7月26日。かねてよりこのお祭りに行くことが念願だった私の夢ついにが叶いました!
国指定重要無形民俗文化財である【福島県相馬野馬追】\(^^)/
1000年以上続いているといわれている伝統のお祭りです。
『思いたったら吉日』をモットーに今まで生きてきた私ですが、「思い立っても行けない。近いようでとても遠い福島県」にしてしまったのは、3年前の東日本大震災。未だ復興中ということでなかなか宿がとれず見送る年が続きましたが、今年は泊まれるホテルを1泊だけ予約することができてようやく行ってまいりました。
新千歳空港から8時のフライトで仙台空港に飛び、そこからレンタカーをぶっ飛ばし50分で福島県相馬入り(普通の運転ですと1時間半はかかりますのでご注意ください)。10時頃でした。市内のある地点で、中村神社の禰宜である田代麻紗美さんと待ち合わせです。この日の福島県は、私の長い人生で初めてだと思われる灼熱地獄!!(36度くらい?)気が狂いそうになるくらい暑くて倒れそうでしたが、地元のおばあちゃんたちと「札幌から来たんですよ~…あはは!暑いですねー!(涙)」などと話しながら必死に耐えていると…
やってきました!「お繰り出し」と呼ばれる総大将の出陣の儀式を終えて鹿島地区へ向かう騎馬行列の大群!地平線(田んぼ)の彼方まで、ものすごい長さに連なっていました。
お行列の最後方に中村神社禰宜の田代さんを発見!田代さんも私を発見!ひゃ~♪お美しい。「さぁ、行きましょう!」声までお美しいのでウットリしてしまい、あ~、写真が…。ここから私もお行列に参加して一緒に歩きました。
禰宜が乗る馬はバチェラー(父マンハッタンカフェ)というとても大きな馬。暑さのせいかうるさくなって、手綱を持つ手も大変そうです。田代さんも慣れたもので、うるさくなるたび何度も巻き乗りをくりかえしながらうまく馬をなだめて歩いていました。
こちらは今年の主役であり田代さんの愛馬インプレッシヴデイ(父アポインテッドデイ)。現役時代、武豊やスミヨンも騎乗し、昨年の暮れに引退したばかりの元競走馬。1日目に行われる「宵乗り」と2日目の「甲冑競馬」に出走します。
祭場地手前の休憩所で、皆さんに勧められるがままインプに乗ってしまいました。スタッフの方に「自由に乗ってていいよ」と言われましたが、私の不手際でよもやの放馬!なんてことになっては大変なので、何とか頼みこんで引き馬にしてもらい、しばらく一緒に歩きました。宵乗り競馬のウォーミングアップになったでしょうか?馬が小さくみえますが、この日の私はいつもより多めにデカクなっていたようで…。
休憩所の前を中ノ郷勢のお行列がやってきました。沿道にあるガソリンスタンドでは、馬たちのために水を用意しています。「通気性」なんて言葉がなかった時代に作られた古い伝統の武具や馬具は本当に暑そうですし、とても重たそうでした。ひとも馬も耐久戦の始まりです。
主役がそろいました。宵乗りと甲冑競馬の騎手である泉さん。素晴らしい乗り味だと馬を褒め「今年は勝ちたい」と抱負を語ってくれました。すでに汗だくの人馬です。
相馬野馬追のハイライトは2日目。450騎の騎馬武者が太田神社、小高神社、中村神社の順で雲雀が原に集結します。陣太鼓や法螺貝の音が観客の緊張を高め、お祭りの雰囲気は文句なし。開門時に武者同士の小競り合い(本気)もたびたび起きて、しきたりを重んじる武家の厳しさを垣間見ました。
それにしても皆さん、馬乗りが本当にうまい!けっして広いとは言えない道の両側にびっしりと観客がいる中で、突然暴れる馬を巧みに操り、時には駆歩で見回りに逆走していく姿は圧巻!といいますか、とにかく大声で何事かを叫ぶので、馬の突発的な動きはもちろん、見ている方もハラハラ。はっきり言って怖かったです。
