンが先団。各馬、重たそうに芝を走っていた。

ハンデ戦ということもあり、最後の直線はいろんなことに疲れた馬たちが続出していたが、最近馬上でうるさいところを見せる蛯名騎手を乗せたカドマツがポンと抜け出ていくと、吉田隼人騎手の丸みを帯びた正しい追いに応えてアクターが追い込み粘り勝ち!やったぜよ!

重賞初制覇はこのレース史上初の父子制覇と、立派に主役をはる結果になりました。おめでとうございます!

次走は父もこの道から制覇したジャパンカップがあるけれど、どうなるのでしょうか。

スクリーンヒーロー産駒は父との絆が記録となって色濃く出るような気がしているので、JCに出たとしても「あるんじゃないですか!」と思っています。

お次は京の都、カボチャではない方のみやこステークスですが、私はここにみつけたんですね。好きな馬を。

その名も聞けば一発で覚えられるカゼノコ(父アグネスデジタル)!9月に行われた新ひだか町の功労馬慰霊祭でお会いした静内軽種馬生産振興会の田中会長さんチのお馬です。

ダートはカゼノコが歓迎する道悪の不良馬場。ひょっとしてこのメンツの中でもいい線いくのではと、1番人気のダノンリバティには目もくれず、6番人気のカゼノコに複勝を300円でへなちょこ勝負(会長、単勝でなくてゴメンナサイ)。

レースはエーシンモアオバーが引っ張る展開。ローマンレジェンドが前目、後方にロワジャルダンとカゼノコが追走。馬たちはどう思っているのかわからないけれど、私は砂漠のようにカッサカサに乾いたダートよりも、雨をかぶってしっとりしているダートの方が走りやすいのではないかと思っている。冷たい泥をかぶってしまう馬もいるけれど、あのやわらかい鼻先で砂を吸い込んで苦しい思いはしないかもしれない。脚抜きがよさそうだが、これも馬によるのかな。

ハナで頑張って力尽きたモアオバーをかわしてロワジャルが内の狭いところを抜けてきた。ローマンも当然のようにやってくる。そして大外からカゼノコが最速のあがりで飛んで来た!させさせーーー!もしや!よもや!ダーーー!

決勝線はロワジャルが粘って1着!(日本レコード・タイ)、アタマ差でカゼノコが2着。3着にはローマンで、最後はイワタさん、気を緩めているように見えましたがギリギリセーフでしょうか。え?鞭?ちょっと使いすぎたと思ったのかもしれませんね。

それにしてもカゼノコは惜しかった!最後はややヨレてご指導を受けたが、小さな馬体に最高斤量ながら、本当にいい追い込みで1頭だけ違う脚を見せてくれただけで嬉しく思う。

瞬く間に競馬が終ると、即時にLINEがぴーぴー。

「エリ女はさ~」

早いよ!

オケラの強いところはこの切り替えしとエアブリンカー。前しか見えてませ~ん!

私の方は複勝も当たったし、気を良くして京都のメイクデビュー5Rの『超高額落札馬による世紀の対決』について語りたかったなぁー。

サトノダイアモンドとロイカバード。これからの競馬界を背負って立つ馬たちの登場と、特にダイアモンドの強さを見てシビレていた。ついにやりましたね里見オーナー!このこはお値段以上のええこですねー!コンビニのレジで小銭をじゃらじゃらやっている私にとっては夢が脚をつけて走っているみたいなことですよ。

ケガをしないように順調に成長してもらい、来年の春になったらまた会いたい馬たちがわんさか。

雪も降らないのに来春のことか。

私も早いな!

2015年11月02日

貫禄の馬。安定の騎手。

第152回(すごい歴史!)天皇賞・秋(東京芝2000m)は、1番人気のラブリーデイ(父キングカメハメハ)が、文句のつけどころがない最高のレース運びで優勝しました!

今年の秋天は、有利といわれている毎日王冠組からコワモテの逃げ馬エイシンヒカリ、枠もよく、調子を上げてきたディサイファ、前走は6着だけど最速の上りを披露したアンビシャス、ダービー3着サトノクラウン、夏の札幌で元気を取り戻したペルーサ、秋華賞馬のショウナンパンドラ、皐月賞馬のイスラボニータ、連覇はあるのか秋天馬スピルバーグなどなど、秋の大舞台に古馬第一級クラスが惜しげもなく出走。先週の菊花賞同様の激戦ムードになりました。

先週の菊花賞同様、頭の痛くなるような難しさの中で、格式高い天皇賞馬にもっともふさわしい馬は誰なのか、馬柱を見ると…いました!ど真ん中に、たった1頭、王様から生まれたラブリーデイ!

春先は目の上のタンコブ、いちいち目障りな芦毛の怪物にこてんぱんにされたラブリさん。

秋はそうはいかないとばかりの1番人気。ようやくほっとしたのもつかの間で、顔をあたりからじわじわ白くなってきたもう1頭のエア芦毛エイシンヒカリが2番人気で隣のゲート。一番近寄りたくない方の危険な馬と目を合わさないように、息をひそめ細心の注意をはらっていたことでしょう。

スタートは逃げると思われていたヒカリが逃げ切れず、ハナに立ったクラレントの2番手に甘んじるという大波乱!逃げ馬が逃げないだけで、どうしてこんなにガッカリするのでしょうか。路線バスのごとく、3速発進でもしたような重苦しさが馬体の中に横たわっているような感じも。ユタカはギアを入れ間違えたのでしょうか。

私はここで、あー、もうヒカリはないなと、いきなり安心して応援馬のアンビシャスを見ると、こちらは盛大にかかりまくり!くぅー!あんたもそれをどうにかしないと、この先やってけませんよー!

有力どころが先団を形成して、最後のコーナーを大外から典センヌが勢いをつけてまわってきたものの、坂のあたりでごちゃついて、さぁさぁ追い込み勢はどないなっとるのやと思いきや、ここは順当に前目にいたラブリさんが、当たり前のようにさっと抜けて危なげなし。そのまますーっとゴール。

金子さんチの馬は、みんな品がよいというのか、「競馬はこうやって走りましょうね」みたいな、正統派の馬が本当に多いなぁと感心しました。

地味に一番折り合いのついていた10番人気のステファノスがいい脚で伸びてきて、ボニ太をかわしての2着。⑧-⑭-⑯という、フタを開ければ「枠、関係ないじゃん!」という、ある意味、裏切りの結果に。そろそろスポ紙の皆さまには謝罪してもらいましょうかね(笑)

私の馬券はラブリ軸にしてたっぷり保険をかけた馬連でしたが、上から6着までキッチリ入れていたにもかかわらず、ステファノスだけが買えずに玉砕。安定のオケラです。

それにしても浜中騎手ですよ。無駄な動きがなく安定していますね。誰よりもうまく乗ったからこそ、レース中はまったく目立たないという最高の騎乗をしてくれました。勝った瞬間、喜びを爆発させてラブリの上で仁王立ちです。

競馬場には短期休業中の川田騎手もいたというので、これは恐喝という素敵なアドバイスをもらっていたはずですが、強い馬というものは、誰が乗っても強いということでしょう。

ラブリーデイ5歳。古馬になってから風格も出てきて、静かな余裕も感じられます。今まで大きなケガもなく、常に第一線で活躍してくれる馬がいてくれるからこそ、日本競馬は盛り上がり、ファンはさみしい思いをしなくて済みますね。

次走は今月末のジャパンカップを予定。ここには牝馬2冠を制したミッキークイーンの参戦が決まり、いよいよ駒がそろいだしました。楽しみですね!

そしてペルーサ。8歳にして、なおも少年の心を保ったままの名馬は、2、3番人気馬を抑えて堂々の7着。上りはラブリさんより速い時計で、元気のよい追い上げを見せてくれました。

もう1回くらい元アンカツさんが乗ってくれれば、いい夢をみられる馬なんだけどなーなんてバカな顔をしていたら、藤沢師より「ようやく競馬をおぼえてきた」という驚愕の事実が判明!これはペルーサを愛する師のリップサービスだとしても、ラテンの血を持つ彼には、私たちが一生かかってもわからない南半球系の時差があるのでしょう。本当にそんな感じがしてくるから不思議です。

有馬に出たい?あー、やっぱりもう1体、アンカツさんがほしいところだなぁ。

2015年10月26日

サブちゃんの菊花賞。

全国1億2600万人強のJBIS競馬女子部ファンのみなさま。

大変ながらく!お待たせをいたしました!

やりましたー!我らがサブちゃんのキタサンブラックー!菊花賞制覇!

もう嬉しくって嬉しくって、こんなに泣いたのはオルフェーヴルの有馬記念以来ですよ。

毎度どうしようもないへなちょこ競馬を書き続けてきた私のブログをお読みの方は、もうお分かりかと思います。わたくし上坂、生まれも育ちもチャキチャキの札幌っ子。どこを切っても北海道が出てくるというしろものです。

前回の項で『道産子サブちゃん人情馬券』の下りを、おっかなびっくり書いて先発予告!無事に馬券も的中いたしました!

