今年の札幌開催の騎乗を最後に引退した藤田伸二元騎手が、ススキノのウインズ近くでカフェバーをしているということは有名な話だが、私の知人が藤田さんの熱烈なファンであることを遅まきながらきいて、これはどうにか連れて行ってあげたいなーと、いつもの激しいおせっかいな気持ちが湧きあがった。
先行して来店していた友人がしばらく行けないというので、以前から藤田さんはもとより、来道するたくさんのジョッキーと親交のある方にお願いしてお店の予約をしていただき、オトナの育成に必要不可欠な夜間放牧となった。
藤田さんは騎手時代から、札幌に縁の深い人物であり、奥様も市内の高級住宅地美しが丘でアロマのお店を経営されている。
その日、私たちの方が先に入店して、奥様のものと思われる素敵な香りに包まれながら談笑をしていると、ほどなくご夫婦そろって出勤。
あきらかに普通ではない独特のオーラに護衛されてやってきた藤田さんの眩しいこと!日本の競馬界のみならず、世界でも活躍した大騎手であることを全身で放ちながら登場した。
話のネタに、先日アロースタッドさんで会ってきたトランセンド近況はどうか思ったが「俺、全然競馬みてないし、もう知らないの」と、興味なさげに笑い飛ばす藤田さん。「よろしいやん」はどこへいってしまったのかな。
生命力の強い男に見受けられる、ひとつのことにこだわらない、引きずらない様子と、ブリリアンカットのように多面体化した藤田さんは、キラキラを通り越してギラギラっと輝く。
このひとは今後、馬とは関係ない方面で、いろんなことをしていくのだろう。
藤田さんとファン嬢は終始にこやかに会話が進み、一緒に写真を撮ったり、顔を見合わせながらおいしそうにお酒を呑んでいた。よかったよかった。私まで嬉しくなっちゃう。感無量ですよ~。
よせばいいのに、うっかり私も藤田さんと2ショットを撮ったけれど、実写版「進撃の巨人」になってしまったのはいうまでもない。
さて、混迷を極める秋華賞。
私は桜花賞馬のレッツゴードンキがここを制するとはどうしても思えず、スパッと切って、阪神ローズ1着の勢いでタッチングスピーチ軸とした。
そこから義理堅く典さんのココロノアイ、紫苑1着のクインズミラーグロ、同じく2着のホワイトエレガンス、ローズ5着と平凡だけど、鞍上が非凡のミルコさんでクイーンズリング、大外もなんのその、連帯を外さない実力を買って、ここは外せないオークス馬ミッキークイーンで流した。
気がつくと、クイーンばっかりじゃないか。鼻とか耳とか、いろんなところをひねりながら、何とか買い目を出してみたけれど、願わくば、逃げるドンキのペースで淀みなくすすみ、最後の直線で中、内、外のタッチ、クイーンズ、ミッキーで決着してほしい。ところが!
まずはドンキが逃げそこね、一瞬どこにいるかもわからない。ハナは何度か入れ替わって結局ノットフォーマルが元気にひとり旅。続く一団は早い流れになった。
この辺からすでに、私の未来予想図はもろくも崩れて血圧低下。めまいがしてくる。
おっと大変、私のタッチ嬢は最後方じゃないか!もはやこれまでかと思いきや、全頭それなりに仕掛けが早く、あっという間に最後の直線に向き、わーわー言っているうちに、一番いい位置にいたミッキーが馬群のど真ん中から抜けたところに、外から来ましたリングちゃん!タッチはどこだ!
あてにならないスポ紙をギュウギュウに締め上げ振りまわした願いもクビ差届かず、ミッキークイーンが秋華賞レコードを叩きだす2冠達成!2着にクイーンズリング、3着にはユタカからミユキに乗り替わったマキシマムドパリが入った。私のタッチは6着で、ドンキはなぜか17着に沈んだ。馬体は大丈夫でしょうか。
しかしまぁ、オークス馬をなめちゃいけませんね。まったく。枠なんて、そんな小さいことは関係なし!不安材料があれだけあって1番人気に押されるという大混乱の中、これだけの記録を叩きだしたミッキークイーン。
次走はおんなこども相手ではなく、国内最強牝馬ジェンテルドンナ女史のように、東京2400m!ぜひともジャパンカップにすすんでもらいたい。3歳は確か斤量53kgとか、もう勝ったようなものですよ。ガチで。
ここのところ私の基本フォームである1頭軸流しの馬連が死亡しているので、来週の菊花賞は、
「トリガミでもいい、当てたいんや!(坂東)」
ついにボックスに手を出そうという決心がついた上坂ですが、サブちゃんの歌がききたいなぁーと思う時点で、もはや人情馬券の匂いが。。
菊花賞は天皇賞・秋に続いて私の大好きなレース。なんたって見ごたえがある。オルフェーヴルの菊花賞は、3着にトーセンラーが来たし、1着と2着のウインバリアシオンの強すぎる2頭は別格としても、距離不安のあったラーが3着になるなんて誰が予想しただろうか。
キタサンブラック。菊花に出走予定の馬たちにはあらかた勝っているぞ!サブちゃんに悲願のG1を。
・・・どうか激しくお父ちゃん似でありますように。