ようやく咲いた可憐な桜たちが、寒さに震えて泣き出しそうなあいにくの空模様。昨日までのポカポカ陽気がうそみたいに冬へ逆戻りした今日、改装工事中の札幌競馬場内で、トレーニングセールの公開調教が行われました。
およそ300頭の2歳馬たちが、左回りになったダートコースでしっかりと首を伸ばして時計を出していきます。
一部取り壊されていないスタンドに集まった馬主さんや調教師さん、生産・育成牧場の方々や競馬関係者の皆さんが、外の寒さを跳ね飛ばす勢いで、馬たちに熱い視線を送っていました。
競走馬にとって、とても大切な父母の血統が書いてあるカタログと、走る順番が記されたクルー表を片手に調教を見守ります。
冷たい風をきって馬たちがやって来ました!2歳馬とは思えないスピードと安定感です。日頃の調教の成果が出ていますね!
カメラは、馬たちがゴールを駆け抜けた後も、調教を積み重ねたピカピカのお尻とシッポの先まで撮影しています。
春とは思えないひと桁気温の中、全国のお客様に向けてライブ配信もされていました。私もしばらく同席していましたが、あまりの寒さにギブアップ!スタッフの皆さんのご苦労を身をもって知ることができました。
芝コースの張り替え工事もしていて、今は土がむき出しの状態。まもなく新しい洋芝がきれいに敷きつめられていくのですね。
改装工事中の札幌競馬場。今のところ、何がなんだかわかりません。来年のオープンが楽しみです。
外には中学生くらいの子どもたちがたくさん来ていました。2歳馬というと、ちょうど彼らくらい(?)の年齢になるのでしょうか。ここから強い名馬が生まれるかもしれませんよ~。いつまでも末長く、競馬を応援してくださいね!
今日、一番時計を出したのはメジロフランシス2011。父はJC馬のスクリーンヒーロー。昨日オークスを勝ったメイショウマンボと同じグラスワンダーを祖父に持つ鹿毛の牡馬。昨夜降った雨で重くなった馬場でも力強い脚を見せてくれました。
私が個人的に注目していたカンパニー産駒も5頭調教。今まで応援していた競走馬の子どもたちが、夢をつないで現れてくれる競馬の醍醐味!本当にわくわくします。現役時代は目立った脚のケガもなく、息の長い競馬で私たちを楽しませてくれたカンパニー。種牡馬として成功するには、子どもたちの活躍次第という厳しい世界。これから本格的に始まるセールの動向が気になりますね。場内の皆さんが注目していたのは、初年度産駒になるマツリダゴッホの子どもたち。「なかなかいいね!」の声が聞こえてきます。好評価なのでしょうか。
当歳や1歳馬のセレクトセールを何度か見学してきましたが、しっかりと育成牧場で調教された2歳馬のトレーニングセールをみるのは初めてのこと。血統に裏付けされた馬の可能性を追う「遠い夢」のようなセールとはひと味違い、「もうすぐ完成する作品」である馬たちの輝きに胸がときめきました。来年の夏。新しくなった札幌競馬場に、かっこいい競走馬名をつけてもらって帰ってきてくださいね!
明日のせりは朝9時からはじまります。お天気は雨予報。会場は野外になり、とても寒くなりますので、暖かい服装でお出かけください。