なんせもう、2冠馬ドゥラメンテが1頭いないだけで、とんでもなく迷うことになった第76回菊花賞(G1京都・芝3000m)は、出馬表をみてから「え!こんな馬いた?」はじめて目にした馬名に慌てふためきながら調べ倒しと大忙し。

スティーグリッツって、重賞も出たことないのに、なんでこんなに素敵な印がたくさんついているんだ(某スポ紙調べ)?てな感じの馬も数頭。今思うと、きっちり18頭集めたのが不思議になるくらい、ドゥラ不在のチャンスを狙って、無理やりやってきたのかもしれません。

菊花賞馬はとにかく『強い馬』でないと克服できない3000mの長距離戦。どんなけ歩数を譲っても、彼らの中に流れる赤い血潮が最高の追い風となる現実。私の応援馬キタサンブラックの母父は短距離王者のサクラバクシンオーとなると、1回泣くどころでは済まない状態でした。しかし、

「これが究極のギャンブルっていうヤツなんだな…」

競馬のギャンブル性を否定してきたわけじゃないけれど、ここで勝負に出るという姿勢を私はブラックの挑戦で学んだ気がした。

中山セントライト記念1着という関西馬。なぜなんだ。関東ばかりを走っている。

愛馬の応援で京都競馬場に旅立った友人が、

「キタサンはなぜ神戸新聞杯に出なかったのか」とラインでつぶやいていた。

もしかするとブラック陣営も、セントライトで勝つとは思わず、よもや勝ってしまったから菊の夢をみることができて、追い金を支払ってまで出走させたのかもしれない。なんにせよ、すべての幸運海路は本馬キタサンブラックが作り上げたものですね。

菊花賞馬キタサンブラック。父ブラックタイド。日高の名門ヤナガワ牧場出身。とても日高で生まれたとは思えない(失礼w)丹精な顔立ちで超がつくイケメン。レース前に決行された悪友M嬢との予想大会でも、

「キタサンブラックってどんな馬?」と訊かれ、

「トウカイテイオーの再来みたいな顔立ち」と言ってしまい、競馬歴が最近の彼女に

「余計わからん」と返されてしまった。

サブちゃんが馬主になったのは、私が生まれる5年前の昭和38年。勝負服は、サブちゃんの母校のラグビー部ユニフォームから由来しているというシマシマ!(ウィキより)。

え!サブちゃんはラグビー部だったか!今まさに日本がラグビーで湧いているタイミングにG1の栄冠をバーンとぶつけてくるところが、ブラックのスター性。

馬にまつわる時代背景や物語も、ブラックが菊花賞を制覇しないと知りえなかったエピソードですね。

別にみなさん、今さら知りたくないとは思いますが、私の馬券は、これまた予告通り3連複ボックスと保険の馬連にキタサンブラックの4番を投下!

岩田が何かしてくれそうなサトノラーゼン、モッサリして牛のように歩くベルーフ、セイウンスカイをもう一度の典エイリアン、ここはしゃーない入れましょう!のリアルスティール、神戸新聞杯1着で各馬より3馬身くらい評価を上げていたリアファルという買い目。

私としたことが、どっちも的中という大変な「まつり」になりました。

サブちゃんは前走後の公約通りに5万人のファンの前で「まつり」を歌い上げてくれた。

なんて素晴らしいのだろう。ほんの短いファンサービスの中で、サブちゃんは歌いながら嬉し泣きをしているものだから、こっちは2度目のもらい泣きですよ。こんな競馬があるなんて最高ですね。

こういってはナンですが、

「間に合った!!!」感がハンパない馬主生活50年以上のサブちゃん。御年79歳。長年堅実に馬主を続けてきたからには、なんとしてもG1の称号をとってほしいじゃないですか。

私と同じような人情競馬を期待していたファンも多いことでしょう。

あんな嬉しそうなサブちゃんをみることができるなんて、キタサンブラック、本当にありがとう!

レース中、4角を回ったあたりで馬群が壁になりそうな瞬間に、「きたむらぁ~~~!おらー!へたくそー!なにやってんだー!はやくはやくー!」と罵声を吐いたことをお許しくださいまし。

サブちゃんがいうように、北村宏司騎手の「馬を信じて乗った」うまい手綱さばきと、ブラックにとってはとても厳しかったと思う距離不安矯正カリキュラムが功を奏した今年の菊花賞。

これでようやく上坂も男になれました。まつりだ~おごりだ~。

明日は「まつり」を歌いながら、行きつけの焼き鳥屋で友人たちと祝勝会です。

2015年10月19日

夜間放牧から華と菊。

今年の札幌開催の騎乗を最後に引退した藤田伸二元騎手が、ススキノのウインズ近くでカフェバーをしているということは有名な話だが、私の知人が藤田さんの熱烈なファンであることを遅まきながらきいて、これはどうにか連れて行ってあげたいなーと、いつもの激しいおせっかいな気持ちが湧きあがった。

先行して来店していた友人がしばらく行けないというので、以前から藤田さんはもとより、来道するたくさんのジョッキーと親交のある方にお願いしてお店の予約をしていただき、オトナの育成に必要不可欠な夜間放牧となった。

藤田さんは騎手時代から、札幌に縁の深い人物であり、奥様も市内の高級住宅地美しが丘でアロマのお店を経営されている。

その日、私たちの方が先に入店して、奥様のものと思われる素敵な香りに包まれながら談笑をしていると、ほどなくご夫婦そろって出勤。

あきらかに普通ではない独特のオーラに護衛されてやってきた藤田さんの眩しいこと!日本の競馬界のみならず、世界でも活躍した大騎手であることを全身で放ちながら登場した。

話のネタに、先日アロースタッドさんで会ってきたトランセンド近況はどうか思ったが「俺、全然競馬みてないし、もう知らないの」と、興味なさげに笑い飛ばす藤田さん。「よろしいやん」はどこへいってしまったのかな。

生命力の強い男に見受けられる、ひとつのことにこだわらない、引きずらない様子と、ブリリアンカットのように多面体化した藤田さんは、キラキラを通り越してギラギラっと輝く。

このひとは今後、馬とは関係ない方面で、いろんなことをしていくのだろう。

藤田さんとファン嬢は終始にこやかに会話が進み、一緒に写真を撮ったり、顔を見合わせながらおいしそうにお酒を呑んでいた。よかったよかった。私まで嬉しくなっちゃう。感無量ですよ~。

よせばいいのに、うっかり私も藤田さんと2ショットを撮ったけれど、実写版「進撃の巨人」になってしまったのはいうまでもない。

さて、混迷を極める秋華賞。

私は桜花賞馬のレッツゴードンキがここを制するとはどうしても思えず、スパッと切って、阪神ローズ1着の勢いでタッチングスピーチ軸とした。

そこから義理堅く典さんのココロノアイ、紫苑1着のクインズミラーグロ、同じく2着のホワイトエレガンス、ローズ5着と平凡だけど、鞍上が非凡のミルコさんでクイーンズリング、大外もなんのその、連帯を外さない実力を買って、ここは外せないオークス馬ミッキークイーンで流した。

気がつくと、クイーンばっかりじゃないか。鼻とか耳とか、いろんなところをひねりながら、何とか買い目を出してみたけれど、願わくば、逃げるドンキのペースで淀みなくすすみ、最後の直線で中、内、外のタッチ、クイーンズ、ミッキーで決着してほしい。ところが!

まずはドンキが逃げそこね、一瞬どこにいるかもわからない。ハナは何度か入れ替わって結局ノットフォーマルが元気にひとり旅。続く一団は早い流れになった。

この辺からすでに、私の未来予想図はもろくも崩れて血圧低下。めまいがしてくる。

おっと大変、私のタッチ嬢は最後方じゃないか!もはやこれまでかと思いきや、全頭それなりに仕掛けが早く、あっという間に最後の直線に向き、わーわー言っているうちに、一番いい位置にいたミッキーが馬群のど真ん中から抜けたところに、外から来ましたリングちゃん!タッチはどこだ!

