桜前線が「秋田県あたりまで来た」という知らせよりも、私にとって「もっと待ちに待ったもの!」と言えば、昨日4月24日開幕になった『ホッカイドウ競馬:門別グランシャリオ』。気温は低く、小雨も混じり肌寒さを通り越して「寒い!」の連呼になった門別競馬場に行ってまいりました。
初日から楽しみだったのは、第6レース「日本一早い2歳新馬戦スーパーフレッシュチャレンジ(門別1200m)」。
なんたって2歳で競走馬になったというエリート集団!?かなりレアなレースであることは間違いなさそうです。
つい先日、安平町をめぐって見学してきた1歳馬はこれ!
まだ、な~~んにも考えちゃいない。
野性馬のように、一斉に駆け出したかと思うと、今度は泥の上でゴロリ。
あとは、ようやく芽吹いた青草を食べるのが必死で呼んでも来ない。
ヤンチャな子どもたちの頭絡には、両親の名前が書いてありました。
「あなたのお父ちゃんはハービンジャー?そしてこっちの仔はディープインパクト!」
・・・私より、はるかに立派なお父ちゃんをお持ちで。御見それしました!
このあどけない顔をした1歳から、わずかな月日を経て、馬から競走馬になってゆくのですね。JRAのCMエマズウィッシュを思い出してしまいました
さあ、ようやく2歳新馬スーパーフレッシュチャレンジのパドック写真!
自分の名前が書かれた緑色のゼッケンも誇らしく、落ち着いて周回していきます。
どうです、この成長力!毎日、草的なものしか食べていないのに、こんなに大きくなるなんて。馬ってすごいですね。
新馬戦はレースのデータがないので、お父ちゃんの看板を頼りに馬券を買うことにしました。
5番ダマスクインゴット。栗毛の牡馬。父はドバイワールドC優勝馬のロージズインメイ。先日行われた高松宮記念で、世界一のスプリンターに君臨しているロードカナロアの2着につけたドリームバレンチノのお父ちゃん。何だか猛烈にスピードがありそうです。買い!
7番コパノブルックリン。鹿毛の牡馬。父は泣く子も黙る日本のダービー馬メイショウサムソン。父名にサムソンの名前が出てくるのがとても新鮮で嬉しくなりました。スタミナと粘りの競馬で定評のあった父ちゃんの息子なら面白い。もちろん買い!
普段、100円玉を握りしめて、ホカホカに熱くなった小銭競馬をしている私にしては、大判振る舞いの馬連1000円!開幕日は、気持ちも財布も壊れがちですが、目の前で生の競馬を観戦できる喜びの方が断然勝るのです
私だけじゃありません。競馬場に訪れたファンの皆さんも、閉ざされた長い冬を耐え忍んで、ようやく迎えた春を満喫するように、大きくなった2歳の若馬をにっこりと愛でていました
中には「おらが馬」。生産牧場や育成牧場の方々や、それら一連に携わる関係者の晴れやかな笑顔も咲いていますここから「強い2歳馬」が出て、やがて全国に羽ばたいていく夢が、このレースにはたっぷりと詰め込まれているのですね。やっぱり「現場」はいい!札幌から高速を飛ばして1時間半。おまわりさんに気をつけながら爆走してきた甲斐がありました。
若馬たちへ力水を与えるようにファンファーレが鳴ります。ゲートを嫌がる馬はいません。スーパーフレッシュチャレンジのスタートです!1頭除外で8頭立てになった馬群は力強く門別の砂をとらえ、前5頭、後方3頭にわかれながら、ハナに立つ青鹿毛の馬体が美しいアイアンガール(父ワイルドラッシュ)を追走します。門別競馬最大の特徴として筆頭にあげなくてはならないのが「逃げ切り勝ち」の多さ。このレースも例外ではなかったようで、そのままゴール。勝ち馬は女の子。見逃していました。牝馬はこういう時、何が何でも意地になってくることがありますよね。成長力と競走馬としての気持ちの入り具合が、牡馬たちより少しだけ早い気がするのは私だけでしょうか。1200mならなおさら牝馬に注目すべきでした
そんなこんなで、開幕一番のお楽しみレース馬券はみごとに玉砕してしまいましたが、日本一「馬とファンの距離が近い」門別競馬場。どこに行ってもすぐ手が届きそうなところに競走馬がいてくれて、その臨場感は他の競馬場では味わえないと思います。意識的に作られた高い垣根も神々しい隔たりも何もなく、馬産地ならではの大らかさが施設のあちこちに散りばめられて、地方色がよりよい方向で成功した競馬場なんですね!
今年は札幌競馬場が改修工事のためおやすみということもあり、何かにつけ門別競馬場に行くことになりそうです