↑こんなかわいいおちびちゃんサムライも。
甲冑競馬の様子。へなちょこカメラで大変申し訳ない写真ですが、ものすごい迫力に呆然と立ちすくみ、しばし優雅なタイムトリップを楽しんでいたところ、後ろのおじさんに座れ!と怒られました。
甲冑競馬に向かうインプレッシヴデイに跨った泉さんに鞭を手渡した時、戦(いくさ)に行く息子を送り出すような気持ちに。結果は2着。激しく悔やむ泉さんが本当の武士に見えました。お祭りといえども、バカみたいに酒ばかり飲んでるお祭り気分のひとはひとりもいません。私も終始緊張しっぱなし。滝汗が止まりませんでした。
神旗争奪戦の様子。打ち上げ花火に仕込まれた神旗を奪い合う姿はまさに戦闘。この日は風が強く、何度も神旗が流されるアクシデントに本陣から激しい怒号も。花火組も必死です。私の野馬追観戦もここで終了。夕方のフライトにあわせて名残惜しく仙台空港に向かいました。
野馬追は相馬氏の遠祖とされる平将門が行った軍事演習の応用からはじまったといわれています。3日目の今日は小高神社で行われる野馬懸(のまがけ)があります。野馬を捕らえ、神馬として奉納する神事。「これをみなきゃ本当はダメなんだけどな」と、以前知人に言われたことがありますが、なんせ宿がない。野宿するわけにもいかず帰ってきてしまいました。
野馬追というお祭りは、厳かな神事であることはもちろん、日本一の数が揃う騎馬武者の迫力に感動しますが、現在ではお互いに異質で相容れないような「神」と「戦」の一体化が新鮮に映りました。自国を守るために、男と馬は命をかける。ヘルメットもプロテクターも安全靴もない状態で身を投じる勇気。ジャパニーズ・サムライは、ここ福島に現存していました。
暑い中でも頑張った野馬追の馬たちは、そのほとんどが元競走馬。
この日のために各ご家庭が大切に繋養していると田代さんに伺いました。震災で馬を失った方も多く、まだまだ頭数が足りないそうですが、お祭り全体を見渡して、野馬追の後継者といえる若者や子どもたちが多いのが印象的で安心しました。。福島の子どもたちは本当にたくましいし馬乗りがうまい。小学生でもバンバン乗りまわしています。
禰宜の田代さんのご主人は今年の野馬追ガイドブックの写真に何枚も登場している馬乗りの達人。「乗り方は代々、先輩から後輩に受け継がれています」。ブリティッシュ、ウエスタン、そして伝統的な『ノマオイ』スタイルも文化財といえますね!
地元を愛する心やサムライ精神がギュっと凝縮されたようなお祭り。それが私のみた相馬野馬追です。さすが1000年続くはずですよ。平和ボケした身体がキリッと更生されました。
北海道にも野馬追みたいなお祭りがほしいですね。今からどうでしょうか?福島に1000年ほど水をあけられることになりますが、ないよりあるほうがいいと思います!
僕もいつかは行ってみたいです(〃'▽'〃)
ひろきち 2015-01-06 23:27:03
初めてまして。私、坂口厩舎のインプレッシヴデイの担当者でした(^^)愛馬が引退した後、神社に遣えていると聞いていたのですが、自分の元から離れた馬を追い続けるのは辛いことも多々あるので、うやむやにしてました。しかし、この投稿を見て、ハートにまた火がついて、いてもたってもいられなくなりました。インプレッシヴは元気にしてましたか?去勢はされてましたか?愛嬌たっぷりでしたか?よければメールを頂けると幸いです。消息がわかり、写真を見ることが出来ただけでも涙です。。ありがとうございましたヾ(o´∀`o)ノ
再びひろきちです 2015-01-06 23:35:13