あてにならないスポ紙をギュウギュウに締め上げ振りまわした願いもクビ差届かず、ミッキークイーンが秋華賞レコードを叩きだす2冠達成!2着にクイーンズリング、3着にはユタカからミユキに乗り替わったマキシマムドパリが入った。私のタッチは6着で、ドンキはなぜか17着に沈んだ。馬体は大丈夫でしょうか。

しかしまぁ、オークス馬をなめちゃいけませんね。まったく。枠なんて、そんな小さいことは関係なし!不安材料があれだけあって1番人気に押されるという大混乱の中、これだけの記録を叩きだしたミッキークイーン。

次走はおんなこども相手ではなく、国内最強牝馬ジェンテルドンナ女史のように、東京2400m!ぜひともジャパンカップにすすんでもらいたい。3歳は確か斤量53kgとか、もう勝ったようなものですよ。ガチで。

ここのところ私の基本フォームである1頭軸流しの馬連が死亡しているので、来週の菊花賞は、

「トリガミでもいい、当てたいんや!(坂東)」

ついにボックスに手を出そうという決心がついた上坂ですが、サブちゃんの歌がききたいなぁーと思う時点で、もはや人情馬券の匂いが。。

菊花賞は天皇賞・秋に続いて私の大好きなレース。なんたって見ごたえがある。オルフェーヴルの菊花賞は、3着にトーセンラーが来たし、1着と2着のウインバリアシオンの強すぎる2頭は別格としても、距離不安のあったラーが3着になるなんて誰が予想しただろうか。

キタサンブラック。菊花に出走予定の馬たちにはあらかた勝っているぞ!サブちゃんに悲願のG1を。

・・・どうか激しくお父ちゃん似でありますように。

2015年10月12日

オータムセールと王冠ゆる回顧。

「青空の見本はこうでござんす」と言いたげな、素晴らしすぎる晴天に恵まれた7日。

今シーズン最後のセリ「オータムセール」の最終日をわざわざ狙い、静内の北海道市場を目指した。

馬産地へ向かう道中、何の話で盛り上がったのか。今となってはさっぱりわからないのだが、助手席のカメラマンと車中で猛烈に話し込んでしまい、うっかり日高道に乗り損ねて(3年ぶり2回目w)苫小牧西まで行ってしまうという大アクシデント発生!

その後、羽根に火がついた雄鶏のように、黒目をちっちゃい点にして爆走したのち、セリが始まるギリギリの時間に到着!…あー、びっくりした。

しかしいったい、なんの話をしたら、大事な日高道を通り過ぎてしまうのか。男か。それだけはないな・・・。

たとえどんなことがあっても、勝手にハンドルが日高道に向かって回ってしまうー!というくらい身についた運転でなければいけませんね。

オータムセールの1日目と2日目は大変な人出で大盛況だと、事前に現地からのアナウンスを聞いていた。

3日目は最後の最後。本当に最後。よくない方のいいかたをすれば、まだ売れていない、神様どうにかお願いします的な崖っぷち感だってある。

わざわざ最終日を選んでやって来たのは、私らしい勝手な理由があった。

「ここに、未来のスノーフェアリーやトレヴがいるかもしれない」

でかい。でかい話だけれど、セリ場ではこのくらいの夢は想像しなければ。

2010年2011年とエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーも、もはや説明がいらない(するけれど)2013年2014年の凱旋門賞連覇最強牝馬トレヴも、そもそもは買い手のつかない主取りの馬だった。

なぜ彼女たちがそんなことになってしまったのかはわからないが、高く競り落とされた馬たちが必ずしも走るわけではないという話も合わせて、最終日の動向を、大外の外野から、しっかりと見守りたいと思ったことが大きい。

牝馬ばかりを目で追っていた。

Autumn_s1

私の目の前を歩くかわいくて小柄の栗毛ちゃんはどうなってしまうか、あぁよかった、売れた。ご縁があった…ありゃ、この仔は主取りになってしまったけれど、ひょっとして、誰かが妙に気になって見ているもかもしれない…などと固唾をのむ。

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ちょっぴり寂しい気持ちをごくんと飲み込んだ後は「値段はつかなかったけれど、いい馬だったよね」あなたたちのお父ちゃんは、どこのもんか素性のわからないうちの父親よりも立派だし、お母ちゃんも素敵なはずなんだから。

Autumn_s2

どうかみんな、スノーフェアリーやトレヴのように、少し遠回りをしても、いつか世界を見かえすような競走馬になれますように。

「買う気もないのに、勝手に祈るんじゃねーよ」

Accident2

そういったかどうかわからないが、そんな感じのタイミングで、1頭の仔馬がセリ後に放馬!!

Accident1

いい~感じに全速力で会場内を走り回っている。なかなかの走り。「いいね!」があったら付けたいくらいだ。

ここは静内。犬も歩けばホースマンだらけの馬産地ド真ん中。誰ひとり慌てる様子もなく、人々は仔馬が走る先々でさっと両手を広げながら無理なく追いつめ、あっけなく御用。これが札幌ならどうなっていたことか。

―――あのね、祈りってのは、たいがい自分勝手なことを祈るものなんだよ。

セリ場から逃走を図った放馬くんも、きっといい競走馬になるだろうと最後まで勝手に思うことにしたけれど、何番の誰ちゃんだったのかすっかり忘れてしまった。育成に行っても頑張って。逃げるなよ。

そんなこんなでオータムセールが終わり、ひと息つくヒマもなく、3日間開催で寿命が縮みあがりながら迎えた毎日王冠!オウカン?エイカン?エイシン?ヒカリ?え?ユタカがバラエティ番組に出た直後で1番人気?

いやいや、もうそういう魅力的なサイン馬券に手を出すのはなぁー。

ここは鉄板、心配ご無用、根拠は説明せずとも、おそらく間違いなしの出ましたアンビシャス「ぼくだけ3歳」

人気に押されているからとかいって、軸にしないような生意気を、私のような人間がやってはならない。来てもオッズが薄いからといって勝負しないのも困った方の競馬ファンなのだろう。

今年の毎日王冠(G2東京芝1800m)は、ここからたった1頭、天皇賞(秋)の出走権がGETできることもあり、休み明けの実力馬が勢ぞろいして、G1級の豪華なレースになった。

スタートは私のアンビシャスが、心配通りの出遅れ。いや待てよ。アンビはちゃんと出たけれど、ミルコがモタついて出遅れているように見えなくもない。勘弁してくれー。小さな馬体で最後尾を走る姿は、頭が低くてお父ちゃんにとてもよく似ている。最軽量をミカタにつけて、どこまでマクれるか。出遅れても夢はあるぞ。

ハナにたったのは予告先発通り、パドックで何を装着してもどうにもならない荒くれ系を披露したエイシンヒカリ。

スタートのうまいユタカに逃げのヒカリ。キズナが引退しても全然さみしくないのは、ヒカリの圧倒的な存在感と見覚えのある血統だからだろうか。

その後は黒と黄のシマシマ軍団3頭が追走。今年の札幌記念優勝馬ディサイファとリアルインパクトが続いた。あとの馬たちは、いかにも休み明けですごめんなさい状態でマッタリと追走。

最後の直線を向いても、ヒカリの輝きは失われることなく逃げに逃げまくる。途中一瞬、外にヨレそうになったところをユタカは修正をかけて真っ直ぐ走らせていた。典さんならそのまま馬なりにヨレるところだ。

「安心してください。逃げ切りますよ」ぷぷ!(これが言いたいだけ)

決勝戦手前で順位が入れ替わり、イスラが皐月賞馬の意地を見せたところで、ディサイファが力強くかわしてゴール。

恐れ入りましたエイシンヒカリ!これでも芦毛!一向に白くなる気配なし!

パドックであれだけ何か大切なものを消耗していると思わせてのこの強さ。不思議な馬だなー。

今日の逃げっぷりを見ていても、東京最後の直線の坂がどこなのかよくわからないほどヒカリの走りは力強かった。これは秋天に行ってもプロ予想家を悩ませる筆頭になりますな。

さて今日は3日間開催の最終日。体内時計を狂わす月曜競馬。

京都大賞典(G2京都芝2400m)がある。この距離で大賞典という文字がつくだけで、頭が混乱してしまうが、そろそろワンアンドオンリーの強いところを見たいけれど、ここはラブリーデイで。

写真撮影:長谷川さゆり氏

2015年10月05日

ぜんぜん大丈夫!

日本全国に秋の訪れを知らせる第49回スプリンターズステークス(G1中山・芝1200m)が、凄まじい激戦の中で終わりました。

今年はこのレースをけん引してきた世界のロードカナロアがいないため、予想の方もかなりの混迷を極めていた模様。スポ紙のプロ予想家の展開も割れる割れる!

各社いろんなことを自信なさげに書いてあり、前評判1番人気のベルカントにいきなりハテナマークが点灯して2番人気になるなど、目まぐるしく変わるブレブレオッズ。困りますねー。

直前で浮上してきたのはストレイトガールでした。

そのストレイトガール。6歳。もちろん牝馬。フジキセキ産駒。美人とはいえないけれど鼻白で愛嬌がある。鞍上戸崎で文句なし。

でもなぁー、あれだけ香港で頑張って来たのに、ヴィクトリアマイルを勝っちゃってるもんだから、何となく短距離馬って感じがしなくて、実は一番迷った馬。前が止まらなくて最後届かない気がしてヒモに…。

私の本命はパドックでもそつなくよく見せていたウリウリでした。迷った時の助け舟イワタ騎手。そろそろにっこり笑ってもらいたい。そんな気持ちも混ぜ込みました。

そこから疑惑のストレイトガール、馬も鞍上も中山のプロ、ベテランコンビのサクラゴスペル。この馬に関しては、先日某有名俳優がついに!結婚したこともあって、桜つながりで「なんかある」サイン馬券とみました。

札幌で買い忘れて涙を呑んだウキヨノカゼを間違いなく入れ、夏の女王ベルカント、最近自慢の旋回が甘くなったハクサンムーン、逃げの新星アクティブミノル、1着はないが2着に来そうなレッドオーヴァル、マイル馬かと思っていたらここでやって来たミッキーアイル、大穴フラアンジェリコ、信頼の鞍上G1馬コパノリチャードの10頭を馬連で流しまくることに。

さらに!

