5月になったばかりの朝、悲しいニュースが届きました。
近年ではNARグランプリ2018で管理馬・キタサンミカヅキが年度代表馬になるなど、
数々の名馬を手掛けた船橋、佐藤賢二調教師急逝・・・
それは本当に突然で、
本当に悲しい出来事でした。
亡くなる数時間前、大井の最終レースに管理馬を出走させ、
その前日には羽田盃(SI)をブラヴールで2着。
さらにその前日には東京プリンセス賞(SI)をアクアリーブルで制し、
牝馬クラシック2冠を達成したばかり。
亡くなって1カ月以上たった今も、まだ信じられない気持ちでいます。
佐藤賢二調教師といえば、
2017年にヒガシウィルウィン、2018年にハセノパイロで東京ダービー(SI)を連覇。
森泰斗騎手、初ダービー制覇となったヒガシウィルウィンでの優勝
雨の中、きらきらとしていたハセノパイロの優勝
鞍上は矢野貴之騎手
いつもビシっとおしゃれにきめていた佐藤賢二調教師ですが、
レースを離れるととてもシャイな方で、写真撮影ではいつもはにかんだ笑顔を見せてくださいました。
個人的な思い出ですが、私はいつも名前ではなく、地名で呼ばれていました。
家が遠いということで、
どこから来ているかを聞かれた時、
実際に住んでいる地名を言っても千葉在住の方には分かりづらいかなと思い、
先生もご存知の土地の〇〇〇の方から来ている、というと、その地名で呼ばれるようになり・・・。
「おい〇〇〇、何時に出て来たんだ?」
「どれくらいかかるんだ?」
「〇〇〇、元気か?今日も〇〇〇から来たのか?」と、声をかけてくださることもありました。
素朴な方言もあたたかくて。
管理棟の中にある調教師部屋でのスナップ(2017年撮影)
ごらんの通り、この写真も、かなり照れながら・・・でした。
明日は東京ダービー。
本来なら、自ら管理したセレンとチャームアスリープの仔・ブラヴールを送り出すはずだった佐藤賢二調教師。
その姿が競馬場にないことは寂しく、悲しいことですが、
先生が遺した軌跡がこの先へと続いていく時間になることは間違いない・・・
そんなことも思うのです。
そして、だからこそ、
夢の大舞台で、どの馬も、無事に力を発揮できますように、
いいレースだったね、と振り返ることができますように、とも・・・
東京ダービー、ブラヴールはその遺志を引き継いだ佐藤裕太調教師の元で出走します。
締めくくりに、佐藤賢二調教師のご冥福を心からお祈り申し上げます。