2014年02月24日

夢は続いている。

今年初めてのG1レース、フェブラリーステークス(東京ダート1600m)は、2分の1の抽選で出走を決めたコパノリッキー(4歳)が優勝!!歴史に残る大穴をあけてくれた。

誰となく漠然と応援していたお茶の間競馬だったが、2番手を追走して残り400mで先頭に立ったリッキーを視界にとらえると、言葉を形成する前の変な声がひゃあと出て、あとは無我夢中で手を叩いていた。

2強だ3強だ、いやいやもっと混戦するかもしれない、本当にそうだろうか、人気順の平穏なフェブラリーでは?なんて、つべこべひとりごとを言っているうちに馬券は買えなかったが、ダートの世界では若造の域である4歳の大金星に万歳したファンは、同時に、89年のエリザベス女王杯、サンドピアリス女史のことを思い出して、震えながら払戻金の表示を待ちわびただろう。

単勝2万7210円は、グレード制が導入された1984年以降、中央G1史上2番目の高額配当になり、純粋にリッキーを愛するファンが買った応援馬券は、何度ハグしても抱えきれない大きな夢になって返ってきた。

こんなことがあると、にっこりと笑いながら拡声器を使い、満を持して言いたくなる。

「競馬は、夢を売る商売なんですよーーー」と。

骨折からの休養明けにもかかわらず、思い切った競馬で砂の栄冠を勝ち取ったリッキーは、ドバイワールドCにも登録済みだという。またひとつ、夢は世界へつながった。リッキーが遠くに飛ばしたロープの先がみてみたい。先端に付けたグラップホックが、ドバイの地にガッチリと食い込んでいますように。

『黄、赤一本輪、黄袖』の勝負服の残像がチラチラとフラッシュバックするなか、前回告知した引退馬のトラストスポンサーの話を。

 

縁あって引き取ったトウショウシロッコが警視庁の騎馬隊に入ってから1年が経ち、時々騎馬隊の方から連絡をもらいながら、シロッコの様子を確認していた。

彼は今後も新しい就職先で頑張って行けると確信した私は、もう1頭、引退馬の一口オーナー(トラストスポンサー)になった。これからの人生を一緒に歩むことになった馬の名前は、

アドマイヤチャンプ。

父ノーザンテースト、母ハッピートレイルズ。

24戦4勝(主な勝鞍シャングリラ賞)で現役を引退後、中央大学の馬術部で活躍し、その後は宮城県の乗馬クラブへ。

2011年3月11日。東日本大震災発生。

今生きているひとびとが、自分に命が「ある」ことを意識し、天に向かって「けっして忘れるものか」と深く誓うことになった尊い日がまた来る。

震災の日、チャンプはクラブごと大津波に流されながらも一命を取り留め、同県の乗馬施設で傷を癒した後、ふるさとの北海道に帰ってきた。

私が初めてチャンプに会った時は、牧場に入りたてということもあり、ひとが出入りする柵の近くで1頭ぽつんと佇んでいた。

流星のある美しい顔立ちもかすむ背中の大きな傷跡を撫でているうちに、私の心はすっかりチャンプに奪われていた。傷は男の勲章というけれど、バカを言うな、これはケンカでできたわけではない…。自分も経験したことのないことがこの馬に起きたんだと思うと、どうしても何かが引っかかって頭から離れない。愛しさが募っていった。

馬を好きになる理由はひとそれぞれ何でもいいと思う。

一目惚れ、ドラマ、レース、強さ、弱さ、血統、ビジュアル、笑い、そして涙。

シロッコを好きになった時も、このどれかに該当するし、複数の組み合わせだってあるだろう。

被災馬といわれるチャンプだけれど、私と、今回一緒にスポンサーになった友人の口数で、ようやく満口になったというが、これは意外だった。彼のような特別な経歴なら、もっと早くにうまっていると思っていた私は、チャンプが満口であることを前提に、ホーストラストさんへ問い合わせたのだが、現実は違っていた。