不気味な外国馬リッチタペストリーにルメールさんが騎乗するとあって、1-4と1-6の枠連を買って保険をかけてみたり、いつぞやのようにノーザンF生産馬のワンツースリーがまたあるかもしれないとウリ、ミッキー、フラの3連複のおまけつきで遊んでみました。

こんなに盛大にかけたんだ、どれかいっこくらい当たるだろうと思っていたら…

なんと1番人気も高らかにストレイトガールが優勝!同じ最速の上りで飛んで来たウリウリは届かず5着に沈み、痛恨の軸折れ!

全部ハズレマシタ――――!(涙)外枠はやっぱり不利だったのでしょうか…。

上から5頭ちゃんと買ってるのに、まったく当たらない私。

「ワイド買っておけよ」とのご指摘もあるでしょうが、私は1着から当てたいんですよね、なんとしても。いや、菊花賞はワイドも買っとくかな…。

いい線行くのに毎度地獄を見せつけられて久しからずや。こうなると、私の馬券が当たるなんて、今世紀中ないと思われていた福山が結婚するくらいびっくりなことですよ。まったく。

人生の中で2~3回死んで行き返ってきたゾンビ作家、伊集院静先生の言葉を思いだしました。

「ぜんぜん大丈夫」

…本当に大丈夫なんだろうか私。

みごと激戦を制したストレイトガールは、またしても香港遠征を挟んだのち引退する運び。なんたって母系は大切ですよ。すでに功労馬馬房にお引越しされたフジキセキ父ちゃんには、これからも安心して余生を送っていただきたいと思います。

その夜、マイブームの糖質ゼロ松竹梅を呑む気にもなれず、あたためた牛乳をすすりながら、マッタリと日本馬不在の凱旋門賞を観戦。

トレヴの3連覇なるかとのことでしたが、それはかなり難しいこと。ちょっとでも斤量が重くなると厳しいレースです。

3歳の英国ダービー馬ゴールデンホーンが、昔のハリウッド女優みたいな馬名で気になり、馬券が買えるならこの馬だなと思ってたら「ここで当たるか…」来てしまいました。

すでに日本で一番有名なフランス馬トレヴは4着。一昨年オルフェーヴルと走ったあの日を思い出して、これでひとつの大きな時代が終わったような気持ちになりました。

正直、トレヴの負けるところは見たくなかったなぁ。ちょっぴり切ないなぁ。

でもトレヴさん、負けたってぜんぜん大丈夫。今までいっぱい勝ってきたんですもの。

今後はオルフェとの産駒対決が必ずあるはずなので、いつかまた会う日まで。

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10月5日本日から3日間

オータムセールが開催されています。

セールの模様はJBISのこちらからご覧ください♪

http://ch.nicovideo.jp/jbis

2015年09月28日

それぞれの「本番」。

時々、わけのわからないことに遭遇して、何だか困ったなァと思う時は、伊集院静氏の血みどろだった暗黒時代のことを綴ったエッセイを読んだりして「ぷぷ!まだ私の方が全然マシ!」と言いながら、自らを元気づけている。

これが結構な効果で、自分がいかに今しあわせなのか、いとも簡単に実感できるのがありがたい。

おかげさんで、そんなことをたびたび繰り返すうちに、その本はいい具合にボロボロになって、鋭利だった角がとれて丸くなり、しっとりと手に馴染むようになった。古本屋で買ったこの1冊。確か100円。奇しくも馬券と同じお値段に、日々救われてモトまでとっているという。お買い得が好きな世界のシフには本当にありがたい男の生き様です。

さて、菊花賞の出走権をかけた神戸新聞杯。私の応援馬、何事もなければ菊花賞に出るあろうキタサンブラックの行く手を脅かす馬は誰か。とても重要なことを見極めるための探りレースになった。

その時間私は近所の乗馬クラブにおり、社長とふたり、競馬観戦でもしようかと思っていたら、テレビの不調でワンセグ観戦。キャロットの勝負服も鮮やかに、リアファル(父ゼンノロブロイ)が2400mを逃げ切り勝ちにおさめた。

―――うーん、この場をこんな余裕こいて勝つなんて。長いところはやはりディープインパクト産駒じゃない気がするなぁ、ルメさんラクに乗ってたなー、いっくん(福永騎手)抜け出し遅いよ、何やってんのかなぁ…なんて、

ブツブツ即席回顧をしていたら、今月30日にJRA騎手試験を受ける藤井勘一郎騎手がクラブハウスにやってきた。

海外のレースで400勝をあげている藤井騎手に、神戸新聞杯の結果はこれこれこのようなことにと話すと「(勝ったのは)ルメールさんですか」と感慨深げ。爽やかな笑顔の中に虎視眈々とその座を狙う男気を感じた。騎手試験の中に、ブリティッシュで障害を飛んだりいろいろな実技があるので(そんなものは実際いらんやろう!)、藤井騎手も鐙の長い状態でせっせと練習に励んでいる。今年こそはぜひとも見事な合格を!

藤井騎手の練習風景を眩しすぎる秋のこもれびとともに拝見しながら、PATに有り金全部をぶち込んできた勝負レース産経賞オールカマー!中山の2200mが、府中の天皇賞・秋までつながっているという違和感たっぷりのこのレース。

「本番」前のレースというのは、馬ではなく、陣営の策略が盛り込まれている気がするし、ここで勝っとくか、勝たずして本番なのか、考えているうちにわけがわからなくなってきた。

で、素直に皐月賞馬のロゴタイプを軸に据えようかと思ったが、なぜかミトラの本番がこのレースかもしれないという気がして7番人気のミトラ軸!そこからロゴ、マリアライト、パンドラ、ヌーヴォ、ミラノを投入した5頭流すことに。来てもやっすいことウケアイ。

「キミね、負けなきゃいいんだよ」という伊集院さんの書いた1行を胸に秘めての勝負だった。

レースはマイネルミラノが引っ張る展開。メイショウ軍団がいて、ロゴ。ミトラも来た。パンドラは中団やや後ろでマリアはどこいった?そんな感じでぐんぐん加速していき、最後の直線、ヌーヴォの進路がないなーと思ったら、ミラノの内をこじ開けて運よく出れたところで、岩田さん、こりゃー後で叱られるなぁと思った。びっくりしたミラノは失速。ロゴとミトラが追い上げて、そこにパンドラがぶっ飛んで来るという!つよ~~~~~~~~。

勝ったのはショウナンパンドラ。440kgの馬体なのに、身が詰まって500kgくらいに大きく見えた。フレンチデピュティ爺ちゃんの重厚感にディープの鋭い軽さをミックスした素晴らしい末脚だった。2着はヌーヴォで牝馬のワンツー勝利とセン馬ミトラのオネエで決着。牡馬を蹴散らす結果は久しくなかったことらしい。

普段物静かなLINEがぴよぴよと鳴っている。競馬仲間たちは馬券をとりこめたのだろうか。

(神戸新聞杯はノーザンファームの1,2,3だったね)と書いてあった。

カマーもそれに準ずる生産牧場!上から5頭みんなそうやんか!と打ち込んでやろうかと思ったけれど、馬券に泣く時間が優先なので割愛した。晩ご飯は1個40円のコロッケだな…。

練習馬場をみると、藤井騎手はまだ馬上のひとだった。義父であるコーチの声に馬を巧みに操っている。

「きっとこのひとが、競馬界を変えるんだろうな」

それが現実のものになるように、わざわざ声に出して言ってみた。

言霊のチカラを私は信じている。

2015年09月21日

秋の行楽あれこれ。

シルバーウィークど真ん中ではありますが、そもそもシルバーウィークってネーミングはどうよ?と思ってしまう私。敬老の日を挟んだことによる老人週間な感じと、ゴールデンウィークの秋バージョンを狙いながらも的を外しているような。自分がこんなにも、シルバーという文字のイメージが即お年寄りに結びつくなんて思いもよらず。銀の文字からは雪景色まで見えてくるというのに、子どもの頃から植えつけられたシルバーさんには弱ったものです。

さて、先週の17日水曜日。競馬女史2人を伴って、久しぶりに馬産地日高方面をめぐってまいりました。

その日は毎年、静内二十間道路沿いの桜舞馬公園で「功労馬慰霊祭」を開催しており、私たちも飛び入りながら参列してきました。ひだかの馬産地を支えてきた歴代の種牡馬、繁殖馬などの慰霊碑はどれも本当に立派で、地元の偉大な種牡馬テスコボーイの銅像を取り囲むように並び、小鳥のさえずる森の中で、静かに時の流れを数えているようです。

慰霊祭が終った後の直会では、静内軽種馬生産振興会の田中会長とお話しをすることが叶い、皆でおにぎりを食べながらの楽しい馬談義がスタート。ジャパンダートダービーのカゼノコや、ステイヤーズステークス2連覇のデスペラードの生産をなさった会長のお話は、そっくりそのままお土産に持ち帰りたいほど興味深いものばかりで、これからの競馬ファン獲得に向けての思案もたっぷりと盛り込まれていました。会長、お任せください。私の孫は必ず競馬ファンに育成いたします!

