ここ最近、激安といえど、ひそかに馬券が当たっている私は、桜花賞のパドックをガン見していた。
――――ずいぶんとシッポを振っているなぁ。
1番人気に押されたメジャーエンブレム(父ダイワメジャー)は、せわしなく尾を振り、全体的にみてもそわそわと落ち着かない様子。いろんな見方があると思うが、私にはそう見えた。これはひょっとして…。
阪神競馬場の桜は、春の牝馬クラシック第1弾桜花賞(G1芝1600m)に出走する女の子たちを見守るように咲いていた。こんなに美しいレースは、世界的にみても、他にあるのだろうか?
そんなうっとりする中切られたスタートで、まず異変が起こる。
メジャーエンブレムが逃げられず、むしろ手綱を抑えているような感じ?どうしたのかなぁーと思っていると、カトルラポール(父グラスワンダー)がハナにたち、他の女の子たちも元気よく飛び出していった。
注目馬の位置取りは、中団に前目にメジャエン、その後ろ外側にシンハライト(父ディープインパクト)、後方にジュエラー(父ヴィクトワールピサ)という展開。
そのまま最後の直線。道中、窮屈そうだったメジャエンの前は開いたけれど、ラベンダーヴァレイ(父ディープインパクト)に寄られてややもたつき、仕切り直しとばかり抜け出した時には、シンハライトも同時に加速。後方で脚をためていたジュエラーが、大外からぶっ飛んできてゴール!
2センチの差でジュエラーが第76回桜花賞馬になった。切れ味専科のディープっ子を抑えての勝利は、ピサ父ちゃんもびっくりしたことだろう。シーズン後半のお仕事増えまっせ。
写真判定を待たずして、ツイッター某氏が「ルメ太郎wwwww」と、wの中に悔しさをたっぷり盛り込んで叩き打っていたので、私もつい衝動的に「るめ太郎」とツイートしてしまったが、同じような気持ちのファンは多かったと思う。
メジャーエンブレムの圧倒的な強さを味わい損ねた感が、重苦しく横たわっていた。
勝ったジュエラーはもちろんシンハライトも、パドックでは馬体重よりは大きく見せていて、番組が始まる前まではメジャエン軸にしようと思っていた私は、ここであっさりジュエラーに変更!
ほんとかどうかは知らないが、牝馬がシッポを振りまくる時は、フケがきているサインだと聞いたことがあった。やっぱりそれだったのかなぁー。牡馬のように凛々しいメジャーエンブレムだって、女の子になる日もあるだろう。何となくもっさりして強さを発揮できなかったのは、それもちょっぴりあったかもしれない。それにしてもルメ太郎…。
私の3連複フォメ馬券を救ってくれたのは、3着のアットザシーサイド(父キングカメハメハ)だった。先日、福永いっくん騎手を褒めたたえた恩恵が跳ね返ってきた格好。いっくん、ありがとう~。栄養のあるよいおかずが買えました。
1強といわれたメジャーエンブレムが4着に終わり、これで今後、今年の牝馬界は3強と表記されることが多くなる見込み?距離が長くなるオークスはどうなってしまうのか。そもそもメジャエンは出るのか。ダイワメジャー産駒の立ち位置はどうなのか。いやいや、爺さんの欄にオペラハウスですよ。キタサンブラック的なことになるかもしれないし…。
そうはいっても、ジュエラーの血はまさしく2400m。似合いすぎ。うーん。
次の大舞台で、シッポを振り回す女の子がいませんように。