もしそこでチャンプが満口であったならば、また他の道が私に用意されていたと思う。

これからどんな友だちができて、どんな風に暮らしてゆくのか。今日のご飯はおいしいだろうか。

余生牧場では、セン馬になった牡馬と牝馬が一緒に放牧されていることが多く、ホーストラストさんでも合同昼夜放牧のため、長い余生をともに支え合うパートナーができることもあるそうだ。

チャンプにも、傍に寄り添って生きてくれる優しい女の子とめぐりあってほしい。

ハミも鞍もない自由な世界で、1年1年生きることが、彼らの夢であると思った。

夢は長くみれる方が私にはいい。

毎月3000円。今月の初めに年払いしてきた。

うっかりすると、このくらいの金額を、無駄に飲んだり食べたりしていませんでしたか?と問う。とんでもない、3000円どころか万単位で、海の泡のようにぶくぶくと沈む死んだお金の使い方をしていましたよ。

私のような、たいしたお金もない、ごくごく一般的な人間が、たった1頭でも、身銭をかけて応援したいと思える馬に出会えたことに感謝したい。労働意欲もびんびんわいてくる。馬を持つっていいな。

もうすぐ3月。お天気が良ければ、同じチャンプのオーナーで、写真を提供してくれた長谷川さゆりさんと岩内へ向かいます。

チャンプ、待っててね!

Photo

@北海道にはまだたくさんの余生牧場があります。ふんわりとでも、そんな風景をみてみたいと思われた方は、何かお手伝いができるかもしれませんのでお知らせください。

上坂さんこんばんわ♪
フェブラリーSまさかの大逆転!タルマエかベルシャザールの2強と言われ私の中では、ワンダーアキュート入れて3強だと思い武豊さん今度こそと思っていたのに馬群に沈みました。リッキーさすがゴールドアリューの血が流れてますね。
一年前まで木曽馬の乗馬が出来る牧場に通ってました。
一回3000円…ふとお馬さん一人分だと思い、助けなきゃ!と思い即里親になり今では3人の仔の里親です(^^)bみんなのお陰で逆に私自身が幸せを頂いてる気がします。生きている限り里親を続けていける様に仕事頑張るぞp(^^)q

泣けた、泣いた。。。
コパ先生&リッキー君、ホントにおめでとう!

「次はドバイですか?」
「いや、地方競馬です。
 お世話になっっている地方競馬に恩返ししたい」と言ったコパ先生の言葉に泣いた。

由香さん、こんにちは。
ゴール前、レンズ越しにコパノリッキーをピントに合わせた時、
【マジかよ、、、逃げ切るぞ】と思いながら
シャッターを切ろうとした瞬間
キズナのダービーとは違う震えを味わいました。
ゴールした瞬間を捕らえた写真は、
これから撮りたくてもなかなか撮ることが出来ない
G1での最低人気馬のゴールの瞬間を捕らえてました。

でも、これがあるから競馬はやめられませんね(^o^)

てるみさん、こんにちは!リッキーすごかったですね!何だか妙に感動しました!Gアリュール父ちゃんの仔は、まさにダート!砂!ダート!信頼のラベルです♪てるみさんも木曽馬のオーナーさんだったのですね!私も縁あって、2頭目の親になりましたが、自分の人生に「馬がある暮らし」が巡って来るとは思いませんでした♪私も頑張って働きますよ~♪

Kenちゃんさん、こんにちは!コメントありがとうございます♪コパ先生、そのような談話を出してたのですね!さすがコパ先生です。馬で受けた恩恵は馬でお返しをする、心意気に胸熱です。ラブミーチャンが引退し、少しおさびしいこともあったでしょうが、これからはG1馬リッキーがけん引してくれますね!

しょうさん、こんばんは!リッキーにピントがあう瞬間、日本の競馬ファンみんなが同じ感覚になったと思います!私も「わー!そのままー!」と絶賛応援中でしたから!競馬は夢ですね。夢がタテガミをつけて走っています。この感動を、競馬を知らないひとに伝えたいですよねー!

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以上

上坂由香

出身地
北海道札幌市
職種
エッセイスト

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