その後、いつもお世話になっているアロースタッドさんに立ち寄り、サウスヴィグラス、タイキシャトルやシニスターミニスター、グランプリボス、スマイルジャックなどのお父ちゃんたちと思う存分戯れ、アルプスの少女ハイジのような気分で深緑の牧場内を走り回ってきました(走ってはいけません)。本間主任、そしてホースマンの皆さま、お騒がせしました。またお話し聞かせてくださいね。

慰霊祭に出席し、国宝級の種牡馬とふれあった静内に別れを告げ、私のアラバスター号(単に白いクルマ)は一路、門別競馬場へ!この時、さっきまでのかわいい少女たちは博徒に変貌。何が何でも当ててやる鬼の形相で競馬場に転がり込みました。

門別競馬の魅力は、なんといってもパドック。馬に手が届きそうな至近距離で、それぞれがいろんなところを拝見。私はとにかくお尻がまあるいか、歩様がきびきびしているかを見ていますが、連れのお二人も似たようなところを見ながら「うん、あの馬いいよね」「わかる。私もそう思った」などと馬見の才はなかなかのもの。

ところが!

馬券にすると皆一斉に白目。縦目のオンパレードだったり、軸折れ、的中してもやっすい馬連のてんこ盛り。私を含めた3人は当たれば当たるほどガミるというむせび泣きたくなる結果になりました。大声でタラレバを叫ぶ門別競馬場。お札を小銭にかえることにかけては天才的な私たち。小銭の重みは、たくさんの夢を見たの重さでもあるんですな、これが。

こうして日高の馬産地旅行は、最後に競馬でしめるフルコースで終了。お腹いっぱい楽しめました。雪が降り、冬眠に入る前まで、まだまだ走り回りますよ。

秋の行楽、馬産地めぐりのお供はコチラhttps://uma-furusato.com/

競走馬のふるさと案内所で見学できる牧場さんをチェックしてみてくださいね。

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そんなこんなで息つく暇もなく、お次は中央競馬!

昨日の阪神ローズステークスは、7番人気のタッチングスピーチが優勝!G1馬を蹴散らして秋華賞の出走権を勝ち取りました。父はディープインパクト、母リッスン。…!リッスン!やや、この馬は、あの日あの時、めちゃめちゃ高額で競り落とされたあの仔でしたかー!!

いろんな意味で遅いのなんのって私、500万馬のタッチングを買えず撃沈。1,2,3の人気順をもれなく入れ、小穴にアンドリエッテとディープジュエリーというあさっての方向馬券で涙。

「高額馬はそんなに走らない」という都市伝説を、リッスンの娘で息の根を止めることになるのか!本番の秋華賞が俄然楽しみになりました。

本日は中山でセントライト記念。500万馬も出走で、昨日の衝撃に引き続き500のオカルト馬券があるかもと思いながら、中山が好きだと思うキタサンブラックからベルーフあたりを流しましょうかね~。秋祭りが切実に「聞きたい!」上坂でした。

2015年09月14日

うれしい秋のスタート。

札幌開催も終わり、気の抜けたコーラのように甘ったるいだけの毎日とぐずぐずの空。外に洗濯物を干しても、やおらゴロゴロいいだす空に向かって「しっかり晴れんかい!」と気合いを入れてみるものの、天に向かって唾みたいなひとの無力…。

そうこうしているうちに茨城の方は大変な洪水になってしまい、もしも自分にこのようなことが起きたら、まずは何をしなきゃいけないのかと思いを巡らせておりました。お家が流され、命を落とされた方も…。遠くからではありますが、被災されたみなさまには心からのお見舞いを申し上げます。。

雨のせいで地盤がやわらかくなったこころを元気づけるべく、はじまりました、阪神と中山。何となく競馬が遠くに行ってしまったなぁーと思いながらのお茶の間観戦。

まずは阪神11R セントウルステークス(G2)芝1200m。この距離が大好きなプロ集団がたっぷりと出走です。

「おぉ、バーバラがいる!」

札幌開催中、地元密着型になる私は、他の会場を完全に無視しているため、彼女が小倉に出ていたことをまったく知らず、久々かと思ってました。1200mといえば気性難でおなじみのバーバラさん。

いつしか6歳の娘盛り。そろそろ落ち着いた頃でしょうか?以前彼女の記事を書いたご縁もあり、ここでもれなく応援となりました。

ざっくり見渡すと、逃げ馬VS追い込み馬の構図。

スタートから10番人気のアクティヴミノルと2番人気のハクサンムーンが逃げて、5番人気のバーバラもかかることなく静かに追走。後方はさほど離されることなく一団となってあっという間に最後の直線。

ここからコワイのが追い込み勢の鬼脚!

後ろにいた1番人気のウリウリは飛んでくるわ、3番人気のストレイトガールもエンジンに火が付いたわで激戦のゴール!逃げる3歳青年アクティヴミノルに、年頃の牝馬3頭が襲い掛かるというぞくっとするような寒気が。

女たちの熱い洗礼を受けて大金星をあげたのはミノルくん!単勝4800円と空が黄色く見える素敵な結果になりました。いろんな意味でおめでとうございます!

さぁさぁ、阪神もきっちり荒れたところで、お次は中山。嵐の予感!

京成杯オータムハンデキャップ(G3)芝1600m。53kgから58kgと斤量がいろんなことになってさっぱりわからないハンデ戦です。

1番人気は中山が好きらしいアルビアーノ。

スタートから終始レースをけん引して、自ら勝利のドラマを演出していました。

思惑通りこのままいくのかと思いきや、中山の直線にある坂はアルビアーノのハッピーエンドのシナリオを踏みつけて、各馬ごちゃっとモタつきはじめたところになんと!最後方の13番人気のフラアンジェリコが、馬群を縫うように飛び出し、最速のあがりで抜けたところにゴーーーール!

涙なくして語れない7歳にして初重賞制覇!通算37戦目の大金星をあげました。

こちらのレースは阪神のメインを上回る単勝6270円とシビレる馬券に!くぅーー!

フラアンジェリコは父ネオユニヴァース、母カーリーエンジェルという血統。母似の栗毛が一段と輝いてみえましたね。おめでとうございます!

レースが終わり、岩内町で余生を送っているカーリーのオーナーさんからメッセージをもらいました。

「やっと重賞を勝ってくれましたー!馬券買ってませんけど本当にうれしいです!」

わかるなぁー。その気持ち!競走馬は、重賞を勝つか勝たないかで、自分の命の行方が大きく左右される切ない生き物ですからね。

それを現役の後半7歳にして勝ち得るなんて、どれだけ嬉しいことでしょうか。

Photo 今年の3月。雪の残る岩内町ホーストラストでカーリーエンジェルとオーナーのはるみさん。現在、サンデーサイレンスの全妹サンデースシスらと一緒に暮らしています。カーリーはシスの兄サンデーサイレンスとの間にエガオヲミセテを生み落しています。「お兄ちゃんのお嫁さんと一緒に余生」不思議なご縁ですね。仕事がひと段落したら、岩内に行きたいな。

阪神も中山も、秋のスタートとしては申し分のない素敵配当で盛り上がりをみせました。

来週は誰が名づけたのか耳慣れないシルバーウィークとやらで4連休。月曜日はセントライト記念もありますよ~。曜日の感覚をマヒさせる楽しい連休になりますように。

2015年09月07日

夏のおーわ~り~…。

無情にも、たいした好きでもない森山直太郎の歌が流れてくる。

母さん、札幌の夏がついに終わりましたよ…。

でもね、ぷぷ!ちょいとズルして馬券当てちゃった!

