昨日行われた第83回日本ダービー(東京・芝2400m)は、3番人気のマカヒキ(父ディープインパクト)が優勝して6913頭の3歳馬の頂点に!鞍上の川田騎手も、ついにダービージョッキーとなり、これでクラシックレースをコンプリート(史上8人目)するという最高のご祝儀付きですよ。
いつも、クールなのかかっこつけてるのかわからないニヒルな川田騎手も、そりゃー泣きますわ!マカヒキの背中で、何度も頭を下げる新しいダービージョッキーの姿に、もらい泣きしたファンも多いことでしょう。私は違う意味で泣きましたけどね(その話はまだハヤイ)。
史上最もハイレベルといわれた世紀の大レースは、マイネルハニー(父マツリダゴッホ)がハナで引っ張る展開。すでに関係各位から苦情がきている典さんは、スタートからいきなり府中駅の方に向かってしまい、相変わらず妙な形で目立つという…ホント勘弁してくださいよ、もう!
けっこうな縦長になった馬群の中団にいたマカヒキは、ロスのない堅実コースで最後の直線に向き、残り400mあたりから先に抜け出していたエアスピネル(父キングカメハメハ)を抜き去って、一瞬ヨロっとしたあとに強襲をかけてきたサトノダイヤモンド(父ディープインパクト)をハナ差8センチ退けてゴール!
1番人気だった皐月賞馬ディーマジェスティ(父ディープインパクト)は半馬身差で3着、続けてユタカのエアスピネルが入り、「私の」リオンディーズ(父キングカメハメハ)は、最速のあがりをみせるも5着が精一杯だった。おそらくこれは、井崎先生が予想で「リオン」と言ったせいだと思われます(涙)。
今年のダービー馬がマカヒキに決まってからすぐ、「そういやさ、皐月が終った時に、ダービー馬はマカヒキだって、みんなで話してたよね」と、札幌競馬場で落ち合って一緒にダービー観戦をした競友は言った。
そうそう、そうだった!
今年の冠は、強い馬たちで仲良くわけあう形になるんじゃないかと話していた。
けれど私は、その可能性の目盛りを半分くらいまで上げたところで、残りを贔屓馬リオンディーズで埋めることに。だって、好きなんだもーん。皐月でケチがついたし、応援にも拍車がかかるってもんだ。私はどうも、正統派の男より、荒ぶるヤンチャ系のちょっぴりダメぽな男を好むようでいかんなぁ。
いろんな熱い思いでたっぷりみたされた心の表面張力の盛り上がった部分に、愛馬4頭をぶち込んできた金子さんのナミナミならぬ思いを重ねてしまう。
これほどダービーにつながりのある馬主もいないと感心していた。いったい何を食べたら、ここまでの強運になれるのだろう。英雄ディープを選び出した奥様に聞いてみたくなった。
「サイン出てたね、マカヒキリ」と言った競友の声を聞いてハッ!とし、気が遠くなった。
ダービー直前、不慮の事故で亡くなってしまった種牡馬カネヒキリ。うん、そういうことも大いにあるかもしれないし。
「菊花はサトノ(ダイヤモンド)かもね」競友は締めくくる。ここでリオンと言ってほしかったが、もし本当にそんなことが起きたら、私はこの競友に敬意を払って聞かねばなるまい。ちょっとー、何食べてんの!
サトノダイヤモンドは落鉄をしていたようで、もしこれがなかったらと思うと、やはり一番運のよい馬がダービー馬になるんでしょうな。
今年のダービーの直線は、マカヒキの道だった。いい叩きあいだった。川田はルメに負けていなかった。追う瞬間、川田の股がパクッと開くのは好きじゃないけれど、マカヒキ自身が作り上げたこの道が、凱旋門に続いているのかもしれないと思うだけで武者震いしちゃいますよ~。
ともかく私は、しばらく放心でございます。