第152回(すごい歴史!)天皇賞・秋(東京芝2000m)は、1番人気のラブリーデイ(父キングカメハメハ)が、文句のつけどころがない最高のレース運びで優勝しました!
今年の秋天は、有利といわれている毎日王冠組からコワモテの逃げ馬エイシンヒカリ、枠もよく、調子を上げてきたディサイファ、前走は6着だけど最速の上りを披露したアンビシャス、ダービー3着サトノクラウン、夏の札幌で元気を取り戻したペルーサ、秋華賞馬のショウナンパンドラ、皐月賞馬のイスラボニータ、連覇はあるのか秋天馬スピルバーグなどなど、秋の大舞台に古馬第一級クラスが惜しげもなく出走。先週の菊花賞同様の激戦ムードになりました。
先週の菊花賞同様、頭の痛くなるような難しさの中で、格式高い天皇賞馬にもっともふさわしい馬は誰なのか、馬柱を見ると…いました!ど真ん中に、たった1頭、王様から生まれたラブリーデイ!
春先は目の上のタンコブ、いちいち目障りな芦毛の怪物にこてんぱんにされたラブリさん。
秋はそうはいかないとばかりの1番人気。ようやくほっとしたのもつかの間で、顔をあたりからじわじわ白くなってきたもう1頭のエア芦毛エイシンヒカリが2番人気で隣のゲート。一番近寄りたくない方の危険な馬と目を合わさないように、息をひそめ細心の注意をはらっていたことでしょう。
スタートは逃げると思われていたヒカリが逃げ切れず、ハナに立ったクラレントの2番手に甘んじるという大波乱!逃げ馬が逃げないだけで、どうしてこんなにガッカリするのでしょうか。路線バスのごとく、3速発進でもしたような重苦しさが馬体の中に横たわっているような感じも。ユタカはギアを入れ間違えたのでしょうか。
私はここで、あー、もうヒカリはないなと、いきなり安心して応援馬のアンビシャスを見ると、こちらは盛大にかかりまくり!くぅー!あんたもそれをどうにかしないと、この先やってけませんよー!
有力どころが先団を形成して、最後のコーナーを大外から典センヌが勢いをつけてまわってきたものの、坂のあたりでごちゃついて、さぁさぁ追い込み勢はどないなっとるのやと思いきや、ここは順当に前目にいたラブリさんが、当たり前のようにさっと抜けて危なげなし。そのまますーっとゴール。
金子さんチの馬は、みんな品がよいというのか、「競馬はこうやって走りましょうね」みたいな、正統派の馬が本当に多いなぁと感心しました。
地味に一番折り合いのついていた10番人気のステファノスがいい脚で伸びてきて、ボニ太をかわしての2着。⑧-⑭-⑯という、フタを開ければ「枠、関係ないじゃん!」という、ある意味、裏切りの結果に。そろそろスポ紙の皆さまには謝罪してもらいましょうかね(笑)
私の馬券はラブリ軸にしてたっぷり保険をかけた馬連でしたが、上から6着までキッチリ入れていたにもかかわらず、ステファノスだけが買えずに玉砕。安定のオケラです。
それにしても浜中騎手ですよ。無駄な動きがなく安定していますね。誰よりもうまく乗ったからこそ、レース中はまったく目立たないという最高の騎乗をしてくれました。勝った瞬間、喜びを爆発させてラブリの上で仁王立ちです。
競馬場には短期休業中の川田騎手もいたというので、これは恐喝という素敵なアドバイスをもらっていたはずですが、強い馬というものは、誰が乗っても強いということでしょう。
ラブリーデイ5歳。古馬になってから風格も出てきて、静かな余裕も感じられます。今まで大きなケガもなく、常に第一線で活躍してくれる馬がいてくれるからこそ、日本競馬は盛り上がり、ファンはさみしい思いをしなくて済みますね。
次走は今月末のジャパンカップを予定。ここには牝馬2冠を制したミッキークイーンの参戦が決まり、いよいよ駒がそろいだしました。楽しみですね!
そしてペルーサ。8歳にして、なおも少年の心を保ったままの名馬は、2、3番人気馬を抑えて堂々の7着。上りはラブリさんより速い時計で、元気のよい追い上げを見せてくれました。
もう1回くらい元アンカツさんが乗ってくれれば、いい夢をみられる馬なんだけどなーなんてバカな顔をしていたら、藤沢師より「ようやく競馬をおぼえてきた」という驚愕の事実が判明!これはペルーサを愛する師のリップサービスだとしても、ラテンの血を持つ彼には、私たちが一生かかってもわからない南半球系の時差があるのでしょう。本当にそんな感じがしてくるから不思議です。
有馬に出たい?あー、やっぱりもう1体、アンカツさんがほしいところだなぁ。