5日土曜日天候は晴れ。時々数回天気雨。おまけにでっかい虹と飛行機雲。

ブレにブレまくるいろんな秋の空のもと、心に決めた馬に会いに来た。

かねてからのお楽しみ、今後のクラシックに多大な影響を及ぼすはずの札幌2歳ステークスには、私のイチオシ馬アドマイヤエイカン(父ハーツクライ、なおすけ厩舎)が登場。馬主席をチラ見すると、利一オーナーのお姿も確認できたので、これは間違いなく、鞍上の岩田を恐喝しに来たのだろうと思った。

絶対のない競馬を絶対に勝たねばならない。

そして!連敗続きの私の馬券も、今日こそ絶対に勝たなくてはならないのであった。

競馬場には私を含め5人の淑女が集まり、時々降ってくるパラパラ雨に化粧落ちを気にしながらのスタンド前。まぁ寒いのなんのって。たっぷり仕込んだ自前の脂身も、肝心な時には役立たず!結局、競馬場名物モツ煮込みを食べて胃袋から暖をとった。

メインレースが始まる前に、ウォーミングアップ馬券をやる。5R のメイクデビューを買った。

2010年阪神大賞典でトウカイトリック先生の3着に入ったステイヤー女傑のメイショウベルーガの初仔メイショウジーター(父ダイワメジャー)と、典さん騎乗のラブミーリル(父ハービンジャー)の応援馬券を単複で。どちらの馬も、昼寝から覚めてまだ微睡の中を漂っているようなパドックだったが、その中で一番コワイ目つき、ドリームジャーニーを髣髴とさせていたキングライオンが勝利。

このレースがのちの2歳ステークの明暗を分けるオカルトになろうとは…。

時が経つにつれ、ゆるゆると出目の集計が進み、スポ紙の短評を固く信じながら、メインレースのパドックを見ると、3番人気のアラバスター(母レーヴディソール)が、いかにも優等生の面持ちで歩いている。可もなく不可もなく。いい所も悪いところも見いだせないまま、ご婦人等のお見立ては「これは来ない」の総括!なかなか厳しい評価に。

ここから怒涛の買い目検討大会スタート!皆くちぐちに、誰に聞かせるわけでもなく、思ったことが全部声になって大放出となった。

「さっきの新馬戦のキングつながりで、出目もいいし1枠1番のリアルキングが来そうだ」

「馬場が稍重から改善されないね。札幌の稍重は重だよ。ここはステイっ子のクロコスミアか」

「それをいうならラヴアンドポップも洋芝適性ありって書いてある」

「変なところで藤田(騎手)がやりそう。アラモアナワヒネって何だ?」

「アフターダークは調教はAだね~」

「ルメ様のプロフェットは外せない」

「ちょっとー、13番スパーキングジョイだって!またキングだよー!」

「このメンツで大穴は我が道営のリッジマンだろうな」

そして私も声高らかに

「理由はわからん!でもー!アドマイヤエイカンしかいな~~い!」

…まったくまとまらない!!!

みんなでいろんなことを言ってるうちに、何をどこまで買っていいものかさっぱりわからなくなってしまった。そこで私が絶対に当てるべく取り出した伝家の宝刀は、

(できればリッジマン、馬券に絡んでほしいのプレゼンツ)アドマイヤエイカン1頭軸からの総流し!総流しって初めて買った馬券だけど、なんかこう、気持ちいいのか悪いのか、スパッとズルしたみたいな変な心持になった。

札幌2歳ステークス。ここで勝てば、クラシックのクの字が鮮明に見えてくる重要な1戦。

レースはスタートからやや入れ替わったのちにネコダンサーのペースに持ち込まれた。前め3番手付近にリッジマンがついていく。わぁおう!大穴~!いけー!

中団にキャロットの勝負服も眩しくプロフェットで、その後ろをマークしているアドマイヤエイカン。

芦毛のアラバスターは最後方からひっそりと追走。札幌1800m最後の直線はかなりの向かい風になり、深緑の洋芝がうねうねとさざ波たっている。りいちー!違った、エイカーーン!ガンバレー!

この辺から記憶がない。何かものすごく大声で叫んで叫んで、また叫んで。最後は「ぎゃー!」

10番と11番が前に抜け、重なるようにゴールした時、私は万歳のポーズで両手をあげ、ひとあし早く「確定」を主張していた。

「まちがいない!勝ったのはエイカンだ!」

連れのご婦人は「私はプロフェット軸なんだけどー!」と叫んでいる。

命の次に大事な小銭を夢の馬に託して熱狂するさまは、親戚縁者にはとうていみせることのできないそれぞれの「素のわたし」。何事にも興奮しなくなった身体に心地の良い血潮がみなぎって、体内メモリを最大限に振り切って終了した。

「快感だわね、これ」

「子どもの運動会より声出したわ」

懐かしいあの頃、お弁当作りが大変だったあの時代を思い出して、我が子同然の馬たちに小銭を賭ける。子どもってのは、多かれ少なかれ、お金のかかる存在ですね。

勝った岩田騎手。いつの日かを境にあんまり笑わなくなった。もっと笑っていいんですよ。

こんな私たちだって、ウチに帰ればいろいろあるんですからねー。

ご婦人5人衆のうち、3連単の万馬券ひとり、馬連ちょぼちょぼ数名、ついにオケラのひとりを含んで、競馬場の夏を無事に終えた。

「夏の終わり。夏の終わりには、ただあなたに会いたくなるの。いつか同じ風、吹き抜けるから」

直太郎、いいうた歌ってますな。これ、札幌開催最後の日に競馬場内でかけてくれたらいいのに。

次回、次走、エイカンに会える日を楽しみに、秋の飽食をして冬眠に備えます。

Eikan1「近藤オーナー来てるからね、頼むよひとつ」

Eikan4「1ミリでもいいから前へー!」

Eikan5

「頑張ったね。立派だったよ栄冠くん」

写真3枚とも長谷川さゆり氏撮影

2015年08月31日

競馬は出会いの場でもある。

土曜日。場所はススキノ某所。色とりどりの賑やかなネオンにも負けないくらい光り輝く満月の夜。

今年の春先までJBIS競馬女子部でコラムを書いていた調教助手の伊藤春菜さんとようやく会うことが叶い、満を持しての食事会!おんなふたり、ひっくり返るほど激しく食い倒れてまいりました。

春菜さんは現在、美浦の久保田厩舎勤務ですが、以前はトウショウシロッコがいた大久保厩舎だったこともあって、気がつくと、もうずいぶんと前からのおつきあいでした。

調教助手さんとひとくちに言っても、春菜さんのように馬のお世話はもちろん、「攻め馬」まで乗りこなす方は限られおり、しかも女性となると、日本にはほんの数名だけ。元女性騎手の助手さんはいても、高校卒業から牧場勤務を経て美浦入りした春菜さんのような女の子は、指が5本いらないくらいになってしまいます。

「お酒はそんなに呑めないんですけどね」

そういって、みかんのモヒートをおいしそうに飲む春菜さんの小さな手は、手のひらに石ころが入っているのではないかと思うほど筋肉が盛り上がってカチンコチン。毎日何頭もの、それもまだちゃんと競走馬になりきれていない危ない荒馬も含めた1馬力に耐え抜いている、みごとな職人の手をしているのです。

おんな率のなかなか上がらない競馬界の調教部門において、腕力の差を感じさせない春菜さんの「競馬いろいろ物語」を肴に酒を呑んでゆくと、強い女性のかっこよさ、頼もしさ、終いには「なんて美しいのだろう」と、モヒートにのどを鳴らす春菜さんに惚れてしまいそうでした。いや、もう完全に好きになっちゃったなこりゃ。だって見てしまったもん。春菜さんのヌード写真!全身が筋肉と気合で磨き上げられているホンマもんのビルダー。人工的に作られた気持ちの悪いものとは全く違う、ナチュラルでスパッとキレ上がるイイ~からだしていましたよー。

「カラダも大変ですが、精神面のキツさの方がハンパないですよ」

毎日、あの大きな馬の傍や鞍上で、だいの男でも悲鳴を上げる調教という仕事に身を置く春菜さんの表情には、私が生涯一度も決意したことのないような覚悟がみなぎっており、日々とめどなくやってくる朝の緊張感に押し流されそうになりながら、

「それでもかわいい馬たち」の馬装に彼女の優しさが反映されています。

春菜さんの担当馬たちが競馬に向かう時、手入れの行き届いたタテガミや尻尾は「お守り」のように編みこまれ、「無事にレースを終えて必ず帰っておいで」と、子どもたちを戦地に見送る母の祈りの馬装なのだと思いました。

馬の仕事はケガがつきもの。思わぬことであっけなく命まで取られてしまう、時に切なさを孕んだ過酷な職業です。これからもケガや事故に気をつけて、頑張って。近くのひとに言えない「ため息」があれば、北海道のおばちゃんが気持ちよく引き取って吸い取りますからね。

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そして昨日の札幌競馬~~~~!

キーンランドカップはもちろん、ワールドスーパージョッキーズカップのダブルヘッダー!

10Rには、春菜さんが担当しているボブキャット(父ダイワメジャー、母カーラパワー)牡5歳が出走です。某スポーツ紙の印も盛大に付いて、この日絶好調のモレイラ騎乗ブラヴィッシモ軸から、典さん騎乗のウエスタンソーレ、福永さんのオルフィーク、金沢競馬のトップジョッキー藤田騎手のアドマイヤサブリナ、戸崎さんのタカラジェニファ、そしてボブキャットを3連複で流しまくり!

