「え!典さんが乗るのー!」…
思い起こせば、ちょっと前。
天皇賞・春にゴールドシップは出走しないみたいなことになっており、お得意の宝塚記念に直行かな~と、のんきにしていたら、やっぱり出るわ、鞍上は1度ケチがついた横山典弘騎手だわで、ただでさえ薄くて困っている眉をガリガリ掻いて、最悪の状況を考えたりしたものです。
おかげで左眉がほとんどなくなってしまいました。
なおすけ、このやろ(須貝先生スミマセン!)変にフラフラして…。
しかし、そのなおすけにGOだ!と言わせたのは他でもない、典さんだったのです。
『秘策があります』…!
平凡な負けが許されないベテラン騎手が、どっちに転ぶかわからない危ないゴルシに乗りたい?同じ気性難同士の、何かシンパシーでも感じていたのでしょうか。
「彼らは変態だからね」
とあるセミプロ予想家の言葉に激しくうなずきながら、私も自他ともに認める変態のハシクレ、一緒にプレイを楽しみたくてたまりません。そのセミプロがつけた印はなんと「?」白星のあとのハテナマーク!全国の有料予想家陣営も、正直ゴルシにはこれをつけたかったのではないでしょうか。
菊花賞と同じ1枠1番に目隠しで誘導され、ややバフラめきながら(これ北海道弁かしら)出たゴルシ。典さんはとりあえず押してみたものの、大きな馬体を持て余し気味に安定の最後方。ポツンは間逃れたのかと思いきや、馬群のかなり外側で得意のポツン。別にそんなところでしなくても!いちいち面倒くさい男です。
ズブオ日本代表のゴルシに任せておいたら凡走のパターンだったのかもしれません。典さんの秘策は2周目の早い段階での気合い一発!普通の馬なら途中でつぶれてしまうようなありえないところからの指令ですが、ゴルシには絶妙なタイミングだったのでしょう。
みんなが見たかった「あの」ロングスパートがはじまりました。
その後いったん息を整えたあとは、誰よりも雄大なストライドをいっぱいに伸ばして、ハナに立っていたカレンミロティックをかわし、猛烈に追い上げてきたフェイムゲームをクビ差振り切っての勝利!その瞬間、私の黒部ダムが爆発決壊!号泣が止まらなくなってしまいました。こんなに泣いたのはオルフェーヴルの有馬記念以来ですよ。キミたちいったい、なんなんですか!
ゴールしたあと、典さんは天を仰ぎ、祈りのポーズをして馬の神さまにご報告です。たくさんの感謝を身体いっぱいに表現していました。ベテランの典さんだってひとの子です。ゆるぎない自信と同じ分量の激しい心配をして、胸が張り裂けそうだったに違いありません。いつもだったらデットーリジャンプをするところなのですが、いつまでも偉大な芦毛の背中に乗っていたかったのでしょうね。いや、まてよ、そんなことをゴルシでしたら、飛んだ瞬間パッカーンと蹴られる恐れがあるし。さすが典さん、最後まで英断です。
苦手といわれていた京都。3度目の挑戦で春の盾を手にすることを神さまに許されたゴールドシップ。ブエナビスタ、オルフェーヴル、ジェンティルドンナに続いてGI、6勝目。歴史的な名馬の一員になりました。
しかしゴルシの場合はその輝かしい戦歴をさしおいて、いかにここまで強く走らせるかという騎手とのドラマが濃厚にブレンドされており、勝利の味を格別なものにしていますね。誰にだって欠点くらいあるでしょうし、完璧なものなんて美しいだけでつまらないと思うこともあるでしょう。
競馬を盛り上げて面白くさせ、なおかつ一向に飽きさせない奇跡の馬ゴールドシップ。次走は得意の宝塚記念でしょうか?また連覇がかかっていますが、脚を気にするそぶりもあったようですから、あとはなおすけにまかせましょう(まだいうか!)
競馬は記憶のスポーツです。やがて生まれてくるであろう私の孫に(息子に八つ裂きにされても、競馬の英才教育をする予定)「ばあちゃんね、この馬のすごいレースをテレビでみて泣いたんだよ」と、またひとつ羨ましがらせるネタが出来ました~。はやく生まれないかなー、孫!あ、まだ結婚してなかったか。
で、馬券はどうよ?(°Д°)
実はワタクシ、ゴールドシップの単複に500円!!
「なに!オマエ、俺様に複勝つけやがって!」
いえいえ、あなたに単勝でゴルシが複勝だってば。怒っちゃやーよ(すごい言い逃れ)。
その他3連複は、ゴルシからデニムちゃん、ラブリーディの金子組にしてポン。負けてもいい音です。
レース後は「旦那さんおめでとうございます」と、本妻のSさまに申し訳が立たないくらいの祝メールと写真をいただきました。いろんな意味でスミマセン!ありがとうございました!
JBISからのお知らせです。
5月25日(月)~26日(火)
札幌競馬場で行われる北海道トレーニング
セールをライブ配信を行います。
http://live.jbis.or.jp/ ←その模様はコチラでどうぞ!
私も取材にお伺いしま~す。