久米島から、こんにちは。
『南の馬との出会い』の話はラストとなります🐴🏝
もう2ヶ月も前のことではありますが、今でもふと馬たちの顔を思い出すことがあります。
久米島では久米島馬牧場さんでお世話になりました。
はじめに馬たちが過ごす放牧地を、井上恵子さんに案内していただきました。
「牧場ではなく放牧地・・・?」と思ったのですが、久米島馬牧場さんは放牧地で馬を管理しています。
その放牧地というのが、島内の農家さん達が持っている有休農地や耕作放棄地なのです。
伺ったところによると、島内には200箇所以上の馬の放牧を依頼された農地があり、約3週間から1ヶ月のサイクルで馬の群れを移動させているとのこと。
放牧地で困ることがないと仰っていましたが、それだけの放牧場所があるのは「地域の人たちとの繋がり」があるからこそだなと。
井上夫妻の人柄はもちろん、馬という存在が「自然と地域をつなぐ」役割を果たしているのだと感じました。
所有馬は21頭で、与那国馬に限らずさまざまな馬がいました。
性格や相性を考慮して 4~5つのグループに分けられた群れが、のびた草を食み島内の自然を守っているのです。
お仕事(外乗や保育所から小学校の授業など)がある時に、放牧地から馬運車で移動します。
久米島馬牧場は舎飼いをしていないので、厩舎管理が必要ありません。
「長く馬を見て(観察)あげることが一番大切」と井上恵子さん。
それぞれの馬の性格
得意なことや苦手なこと
群れの中で過ごす様子
「厩舎管理がないことで、1頭1頭をより観察する時間を持つことができます。そして、馬それぞれに合わせて手をかけることができるようになりました。」と仰っていました。
馬たちの世話に追われ過ぎることなく、しかし馬たちのためにできること(トレーニング等)に時間を費やすことができるのだなと。
そして、定期的に放牧地が変わることで、馬自身が初めて見るものに動じない性格になってくるとのこと。
外乗メニューの『森と浜散歩 』では、森を通り抜けたあと川沿いを進んでいきます。
外乗中は井上さんが飼っている犬たちがずっと付いてきてくれました。
自由に駈け回り、ルンルン♬楽しそうでした。
馬上で「あぁ、自由で開放的な島だなぁ。」と、リラックスしていく自分がいました。
今回はタイミングが合わず見学できませんでしたが、与那国馬について学ぶ学校授業やレクリエーションなどを頻繁にお願いされることがあるとのこと。
ブログで活動が紹介されているので、是非👇
沖縄本島から元ジョッキーの岡部幸雄氏も来ることがあるのです!
久米島馬牧場の活動を伺っていると、とにかく島内の人・馬・自然が「繋がって回っている」のです。
この活動を参考にされる他地域も多いのではないかな、と思いました。
馬に限らずこれからは牛にも取り組む、井上福太郎さん
外乗後はまた放牧地を案内していただき、宿泊先へ送っていただきました。
古民家を自分たちでリノベーションして民泊事業も行なっているのです。
南の家のつくりは、窓からシャワールームまで、北海道から訪れた私にとっては何もかも新鮮でした。
一番驚いたのは、夜になり部屋の灯りに誘われヤモリが窓ガラスに“ドン っ”と張りつく音でした。笑
久米島でも島内観光をすることなく、馬と過ごす時間のみ。
タイトスケジュールでの島巡りは、何度も言いますがムリがありました・・・。
宿泊先の古民家で地元のスーパーで買ってきたお弁当を食べ、縁側から見える草地にいる馬を眺め、この時期しか咲かない「サガリバナ」を歩いて見に行ったのみ。
静かな時間が流れる古民家
<外観を撮り忘れました…>
縁側から見える馬
北海道では見ることのできない花々
最終日にのんびりと旅を振り返ることができた貴重な時間でした。
空港までの送迎もしてくださった、井上さんには本当に感謝です!
ほんの1日しかいなかったのですが、島内に流れる空気や雰囲気がとても温かく甘美だなぁ・・・と。
今回の馬旅で出会った皆さんは、馬に対する「愛」を持って試行錯誤しながらも真剣に楽しんで向き合う姿が自由でキラキラして見えました。
行く先々で馬に出会い、そして人と繋がる。
人との繋がりが、新たな馬との出会いへと発展する。
ですので、しばらくは私の馬旅は続きそうな予感がします。
また違う日本和種馬に出会う旅について、紹介する日が楽しみです。
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