結果はユタカを買っておらずドボン。ボブも最後まで粘りましたが8着!ここから私のオケラ快進撃のはじまりです。

11Rのキーンランドカップは、不思議な日本語をあやつる岩田さんが、サムライ魂を見せつけてくれると信じてディープインパクト産駒のレッドオーヴァル軸。そこからまたしてもモレイラさん騎乗のエポワス、出室さんも頑張れ!スギノエンデバー、ティーハーフ、なおすけのローブティサージュ、オメガヴァンデッタ、レンイングランド、トーホウマポーラを3連複流し!牝馬激戦ハイペースと見ていましたが、1着はウキヨノカゼー!あら、女の子だった!なんで買わなかったのかなー!(涙)スポ紙!印が甘いぞ~~(ひとのせいにしてはいけません)。

12Rは無理やり余裕を持った振りをしてバイガエシから。頼むからお金返してくれー!八木オーナーお元気でしょうか?タガノエンブレム、馬主席で松本オーナーをお見かけしたのでメイショウテッサイ、オールステイで3連単ボックス。思いっ切り勝負を挑んで、突っ込んできたのはなんと女性騎手のターナーさん!

あーーー!

ここで『男の世界で頑張る女』という春菜さんから続くキーワード、オカルト馬券がきたかー!なぜそれが読めなかったのか、自分で自分を呪いたくなりました。1回死んじまえワタシ!

そんなこんなで楽しいオケラ競馬は終わりました。残すは来月の5日と6日の2日間。うそのように短い札幌開催ですが、最後までいっぱい食べて、いっぱい賭けよう。やがて来る冬眠に備えなきゃ。

帰り道に立ち寄った焼き鳥屋で、美人女将の優しい笑顔を見ながら

「1週間は5日くらいでいいし、1日は30時間くらいあれば、生きるのにラクなのにね」

札幌開催も2か月マックスであったらどんなにいいだろうかー。

2015年08月24日

札幌記念ゆる回顧。

何度「みかんのあぶり出し」を試みても、今年は「凱旋門賞前哨戦」という文字が浮かび上がらない第51回札幌記念は、ルージュバック回避の影響をまともに喰らわず、そうはいってもやっぱりか!と思わせる大混雑の中で行われた。

まずはパドック。

尾花栗毛がひときわ目をひく美しい菊花賞馬トーホウジャッカルの尻尾が、夏の終わりを諦めきれない力強い日の光に照らされて眩しい。スペシャルウィーク産駒らしく、スリムな馬体は1番人気。強い馬が当たり前に強いレースをファンは熱望していた。

そして私の軸馬ラキシス。

脚もとの馬装やゆったりとした歩き方で、私はどうしても名牝ウオッカを思い出さずにいられない。

牝馬の夏とだいうのに、札幌の高い空に早くも2匹とんぼ(つながったやつ)が飛んでいた。

ちょっとー、そういうの、明日からにしてくんないかなー!ラキシスが見たらどうすんのよ!

穴馬探しに苦労した。

知人がヤマカツエースをワイドに入れるという。山勝?てへへ、これは絶好のオカルト馬券!入れましょう、気持ちよく!

とまーーれ~!が聞こえて、馬体重増減なしのディサイファに、ぴょこんと乗り込んだ小さなシイ騎手がさらに小さく見える。馬が大きくみせるということは、よほど調子がいいのだろうと馬券に投入。

この4頭の3連単ボックスで決定でござい~。

スタート後はハナに立ったトウケイヘイローのペースに持ち込まれる。追走しているのは人気馬2頭とディサイファで、もうこの際、ヤマカっちゃんの行方はどうでもよくなった最後の直線。

そのヤマカツエースが追い込んでくるわ、ジャッカルとラキシスは見えなくなるわ、いつの間にか、何を思ったか(失礼)ヒットザターゲットがあわや差し切ったか!と思わせるゴール前!

血みどろになりながらも、雑踏の中から競馬界の重要なエリアを覗けば、小島師がものすごくニヤニヤしているのが見えて昇天。やられたー。

優勝はディサイファ。そんなに差のないアタマ差でヒットザターゲットが2着。4番人気のダービーフィズが3着で、今年の札幌記念は馬連でも万馬券、3連単は23万越えの「小島祭り」という結果に。

狭いキャパで、混めばたちまち歩きづらくなる札幌競馬場において、ついに会えなかった女流馬券師リエちゃん、取ったでしょうか。

しかし、札幌のG2に、典さんが乗らないこのテンションの上がらなさと馬券の散り具合は悲惨なもので、完全オケラ街道を友人とふたり、帯広ばんえいショップで買った豚丼味のおかきを食べながら、

「私ら今、どこ歩いてんだろうね?」・・・いい年をして43年ぶり3回目の迷子!!!!

結局、競馬場から札幌駅までトボトボ歩くというアスリートな事件に。おかげで今朝はハコウした脚にシップを貼りまくっております。

さてさて、今日から馬産地静内では、サマーセールがスタート。

ライブ配信がはじまりました。

せり開始は12時あたりなので、今日は中継を見ながら脚の療養をしまーす!

http://live.jbis.or.jp

2015年08月17日

希望をつなぐ。

牧草ロールがあちこちで転がりだして、夏の終わりも近いなぁとつぶやきながらクルマで通り過ぎ、札幌に居ながらそんな風景に囲まれて暮らしていることを、ちょっぴり贅沢に思った。

実はアレ、牧草ロール。ものすごーーく重いんですよ。

子どもの頃、いたずらしてやれ!と、友だち何人かで動かそうとしたが微動だにしない。穿くって、穴を開けてやろうとしても固くて無理。キックしたり登ったり、様々な技をかけてロールと格闘しても平気な顔をしていた。ヤツは本当に強かったなぁ。

そしてある朝突然、たくさんあったロールが忽然と消えているのをみて、「なんだ、弱いじゃん…」と寂しさを隠しきれない辛口を叩く由香少年。幼いながらも、このデカイやつは、牛や馬の食べ物であるということを、うすうす知っての悪行でした。どうりで馬券が当たらないはずだ。

先週の競馬は、日本全国お盆週間ということもあり、この時期の殺生はいけないとする意味で野菜ばかりを食べながら、生まれてから1度たりと欠かしたことのないお墓参りで買い目の検討が落ち着かず。ご先祖さま等が、そこら辺にうろうろしていると思うと、何か嫌な感じ。

3つある人格のひとつ「なるべくよいこにする」モードを作動させてみたものの、あっけなく故障。

16日の札幌メイクデビューを走るアラバスター(父ハービンジャー、母レーヴディソール)に力強いフラグが!すっかり秋めいてきた札幌の風になびくなびく。守るも攻めるも黒鉄の~…。ん?妙なマーチが流れ出した。フィリピン沖で戦死した弘おじさんまで来ているのか。

ってなことで、応援馬券の王道である単勝を1000円購入。複勝なしの勇ましい馬券になりました!

アラバスター。馬名の意味は和名で雪花石膏(せっかせっこう)という彫刻に使う純白の石。真珠のように艶やかでやわらかく扱いやすいその石は、芸術家にとても好まれている。

そこまで調べて、何かちょっとほっとしたのは、彼の名前に「レーヴ」がついていないことだった。

母レーヴディソールは、阪神JFなどを勝って活躍し、「女ディープインパクト」と呼ばれるほど期待の牝馬だった。ただ、彼女の母レーヴドスカーの産駒は、どういうわけなのか、何度も素質馬が出るものの、夢の途中で恐ろしい現実(怪我や病気など)に引き戻されてしまうことが多く、ディソールもこれからという時に骨折をしてしまい、早めの引退となってしまった。その時の私のショックといったら、ない。本当に悔しかったし、もういい加減にしてほしかった(この一族に試練を与える神様にですよ)。

たまたまだと言えばそれまでだけど、祖母から受け継ぐ「レーヴ」がついた馬たちの不運を知ると、アラバスターの馬名は憑き物が取れたようなしなやかさがあって嬉しい。私が何か失敗するとよく言われた「親の因果が子にたたり」って、まだ死んでない、棺桶に片脚入れた養父の口癖まで思い出してしまったが、私と棺桶氏には血縁関係がなくてよかったと思っている(笑)

ヤマニンアラバスタがいたおかげで、しばらく牝馬かと思ってたけど、いい名前で~す。

さぁ、希望がつながった。アラバスター。

菱田騎手もしっかり攻めの乗り方をしてくれて、このまま乗りかわりなくコンビを組んで一緒に成長していってもらいたいがどうなりますか。まだあどけない走り方は、あなたのママもそうでしたね。次走は9月の札幌2歳ステークスを目指すらしい?やや!これは、うまくすると、もう1頭の注目馬アドマイヤエイカンとガチンコ勝負に?

今週はお待ちかねの札幌記念。注目は何と言っても菊花賞馬トーホウジャッカル。キズナを破って大阪杯優勝のラキシス嬢も参戦。ルージュバックの回避は残念だけど、メンツはいい具合に揃ってます!

0001093243_1 アラバスターの母レーヴディソール

2015年08月10日

愛さずにいられない。

JBIS競馬女子部に参加することになってから、毎週月曜日の更新に何を書こうか、競馬に関することなら何でもいいと言われていても、そこはどうしてとりあえず、当たり障りのないネタを…なんて守りに入っていた私だが。

まさか、この日が来るとは――――!

