競馬をしていると、週単位で物事が進むせいか、1年なんてあっという間だし、半年なんて3か月くらいしか実質ないんじゃない?と思ってしまう。
つい先日、雪が解けて春になり、北海道のくせに内地(道産子は本州をこう呼ぶ)のマネなんかして雨降りが続いた。今も、昼間の一瞬20度くらいにはなるけれど、あとの時間は恐ろしく寒い。
それでもやって来る中央競馬上半期のシメ宝塚記念!(阪神・芝2200m)は、前日まで関西地方を襲ったゲリラ豪雨明け。たまたま土曜日に、関西の友人と電話で話ていたこともあり、受話器口から聞こえる雨音で、その激しさが伝わっていた。重馬場に私のアンビシャス(父ディープインパクト)は対応できるのだろうか~…なんて、話をしながらチラチラ思ったりなんかして。
宝塚記念の当日。たいていお祭りの日は晴れるというが、阪神競馬場の雨は上がり、馬場も少し乾いて稍重になっていた。そう、宝塚記念は、有馬記念に続くお祭り競馬。生きるか死ぬかを賭けて予想をしながら馬券を買うひとには申し訳ないが、私にはどうしてもそれができない。ファン投票で選ばれた人気馬たちがニコニコ顔で出走するんだし、ここはひとつ、自分の好きな馬を買いましょう~ってなことでパドックを見ると…
「みんなイイ!」
さすがG1という素晴らしい馬体が揺れていた。パドックの解説者も、怪しいところを探して言うのに一苦労しているようだし、何だか知らないけれど、パドックの真ん中にいる吉田勝己氏の顔が何度もパンされるので、「また映った!」とか言いながら、コーヒーを吹きだしそうになった(スミマセン)。カレンミロティック(父ハーツクライ)だけが、牛のように歩いている他は、眺めのいい絶景で、いつまでも見ていたいなぁと思った。
そんな私だが、パドックをいくらみようとも、宝塚記念は、我らがサブちゃんのキタサンブラック(父ブラックタイド)、うちのエア夫騎乗のあばれる君アンビシャス、友人の持ち馬ドゥラメンテ(父キングカメハメハ)、美浦の友人がいつも可愛がっているマリアライト(父ディープインパクト)と、これ以上はない。軸はどうしようと悩んだ挙句、結局、遠征帰りだろうが何だろうが、ぶちかましてくれると見込んでドゥラメンテに。よく見ると、妙に汗をかいていたが、最強馬にはそういった小さい事は関係ないのだ。どんな競馬になっても、強い馬は必ず来るもんだし。
そのドゥラメンテ、後方からの競馬。ハナは約束通りキタサン。続くアンビとトーホウジャッカル(父スペシャルウイーク)。大外からマリアも、いい所に蛯名が誘導していた。キタサンのペースは思いのほか速く、某ツイッターでは「速い!」という文字がじゃんじゃん流れてざわめきだしていた。
重たい馬場でハヤイ?ユタカのやることはよくわからないなぁーと感心していると、馬群は最後の直線へ。キタサンが逃げ切るのか!と思いきや、外からドゥラ、その中をマリアが割ってやって来た。蛯名の追い方がハンパない。ユタカもこのくらい追ってくれたらなぁと手を叩いて声援を送る。
マリアは蛯名の激しすぎる餅つき騎乗に耐え、脚を伸ばしてゴール!稍重といえばマリアの舞台。母父エルコンドルパサーの血が存在感を見せつける一発だった。マリアさん、ここで、このメンバーで勝つとは、本当に恐れ入りましたよ。立派ですね。あなたには、やがてこれ以上ない!と思われる素敵な旦那さんがやってくるでしょうなぁ。
宝塚記念の牝馬優勝は、スイープトウショウ以来11年ぶりの大金星。お祭りの寄付だと思っていた私の馬券も、まさかの馬連的中で涙目ですよ。
そのじんわぁ~りきた涙がびっくりして引っ込んだのは、ゴール直後のドゥラメンテを見た時。遠くのラチ沿いで、ミルコは下馬をして悲しそうにうなだれていた。ちょっとー!
「前にやったあの脚じゃないだろうね…」
大きなケガから復活し、海外遠征までやってのけたドゥラメンテの脚が…。
その後の報道でハコウとわかり、しばらく休養するそうで凱旋門賞の話も取りやめ。そこまで聞いてようやく安堵できた。ドゥラを休ませてあげたかったもんな…。
競馬を愛する「みんなの上半期」がこれで終わった。
祭のあとはこんな感じでしょうかね?と、今朝の札幌は久しぶりの青空に。洗濯物もてんこ盛りに干して、いろんな意味での日常が戻ってきたけれど、生まれつき気の早い私は、もはやカレンダーを7月にしているという。ついでに8月もチラ見。丸とか付けちゃう始末。
「札幌記念にモーリス(父スクリーンヒーロー)がやって来る?えらいこっちゃ。札幌競馬場はちょっとでも混むと、食べるものがなくなりがちなので(ゴルシの時は枝豆しかなかった)おにぎりと水筒持参か?ヤレヤレ…」
こうやって、早々と自分で自分の首を締め上げながら、私の人生は過ぎ去っていくのだなぁーと、嘆いとります。
(写真提供:美浦の友人Hさん)