今回は阪神競馬場から、こんにちは。
帰りの飛行機内で記事を書いています。
これまで何度も取材していた3頭の宝塚記念への出走が決まり、この目と心に勇姿を焼きつけるべく阪神競馬場へ向かいました。
タイトルホルダーの存在を知ったのは、2020年初秋にひだかうまキッズ探検隊の子ども達とメロディーレーンが対面した時でした。
「この馬の弟が、来月デビューするんだよ。なかなかよい馬じゃないかなと思っているから、みんなに応援してほしいなぁ。」
岡田牧雄氏が終わりにポツリと呟いていた馬が、後に中長距離のG1をを制するなどいう想像は膨らまず…。
それよりも夏休みを故郷で過ごすメロディーレーンがとにかく可愛過ぎて、私も子ども達も彼女の方に夢中でした。
そして、弥生賞を制し、故郷で夏休みを過ごすためにタイトルホルダーが帰省。
すぐに岡田スタッド様に頼み込み、うまキッズの子ども達との対面を実現することが出来ました。
対面前には母メーヴェに会いに行き、顔の特徴をみんなでスケッチ。
タイトルホルダーは、初めて見るであろう子ども達を「なんだ、なんだ?!」という表情で見ているようでした。
「この馬は今度菊花賞に出るからみんなに応援してほしいな。」と、子ども達に語りかける岡田牧雄氏。
そして、その後に菊花賞を勝利。
子ども達と私の中では、タイトルホルダーの存在はどんどん大きくなりました。
今春新ひだか町では、新ひだかトレジャーホースカードがスタート。
事業に関わらせて頂き、撮影した写真を静内エクリプスホテルに巨大幕にして飾りました。
ちょうどその頃に走った日経賞。
本調子ではなかったものの、何とか勝利を収めました。
「天皇賞春が本番だけど、底力を見せてくれて本当に偉い馬だよ。どんなレースでも負けない馬がやっぱり強いんだよね。」と、電話口で岡田牧雄氏が応えてくれた言葉が今でも耳に残っています。
そして、迎えた天皇賞春。
メロディーレーンとの共演が話題に。
7馬身差をつけ、長距離では敵なし!の圧倒的な強さを見せつけました。
「長距離では間違いなく一番強い馬になった。けど、将来的な種牡馬としての馬生を考えると2000m台のG1を勝ってほしい。凱旋門賞には登録しているけど、宝塚記念で勝たないと行かせられないかな・・・・・・。」
凱旋門賞に注目は集まっていましたが、あくまでも目標は中距離G1でした。
今回の宝塚記念ファン投票では第1位に!
年度代表馬と逃げ馬との対決、更に姉弟の最共演で大きな話題になりました。
レース数日前、3頭について岡田牧雄氏に伺いました。
マスコミや関連誌でレース展開や予想は数多く取り上げられていたので、『レース前、馬にひと声かけるとしたら?』という質問をしました。
「何があるか分からないのが競馬。そして、負けて強くなっていくのが競馬。あまり勝ち負けを意識し過ぎなくてよいけど、一番強いと思っているよ。だから、気持ちよく走っておいで。」
当日阪神競馬場で見たタイトルホルダーの走りは、成長しか感じられませんでした。
そして、3着にデアリングタクトが入着しているのを確認した瞬間、一気に感動が押し寄せて思わず涙。
レースの余韻と人の多さと暑さに圧倒され、17時前まで中々動けず。
「牧雄さんは、今どう思っているかな・・・」と気になってしまい、競馬場から電話をしてしまいました。
まずは現地観戦した私を気遣うお言葉をかけて下さいました。
そしてレースの感想を伺うと、いつものようにすらすらと話し出さなかったことに少し驚きました。
「前半の時計が早すぎてね・・・、そんなに追いかけるなよと思った。正直かなり不安だったよ。コーナーで並びかけるに手こずっているようにも見えたし。でも直線に入ってからは安心して見ていられた。うちの馬の育て方について、のびしろに関しては自信を持っているけど、タイトルホルダーは自分の想像をはるかに越えた成長力。もう驚きしかないよ。」
どんどん進化していく生産馬への驚きと、鳴りやまない電話に対応して少々疲れていたのかもしれません。
岡田スタッドのスタッフの方々が現地に駆けつけていましたが、携わった皆さんが晴れ姿を間近で応援する姿に、一人ジーンとしてしまいました。
きっと牧雄さんも現地に駆けつけていたら、口取りの際にタイトルホルダーに話しかけていたはずです。
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