ハイ、ここまで、いつもより短めの前置きで、今日のお題に察しがついた上坂由香ファンの方(いるのか?)も多いことでしょう。

ペルゥ@ーーーーーーーーーーサァ~~~!(巻き舌でお願いします)

この男、ついにやりました。しかもオープン戦というGの付かない中途半端な札幌の舞台でー!

長かった重労働である種付けシーズンも終わり、やれやれと言いながら渋茶をすすっていたゼンノロブロイ父ちゃんも、吉報をきいて思いっきりお茶を吹きだすペルーサの快挙!

「なに!ぺぺぺ…ペルーサだとぅー!」

8月8日に行われた札幌日経オープン(芝2600m)。

「ちゃんと出るか、出ないのか」

どこぞの芦毛と似たような問題を抱えたスタートがみごとに決まった5番人気のペルーサ。

その後のポジション取りに腹案のあったルメールさんは1周目付近で前にいた2番人気のタマモベストプレイをかわしてハナに立たせ、そのまま逃げ切り勝ちでレコードの赤文字点灯!

5年3か月ぶりの勝利は、JRA職員も椅子をひっくり返す勢いで、慌ててデーターベースに記録するという素晴らしいオマケつきです。

先週のアイビスサマーダッシュで、栗毛の美しいベルカント嬢が1年5か月ぶりの復活勝利をあげたお知らせに気をよくしたのか、はたまた、凡走だらけにもかかわらず、不思議と人気になるおのれの眠たそうな脚をみつめて、いい加減、根性焼きでもせねばなるまいか?と「…思っただけ笑!」だったのか。

とにかく、ペルーサは札幌でいいところをみせてくれた。競馬場も大いに沸いたことだろう。あー!肉眼でみたかったなー!

5年以上も勝ち鞍がなく、苦肉の策とばかりに戦術を変え、逃げて逃げ切るというペルーサらしからぬ勝利に、「感動の復活!」や「涙の歓喜」などといった重苦しいサブタイトルは似合わないようで、私はほんの少し涙腺が緩んだものの、やはり最後は、手を叩いて笑顔になっていた。

何考えてるかわからない、いちいち面倒くさい、ひと癖もフタ癖もある男って、時々ひょっこりかわいい顔をしたりするから愛さずにいられなくなる。

さらにいうと、「今まで辛抱強く頑張ってきた」なんてのは、ペルーサの場合に限って、陣営の関係各位や、馬券を買い続けたファンの辛抱を差すのであり、彼自身は、今まで楽しく競馬を走っていたにすぎないのである。薄暗いものが一切横たわっていないのが、ペルーサのいいところですね。

すこぶる調子がよさそうな8歳の馬を目の前にして、この勢いのまま次走は札幌記念だったら嬉しいなと思いきや、ここは心優しい藤沢師。「中1週はつらいだろうから」と、秋に照準を合わせた模様。古くはホクトベガ、エリモシックなど、それをやってのけた牝馬がいることから、わからぬ男ペルーサも、ひょっとして?と思ったのは、私だけでしょうか。

茶を入れ直し、ふたたびすすりだしたロブロイ父ちゃんも「ルルくん(ルルーシュ)はアカンが、ペルーサは行ってよし!」なんて、ぶつぶつ言ってたりして。

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たまらなく強い競走馬もいれば、ペルーサもいる。

私はそんな競馬界がやっぱり好きだナー。

2015年08月03日

札幌競馬はじまりました!

8月1日土曜日。

ころころと変わる空模様で心配された札幌開催でしたが、当日の朝はスッキリと晴れ渡り、ねっとりとお肌にからみついて離れなかった湿度もクリア!最高の競馬場日和になりました。

馬たちが元気よく出したあとの、フレッシュなボロの香りを乗せた夏色の風が、芝の上をすべるように吹き抜けていきます。競馬場に着くなり、まずは恒例の「走る馬がみたい~!」。

外ラチを、がぶりよつで抱きかかえ待ち構えていると、4コーナーのはるか遠くから、返し馬が1頭やってきました。

ドドドン…ドドドン…ドドドン…ドドドン…。。骨の髄まで到達する、競走馬でしか出せないこの独特な地響き!それと同時に聞こえてくるブーフ…ブーフ…ブーフ…。。命の塊が、走りながら奏でる血流と呼吸音の大迫力!

テレビでで見ていた「お茶の間ケイバ」が、競馬のすべてであると思い込んでいた脳みそに一撃。バーチャルリアリティーの壁を木端微塵にぶち壊していきました。この1年ぶりの破壊によって、競馬の手触りを取り戻せた気がします。やっぱり競馬場はイイナー!

『生きた馬を肉眼で見る・聞く』

洗礼ともいえるこの儀式を終えて、私の短くも熱い夏がいよいよはじまりました。

今日はへなちょこカメラで撮った写真を多めにご紹介します。

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道内はもとより、日本各地からたくさんのお客さんが集まりました。この写真は午前中の1枚。メインレースの時は、隙間なくぎゅうぎゅう詰めになって、凱旋門賞前哨戦(←これが言いたい)札幌記念かと思いましたよ。「1年ぶり!お元気でしたか!」毎年、ここで会う顔見知りさんたちとの挨拶もうれしいですね。馬券を含め、いろんな安否確認に余念がありません。この日はもうひとり、「馬が好きで来ちゃいました」というご婦人とお友だちになりました。

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京王杯を制したマイネルレーニアの誘導馬姿。話題の新種牡馬ドリームジャーニーと同期です。今年も元気に先導していました。最近では『誘導馬ファン』も多く、引退後に再就職できた馬たちの幸運に目を細めて見つめていました。

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競馬場の中でも「一番いい匂い」のするパドック。ここをくるくる歩いて、本番は右回り。地球の生き物は時計と反対がまわりやすいって聞きましたがホントかな。馬もひとも、汗をかく一歩手前のさわやかな気温に落ち着いていたようです。

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イケメンさんがやってきました!「みんなのルメール、私の典さん」パドックから『はなみち』を通ってゆっくりとコースへ。満面の笑みを浮かべて典さんに小さく手を振ってみたところ「チッ!またお前か!」キャー!…クールな一瞥はすこぶる快調!今日も健在!どんなに冷たくされたって、去年より今年。またあなたをよりいっそう好きになりました(やめとけ)。

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各競馬場それぞれが地方の特色を演出するゴール板。今年の『SAPPORO』はお花が飾られていました。…あらら典さん、何着だ?私が典弘馬券を買うと来ない、買わないと来る、みたいなイヤガラセはいつものことです。

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調整ルームからとことこやって来たルメールさんが、愛情たっぷりにファンサービス中。透き通るような白い肌と赤い花のコントラストにうっとりした瞬間。美しい騎手を肉眼で愛でることができるのも、競馬場の醍醐味ですね。

日頃の労働で無理やり捻出した種銭を握りしめ、各競馬場の様子をモニターで十分にケンをした後『本日の極上出目』を作りだし、さてさてゆくぞ!と息巻いて打った札幌10R羊が丘特別は、6番ウォーターラボから5頭流してドボン。典さん、どうした。昨夜は呑み過ぎか?

気を取り直して11RのTVh賞は、3番ケイアイチョウサンから7頭流してドボン。

もうアカンと最終レースの阿寒湖特別に至っては、半ば意地になって典さん騎乗の3番パッショネイトランから張りたかったものの、周りから「もうやめろ」と羽交い絞めにあい、それならばとルメールさんの7番シャンパーニュから行ってみたのにドボン。

随分と今日は真水に飛び込む日だなーと思いつつ、愛する故郷サッポロに見切りをつけて挑んだ新潟競馬場最終レース。

5番のフィラーレから、12、13、15と流したところ、軸をぶっとばしてヒモが全頭そろってやってくるという大参事。

ひとっつも当たらなーい!!!

同伴していた女流馬券師もオケラ、競馬場の近所に住んでる桑園氏がひとレース当てたくらいで、ほとんどみんな天下のJRA様にたっぷりと預金!満期のお知らせは今世紀中にくるのか、開幕日からドス黒い暗雲が立ち込めてまいりました。

2015年札幌競馬場重賞スケジュールは、16日のエルムステークス、23日は札幌記念、30日はキーンランドカップ、9月5日は札幌2歳ステークスのフルラインナップになっております。

今年も豪華なゲスト(柔道銀メダリストの篠原信一さんなど)をむかえ、もいわテラスではビアガーデン、札幌競馬場ラーメン祭り、アンダルシアンのホースダンスショー、北海道のゆるキャラが何かするらしい…などなど、たくさんの楽しいイベントも盛りだくさんですよ~。

開催中の週末は、札幌競馬場にぜひお越しくださいませ!

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JBBAからのお知らせです。

●8月24日(月)~27日(木)サマーセールが行われます。

ライブ配信はコチラからどうぞ→http://live.jbis.or.jp/

上坂由香

出身地
北海道札幌市
職種
エッセイスト

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